日本歴史時代作家協会 公式ブログ

歴史時代小説を書く作家、時代物イラストレーター、時代物記事を書くライター、研究者などが集う会です。Welcome to Japan Historical Writers' Association! Don't hesitate to contact us!

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『映画に溺れて』第159回 ジェイ&サイレント・ボブ帝国への逆襲

第159回 ジェイ&サイレント・ボブ帝国への逆襲 平成十五年八月(2003)新橋 新橋文化 映画マニアあるいはオタク、フリーク、コレクター、彼らの好むジャンルというのは、アニメーション、SF、オカルト、ホラーなどで、あまり文芸大作のオタクとか…

『映画に溺れて』第158回 変態家族 兄貴の嫁さん

第158回 変態家族 兄貴の嫁さん 平成四年五月(1992)大井 大井武蔵野館 大手日活のロマンポルノ、それ以外のピンク映画、それら成人映画は一種の若手監督の登竜門でもあったのだろう。『おくりびと』の滝田洋二郎をはじめ、ピンク映画界から巣立ち、…

大河ドラマウォッチ「いだてん 東京オリムピック噺」 第34回 226

昭和11年(1936)2月26日。雪道を踏みならす軍靴の音が、赤坂表町に向かっていました。首都を震撼させた226事件が起こったのです。陸軍の青年将校が兵を率い、首相や教育総監を殺害しました。警視庁も占拠されます。 田畑政治(阿部サダヲ)が出社した朝日新…

『映画に溺れて』第157回 親指スターウォーズ/親指タイタニック

第157回親指スターウォーズ/親指タイタニック 平成十二年四月(2000)渋谷 シネセゾン渋谷 親指の先、指紋のある腹の部分にCGで顔を描く。カツラを被せ、服を着せ、この人間の指を使った指人形で『スターウォーズ』と『タイタニック』の物語を再現…

『映画に溺れて』第156回 クイーンコング

第156回 クイーンコング 平成十三年十月(2001)渋谷 シネクイント 一九三三年の『キングコング』はその後、続編が作られたり、リメイクされたり、アニメになったり、日本でゴジラと戦ったり、いろんな形で作られ続けているが、一九七六年にディノ・…

『映画に溺れて』第155回 日本以外全部沈没

第155回 日本以外全部沈没 平成二十四年二月(2012)大森 キネカ大森 小松左京のSF小説『日本沈没』がベストセラーとなった一九七三年、現実のオイルショックと重なり、世間は不安ムードにおおわれた。なにしろ、活断層の影響で日本列島が海に沈ん…

『映画に溺れて』第154回 シャーロック・ホームズVSモンスター

第154回 シャーロック・ホームズVSモンスター 平成二十三年三月(2011)渋谷 シアターN渋谷 二〇一一年三月の大地震発生の直後、東京の盛り場は新宿も渋谷も灯が消えたような有様だった。ちょうどその時期、シアターN渋谷で開催されたのが「アサ…

『映画に溺れて』第153回 プロデューサーズ

第153回 プロデューサーズ 平成十三年一月(2001)渋谷 シネマソサエティ 世紀の駄作『死霊の盆踊り』はあまりのくだらなさゆえ、それが話題になって、多くの映画ファンの知るところとなった。最低作は最高作と同じように印象に残る。 作品が最低すぎ…

『映画に溺れて』第152回 死霊の盆踊り

第152回 死霊の盆踊り 令和元年八月(2019)池袋 新文芸坐 あまりのくだらなさに、それがかえって一部のファンの興味をそそり、話題になるという不思議な現象である。 もちろん、世間にはまったく話にならないほどくだらない最低映画は山ほどあり、そ…

『映画に溺れて』第151回 さらば愛しの大統領

第151回 さらば愛しの大統領 平成二十二年十月(2010)六本木 アスミックエース試写室 大阪で生まれ育ったせいか、私は子供の頃からTVのお笑い番組が大好きだった。幼児期から関西特有の漫才、新喜劇、落語、バラエティ、大阪のTV局から流れるそ…

大河ドラマウォッチ「いだてん 東京オリムピック噺」 第33回 仁義なき戦い

1940年.オリンピック開催地を決定するIOCオスロ総会が迫る中、オリンピック招致に後れを取っている日本は、イタリアのムッソリーニ首相に「譲ってもらおう」という奇策に打って出ました。嘉納治五郎(役所広司)はやる気です。「まずローマにおもむき、ムッ…

日本歴史作家協会賞受賞者トークショー&サイン会のお知らせ

八重洲ブックセンターにてサイン会開催致します! 歴史時代作家クラブ賞から衣替えした、新生・第1回日本歴史時代作家協会賞の 記念イベントを開催いたします。 受賞作家5名によるトークショーと、サイン会です。 歴史時代小説ファンは必見のイベントです…

明治一五一年 第4回

明治一五一年4 森川雅美 見えない影を追っている見えない影の意識を追っているやがて視界を失う私たちの眼だから懐かしい声が聞こえいつまでも消えない掌の温みがゆっくり体に満ちていき失われた数知れぬ魂たちが静かに訴えかけてくるのです密かな佇みを注…