日本歴史時代作家協会 公式ブログ

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2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

書評『一休破戒帖 女賊始末』

書 名 『一休破戒帖 女賊始末』著 者 平野 純発行所 芸術新聞社発行年月日 2021年6月1日定 価 ¥Ⅰ700E 一休破戒帖 女賊始末 作者:平野純 芸術新聞社 Amazon 「頓智の一休さん」で親しまれる一休宗純(1394~1481)を主人公とした小説である。みずか…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第20回 篤太夫、青天の霹靂(へきれき)

篤太夫(吉沢亮)は一橋家の財政建て直しに、自分の居場所を見つけていました。 長州攻めの指揮をとっていた将軍家茂(磯村勇斗)が、大阪城にて倒れてしまいます。慶喜(草彅剛)は家茂を見舞います。 「私はまだ死ねんのじゃ。今の徳川を残して死んでは、…

第10回日本歴史時代作家協会賞 候補作発表‼

第10回日本歴史時代作家協会賞 各賞候補作(2021年度) ●文庫書き下ろし新人賞 (デビューから3年以内の作家で、2020年6月から2021年5月刊行までの文庫書き下ろし作品が対象) [候補作] 櫻部由美子『くら姫 出直し神社たね銭貸し』 ハルキ文庫21年4月鷹山 …

『映画に溺れて』第420回 ダイ・ハード

第420回 ダイ・ハード 平成元年三月(1989)新宿歌舞伎町 新宿プラザ 不死身でもなく特殊能力もない生身のヒーローがたまたま凶悪事件に巻き込まれ、ひとりで敵に立ち向かう『ダイ・ハード』は、なんといっても画期的だった。 ニューヨークの刑事ジョン…

『映画に溺れて』第419回 Mr.インクレディブル

第419回 Mr.インクレディブル 平成十七年一月(2005)新宿 新宿ピカデリー2 スーパーヒーロー同士が結婚し、生まれた子供たちにも特殊能力があるというのは『スカイ・ハイ』と同じ趣向だが、公開の時期はこちらの『Mr.インクレディブル』が少し早い…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第19回 勘定組頭 渋沢篤太夫

篤太夫(吉沢亮)は一橋家の懐を豊かにするために動き始めました。良質の米を高く売り、火薬の製造を始めます。 そして幕府にも、懐を豊かにしようとする男がいました。小栗忠順(上野介)(武田真治)です。 「フランスから軍艦を買うか。さすれば長州など…

『映画に溺れて』第418回 バットマン リターンズ

第418回 バットマン リターンズ 平成四年八月(1992)大阪 梅田 梅田東映パラス ティム・バートン監督の『バットマン』に続く『バットマン リターンズ』は、さらにバートン色の強い遊び心満載で、乳母車ごと捨てられた赤ん坊が川をどこまでも流れていく…

『映画に溺れて』第417回 ワンダーウーマン

第417回 ワンダーウーマン 平成二十九年七月(2017)西新橋 ワーナーブラザース試写室 マーベルがアベンジャーズを結成したのに対し、DCコミックスもまたスーパーマンやバットマンたちをジャスティスリーグで集結させた。その中の紅一点がワンダーウー…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第18回 一橋の懐

武田耕雲斎(津田寛治)を首領と治した天狗党千人あまりが、慶喜(草彅剛)を頼り、京へと向かっていました。しかし慶喜は家臣にいいます。 「京を守るのが私の役目だ。天狗ども京に入れるわけにはいかぬ。私の手で、天狗党を討伐する」 篤太夫(吉沢亮)や…

『映画に溺れて』第416回 インクレディブル・ハルク

第416回 インクレディブル・ハルク 平成二十一年一月(2009)新橋 新橋文化 エドワード・ノートン、ウィリアム・ハート、ティム・ロス。文芸大作に主演しそうな渋い三人でマーベルコミック『超人ハルク』の映画化。 米軍が極秘で開発中のスーパーソルジ…

『映画に溺れて』第415回 スパイダーマン

第415回 スパイダーマン 平成十四年五月(2002)渋谷 渋東シネタワー2 ヒーローコミックが低予算のTVシリーズとなり、やがてスターを起用した大作映画に生まれ変わるのは、今はなきクリストファー・リーヴ主演の『スーパーマン』あたりからか。 そし…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第17回 篤太夫、涙の帰京

元治元年(1864)六月。篤太夫(吉沢亮)と成一郎(高良健吾)は、一橋家のために集めた人々を連れて、江戸に向かっていました。そこへ中の家(なかんち)の作男である伝蔵(萩原守)がやって来ます。伝蔵は惇忠(田辺誠一)が放免になったことを二人に伝え…

『映画に溺れて』第414回 シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい

第414回 シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい 令和二年十二月(2020)有楽町 ヒューマントラストシネマ 十九世紀末のパリ、若き詩人エドモン・ロスタンは二年前にサラ・ベルナールのために書いた詩劇が失敗に終わり、次の仕事がなく困窮していた。 そ…

『映画に溺れて』第413回 メリーに首ったけ

第413回 メリーに首ったけ 平成十一年二月(1999)新宿歌舞伎町 新宿グランドオデヲン ここまでやるかというぐらいに悪乗りの下ネタ満載、大いなる悪ふざけではあるが、微妙なところで下品になりすぎない。というか、下品さがさほど不快に感じられない。…