日本歴史時代作家協会 公式ブログ

歴史時代小説を書く作家、時代物イラストレーター、時代物記事を書くライター、研究者などが集う会です。Welcome to Japan Historical Writers' Association! Don't hesitate to contact us!

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

大河ドラマウォッチ「鎌倉殿の13人」 第40回 罠と罠

京の後鳥羽上皇(尾上松也)は、内裏(だいり)の修復を、鎌倉にやらせることを思いつきます。 和田義盛(横田栄司)の館(やかた)に御家人たちが集まっています。自分たちが内裏を修復することが不満なのです。和田は皆にいいます。 「上皇様が鎌倉殿にお命じにな…

『映画に溺れて』第526回 シャーロック・ホームズ 闇夜の恐怖

第526回 シャーロック・ホームズ 闇夜の恐怖 平成二十六年一月(2014)渋谷 シネマヴェーラ 第二次大戦が終了しても、ベイジル・ラスボーンはしばらくホームズを演じていた。『闇夜の恐怖』は戦後に作られた作品で、走行中の列車内で起きた事件をホーム…

NPO法人『都草』の件

会員・久宗圭一さんからのお便りです。 私はNPO法人 京都の観光・文化を考える会 『都草』の理事を務めております。 私が担っております役割の一つに、京都の魅力を都草なりの新たな視点で切り取り映像化して広く紹介するという事業(映像制作プロジェクト)…

『映画に溺れて』第525回 シャーロック・ホームズ 恐怖の館

第525回 シャーロック・ホームズ 恐怖の館 平成二十八年十一月(2016)曳舟 すみだ生涯学習センター ベイジル・ラスボーン主演のホームズ映画は20世紀フォックスの最初の二本だけが原作と同時代のヴィクトリア朝になっているが、ユニバーサルの十二本…

『映画に溺れて』第524回 シャーロック・ホームズ 緋色の爪

第524回 シャーロック・ホームズ 緋色の爪 平成二十四年八月(2012)渋谷 シネマヴェーラ アーサー・コナン・ドイルのホームズ物語は大ベストセラーとなり、ウィリアム・ジレットの舞台劇をはじめ、映画となりTVとなり、数多くの俳優がシャーロック・…

大河ドラマウォッチ「鎌倉殿の13人」 第39回 穏やかな一日

時政が鎌倉を追われたあと、天然痘を患(わずら)っていた源実朝(さねとも)(柿澤勇人)が、政務に復帰します。 「ご心配をおかけしました」 と、実朝は北条義時(よしとき)(小栗旬)と政子(小池栄子)にいいます。 「もう大丈夫なのですか」 と、政子…

大河ドラマウォッチ「鎌倉殿の13人」 第38回 時を継ぐ者

北条時政(坂東彌十郎)が、源実朝(さねとも)(柿澤勇人)にいいます。 「鎌倉殿(実朝)の起請文(きしょうもん)がねえと、じいは死ななくちゃならねえんです」 和田義盛(横田栄司)が、無理矢理、二人のいる部屋に入っていきます。刀を抜いている時政…

『映画に溺れて』第523回 シャーロック・ホームズ シークレット・ウェポン

第523回 シャーロック・ホームズ シークレット・ウェポン 平成二十七年十一月(2015)曳舟 すみだ生涯学習センター ベイジル・ラスボーンといえば、シャーロック・ホームズである。 南アフリカ生まれの英国人で、ロンドンで俳優修業、アメリカに渡ってブ…

『映画に溺れて』第522回 ヤング・シャーロック ピラミッドの謎

第522回 ヤング・シャーロック ピラミッドの謎 昭和六十一年三月(1986)新宿 新宿ピカデリー イアン・マッケラン主演『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』は老後のシャーロック・ホームズを描いているが、それとは逆に、まだ世に出る前の少年ホームズが活…

大河ドラマウォッチ「鎌倉殿の13人」 第37回 オンベレブンビンバ

書庫で、義時(小栗旬)たちが、訴訟について話し合っていました。そこへ北条時政(坂東彌十郎)がやって来ます。 「なぜわしを評議に呼ばん」 義時が答えます。 「私が呼ばなくて良いと申しました」 「訴訟は鎌倉殿に代わって、執権(しっけん)のわしが裁…

書評『武蔵 残日の剣』

書名『武蔵 残日の剣』 著者 稲葉 稔発売 角川書店発行年月日 2022年8月26日定価 ¥2000E 武蔵 残日の剣 作者:稲葉 稔 KADOKAWA Amazon 六十余回戦って負けたことがない「古今無双の武芸者・剣豪」といわれる武蔵。武蔵は全国各地を転々としてお…

大河ドラマウォッチ「鎌倉殿の13人」 第36回 武士の鑑(かがみ)

三浦義村(山本耕史)が、北条時政(坂東彌十郎)にいいます。たい 「畠山追討の、御下文(おんくだしぶみ)、拝見しました」 時政はうなずきます。 「これよりすべての御家人に送る」 「驚きました。なにゆえ畠山が鎌倉殿に反旗を」 「よう分からん。しかし…

『映画に溺れて』第521回 赤頭巾ちゃん気をつけて

第521回 赤頭巾ちゃん気をつけて 昭和四十七年十月(1972)大阪 梅田 北野シネマ 一九六九年の芥川賞受賞作、庄司薫の『赤頭巾ちゃん気をつけて』がベストセラーになったのは私が高校生のころで、薫君シリーズは『白鳥の歌なんか聞こえない』『ぼくの大…

『映画に溺れて』第520回 NOPE ノープ

第520回 NOPE ノープ 令和四年九月(2022)府中 TOHOシネマズ府中 UFOを信じるか、信じないか。という議論はそもそもおかしいと思う。UFOとは未確認飛行物体の略語であり、なんだかよくわからないものが空を飛んでいるだけなのだ。それは…

書評『宮澤賢治 百年の謎解き』

書名『宮澤賢治 百年の謎解き』 著者 澤口たまみ発売 T&K Quarto BOOK発行年月日 2022年8月1日定価 2420円(税込) 宮澤賢治 百年の謎解き 作者:澤口たまみ Independently published Amazon 1933年(昭和8年)9月21日、37歳で夭折した宮…