日本歴史時代作家協会 公式ブログ

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2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『映画に溺れて』第539回 怪物團 フリークス

第539回 怪物團 フリークス 昭和五十五年九月(1980)大阪 靭公園 科学技術センターホール 『ナイトメア・アリー』を観ていて、真っ先に連想したのがカーニバルの見世物を題材にしたトッド・ブラウニングの異色ホラー映画『フリークス』である。 作られ…

『映画に溺れて』第538回 ナイトメア・アリー

第538回 ナイトメア・アリー 令和四年三月(2022)立川 TOHOシネマズ立川立飛 ナチスがポーランドに侵攻した一九三九年、アメリカでは大恐慌の影響で失業者が溢れ、禁酒法のせいで酒にも不自由していた。 無職の浮浪者スタンはたまたまカーニバルに…

大河ドラマウォッチ「鎌倉殿の13人」 最終回 報いの時

長沼宗政(清水伸)が三浦義村(山本耕史)に話しています。 「みんなやる気になっている。勝つかもしれないな」 三浦がいいます。 「分からんぞ。今は盛り上がっているが、本気で上皇様と、戦うつもりがあるのか」 二人は侍たちが話すのを聞きます。守りを固め…

『映画に溺れて』第537回 フリントストーン モダン石器時代

第537回 フリントストーン モダン石器時代 平成七年七月(1995)池袋 文芸坐 ラクエル・ウェルチ主演の『恐竜100万年』は一九六〇年代半ば、映画館で見逃し、一九七〇年にTV放送でようやく観られた。その後、同じ英国ハマーフィルムの『恐竜時代』…

『映画に溺れて』第536回 ロボコップ

第536回 ロボコップ 昭和六十三年八月(1988)三鷹 三鷹オスカー 一九七〇年代以降、アメリカでの凶悪犯罪は増加をたどる。 近未来、犯罪増加にともない、警察の民営化が進められる。この映画が公開された八〇年代後半、日本でも国鉄や郵便局が民営化さ…

大河ドラマウォッチ「鎌倉殿の13人」 第47回 ある朝敵、ある演説

廊下を渡る北条義時(よしとき)(小栗旬)に、御家人の一人である長沼宗政(むねまさ)(清水伸)が話しかけてきます。最近火事が多い、尼将軍の名前で炊き出しをしたらどうか。義時は怒鳴ります。 「そんなことまで私を頼るな」 それを見ていた三浦義村がいいます…

『映画に溺れて』第535回 A.I.

第535回 A.I. 平成十三年七月(2001)新宿歌舞伎町 ミラノ座 『シックス・センス』で脚光を浴びた子役のハーレイ・ジョエル・オスモントが主演の未来SF。人を愛し、人間になりたいと願うロボットの物語。 難病で不治の息子を凍結入院させている夫婦…

『映画に溺れて』第534回 アイ、ロボット

第534回 アイ、ロボット 平成十六年十月(2004)渋谷 渋東シネタワー2 アイザック・アシモフの『われはロボット』を原作としたSFミステリーであり、ロボット三原則が謎解きの手がかりとなる。ロボット三原則とは、簡単に言えば、一、ロボットは人間に…

『映画に溺れて』第533回 ロボジー

第533回 ロボジー 平成二十三年十二月(2011)日比谷 東宝試写室 かつてのSFの世界に頻繁に登場するのがロボットで、現実には工業用ロボットが実現化しているが、『鉄腕アトム』や『AI』のような人間の形をして二本足で歩くロボットは二十一世紀にな…

大河ドラマウォッチ「鎌倉殿の13人」 第46回 将軍になった女

義時(よしとき)(小栗旬)の妹でもある実衣(みい)(宮澤エマ)は、息子の阿野時元(ときもと)(森優作)を、次の鎌倉殿にしようと画策します。戯言(ざれごと)と称(しょう)し、まずは三善康信(小林隆)に相談します。三善は、朝廷が任じたという証(あかし)である「宣…

書評『尚、赫々たれ 立花宗茂残照』

書名『尚、赫々たれ 立花宗茂残照』著者 羽鳥好之発売 早川書房発行年月日 2022年10月25日定価 ¥2000E 尚、赫々【かくかく】たれ 立花宗茂残照 作者:羽鳥 好之 早川書房 Amazon 関ヶ原の合戦の後日談として、徳川家康が「立花宗茂が関ヶ原に参加していれば…

『映画に溺れて』第532回 下妻物語

第532回 下妻物語 平成十六年十二月(2004)飯田橋 ギンレイホール 嶽本野ばらの原作小説が面白く、中島哲也監督の映画がさらに面白かったのが『下妻物語』である。 茨城県下妻に住む十七歳の少女桃子。三時間かけて東京の代官山ベイビーにひらひらのお…

『映画に溺れて』第531回 アヒルと鴨のコインロッカー

第531回 アヒルと鴨のコインロッカー 平成二十三年一月(2011)恵比寿 恵比寿ガーデンシネマ 非常によくできた小説をわくわくしながら読み終わり、その後、映画化作品を観て、がっかりすることがある。小説はあんなに面白かったのに、どうしてこんなつま…