日本歴史時代作家協会 公式ブログ

歴史時代小説を書く作家、時代物イラストレーター、時代物記事を書くライター、研究者などが集う会です。Welcome to Japan Historical Writers' Association! Don't hesitate to contact us!

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

大河ドラマウォッチ「鎌倉殿の13人」 第25回 天が望んだ男

頼朝(大泉洋)は夢を見ていました。お経が聞こえるので行ってみると、遺体を囲んで、政子をはじめとする北条の者たちが座っていました。そして遺体は、頼朝自身だったのです。 建久九年十二月二十七日。頼朝に死が迫っていました。 頼朝は弟で僧侶である阿…

『映画に溺れて』第497回 リトルニッキー

第497回 リトルニッキー 平成十三年六月(2001)有楽町 日劇プラザ 最初の場面はバードウォッチングならぬ覗き魔。木の枝に腰掛け、窓越しに女性の着替えを覗いていた男、気づかれて落下し、そのまま落命、地獄へ真っさかさま。次々と落ちてくる死者たち…

短編小説を更新しました

夕焼け空 (平野 周) | 日本歴時協会公式ブログ2

『映画に溺れて』第496回 バロン

第496回 バロン 平成元年十月(1989)池袋 文芸坐 ミュンヒハウゼン男爵はドイツに実在した人物。架空の冒険談を面白おかしく語り、やがてその聞き書きが尾ひれをつけて出版され、世界各国で有名になった。このほら男爵を主人公にテリー・ギリアムが監督…

大河ドラマウォッチ「鎌倉殿の13人」 第24回 変わらぬ人

頼朝が巻狩りから、鎌倉に帰ってきます。 源範頼(迫田孝也)は、安達盛長(野添義弘)と話します。 「うかつでございました」安達盛長は柱に寄りかかります。「まさか生きておられたとは」 愕然として、範頼がいいます。 「私が鎌倉殿の座を狙ったと疑われ…

第495回 モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル

第495回 モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル 昭和五十五年二月(1980)渋谷 西武劇場 私は映画が大好きなので、次から次へと映画を観続けている。中にはつまらない映画もたくさんある。どんなジャンルにもそれはある。低予算のB級映画にも…

大河ドラマウォッチ「鎌倉殿の13人」 第23回 狩りと獲物

巻狩りの仕切りを任された、父の北条時政(坂東彌十郎)のもとを、義時(小栗旬)が訪ねます。 「父上、私に隠していることはございませんか」 と、外を見ながら義時は聞きます。 「何の話だ」 と、時政は応じます。義時は声をひそめます。 「曽我の兄弟。梶…

ZOOM講演会のお知らせ

「コロナ以降の出版市況 ITが編集者を変える」 日時:6月19日(日)午後3時〜 講師:永田勝久氏(小学館編集者、元徳間書店編集局長) まさにコンテンポラリーなテーマ、これからの出版界、小説界の動向を知るためにも、ぜひみなさま、参加してください。参…

『映画に溺れて』第494回 ゲットスマート

第494回 ゲットスマート 平成二十年十月(2008)新宿 新宿ピカデリー 一九六〇年代はショーン・コネリー007の全盛期で、それにあやかったスパイものがたくさん作られ、TVでも『ナポレオン・ソロ』『スパイ大作戦』『それいけスマート』などが人気だ…

大河ドラマウォッチ「鎌倉殿の13人」 第22回 義時の生きる道

妻の八重の死を知り、義時(小栗旬)はつぶやきます。 「天罰だ」 三浦義村(山本耕史)がいいます。 「そんなふうに考えるな」 夜、義時は、息子の金剛にいいます。 「父が、お前を育て上げてみせる」 子どもたちが多く暮らす義時の館に、頼朝(大泉洋)が…

書評『宗歩の角行』

書名『宗歩の角行』著者 谷津矢車発売 光文社発行年月日 2022年4月30日定価 ¥1800E 宗歩の角行 作者:谷津 矢車 光文社 Amazon 文政3年(1820)8月、天野宗歩(あまのそうほ)は5歳で大橋本家十一代大橋宗金(後の大橋宗桂(おおはしそうけい)の門…

『映画に溺れて』第493回 メル・ブルックスの大脱走

第493回 メル・ブルックスの大脱走 平成二年二月(1990)中野 中野武蔵野ホール エルンスト・ルビッチが戦時中に作った反ナチコメディ『生きるべきか死ぬべきか』が日本で公開されたのが一九八九年、が、それより早い一九八四年にリメイク版『メル・ブル…

書評『戴天』

書名『戴 天』著者 千葉ともこ発売 文藝春秋発行年月日 2022年5月10日定価 ¥1800E 戴天 作者:千葉 ともこ 文藝春秋 Amazon 開元24年(736) 大唐帝国の首都長安の西市(長安城内の西側の商業中心地) 8歳の少年二人と6歳の少女の幼馴染みが遊んでい…