日本歴史時代作家協会 公式ブログ

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飯島一次

『映画に溺れて』第503回 SHERLOCKシャーロック 忌まわしき花嫁

第503回 SHERLOCKシャーロック 忌まわしき花嫁 平成二十八年一月(2016)新橋 スペースS汐留 二〇一〇年から始まったBBCのTVシリーズ『SHERLOCKシャーロック』はコナン・ドイルの原作を踏まえながら、舞台を二十一世紀、現代のロンドンに設定して…

『映画に溺れて』第502回 Mr.ホームズ 名探偵最後の事件

第502回 Mr.ホームズ 名探偵最後の事件 平成二十七年十二月(2015) 青山 ギャガ試写室 ジェームズ・ボンドは歳をとらない。 イアン・フレミングによると第二次世界大戦時に英軍将校であり、戦後の冷戦時代にはMI6に所属する腕利きスパイとして活躍し…

『映画に溺れて』第501回 スミス都へ行く

第501回 スミス都へ行く 平成十五年四月(2003)池袋 新文芸坐 政治の不正と理想を描いたフランク・キャプラ監督のコメディである。主演は若きジェームズ・ステュワート。 ある州の新聞社主テイラーは地元の政財界を牛耳るボスであり、安く買い占めた土…

『映画に溺れて』第500回 スター・トレック

第500回 スター・トレック 昭和五十七年十月(1982)中野 中野武蔵野館 中学時代、TVの人気海外ドラマ『スパイ大作戦』が好きだった私は、高校生になると『宇宙大作戦』に夢中になった。『ミッション・インポッシブル』の日本での放送時のタイトルが『…

『映画に溺れて』第499回 ミッション・インポッシブル

第499回 ミッション・インポッシブル 平成八年九月(1996)渋谷 渋東シネタワー2 一九六〇年代の東西冷戦時代、TVドラマ『スパイ大作戦』の人気は高かった。 チームのリーダー、ジム・フェルプスが毎回「おはよう、フェルプス君」ではじまる指令を受…

『映画に溺れて』第498回 キャメロット

第498回 キャメロット 昭和五十四年十一月(1979)築地 銀座ロキシー ブロードウェイのヒットミュージカルはたいてい映画化されている。『ウエストサイド物語』『マイ・フェア・レディ』『サウンド・オブ・ミュージック』『ラ・マンチャの男』『レ・ミゼ…

『映画に溺れて』第497回 リトルニッキー

第497回 リトルニッキー 平成十三年六月(2001)有楽町 日劇プラザ 最初の場面はバードウォッチングならぬ覗き魔。木の枝に腰掛け、窓越しに女性の着替えを覗いていた男、気づかれて落下し、そのまま落命、地獄へ真っさかさま。次々と落ちてくる死者たち…

『映画に溺れて』第496回 バロン

第496回 バロン 平成元年十月(1989)池袋 文芸坐 ミュンヒハウゼン男爵はドイツに実在した人物。架空の冒険談を面白おかしく語り、やがてその聞き書きが尾ひれをつけて出版され、世界各国で有名になった。このほら男爵を主人公にテリー・ギリアムが監督…

第495回 モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル

第495回 モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル 昭和五十五年二月(1980)渋谷 西武劇場 私は映画が大好きなので、次から次へと映画を観続けている。中にはつまらない映画もたくさんある。どんなジャンルにもそれはある。低予算のB級映画にも…

『映画に溺れて』第494回 ゲットスマート

第494回 ゲットスマート 平成二十年十月(2008)新宿 新宿ピカデリー 一九六〇年代はショーン・コネリー007の全盛期で、それにあやかったスパイものがたくさん作られ、TVでも『ナポレオン・ソロ』『スパイ大作戦』『それいけスマート』などが人気だ…

『映画に溺れて』第493回 メル・ブルックスの大脱走

第493回 メル・ブルックスの大脱走 平成二年二月(1990)中野 中野武蔵野ホール エルンスト・ルビッチが戦時中に作った反ナチコメディ『生きるべきか死ぬべきか』が日本で公開されたのが一九八九年、が、それより早い一九八四年にリメイク版『メル・ブル…

『映画に溺れて』第492回 第十七捕虜収容所

第492回 第十七捕虜収容所 令和元年八月(2019)渋谷 シネマヴェーラ 戦争映画ではあるが、戦闘場面はなく、ビリー・ワイルダー監督らしいコメディ調で描かれた捕虜収容所のクリスマスストーリーになっている。 第二次大戦末期、ドイツ国内のドナウ川の…

『映画に溺れて』第491回 シンドラーのリスト

第491回 シンドラーのリスト 平成六年三月(1994)渋谷 渋東シネタワー2 相次いで娯楽作品を世に出しヒットさせたスティーヴン・スピルバーグが作った『シンドラーのリスト』は執念の一作といえるだろう。ハリウッドの映画人にはユダヤ系が多く、スピル…

『映画に溺れて』第490回 否定と肯定

第490回 否定と肯定 平成二十九年九月(2017)六本木 アスミックエース試写室 人は誰しも失敗する。それを反省することで同じ過ちを繰り返さずに前に進めるのだ。歴史もまた同じである。過ちをなかったことにはできない。 都合のいい事実だけを抜き出し…

『映画に溺れて』第489回 戦場のピアニスト

第489回 戦場のピアニスト 平成十五年三月(2003)渋谷 渋東シネタワー2 ナチスドイツによるユダヤ人の迫害、大虐殺の事実は繰り返し映画化されているし、繰り返し語り継がれるべき題材である。 さらに欲をいえば、シナリオが練られていて、演技がすば…

『映画に溺れて』488回 顔のないヒトラーたち

第488回 顔のないヒトラーたち 平成二十七年九月(2015)京橋 テアトル試写室 私が高校生の頃、『戦争を知らない子供たち』というヒット曲があった。戦後生まれの世代が若者となり、平和の中で生きている。北山修作詞のフォークソングは一種の反戦歌だっ…

『映画に溺れて』第487回 ボン・ヴォヤージュ

第487回 ボン・ヴォヤージュ 平成十七年四月(2005)飯田橋 ギンレイホール 第二次大戦時のパリ陥落を背景にしたイザベル・アジャーニ主演のコメディ。厳しい戦時下が題材ながら、エスプリたっぷりのおしゃれなウェルメイドプレイになっており、これぞフ…

『映画に溺れて』第486回 わが教え子、ヒトラー

第486回 わが教え子、ヒトラー 平成二十一年六月(2009)飯田橋 ギンレイホール 総統アドルフ・ヒトラーに演説の指導者がいたという事実を膨らませて、コメディ風に仕立てたのが『わが教え子、ヒトラー』である。 大戦末期、一九四四年の年末、ベルリン…

『映画に溺れて』第485回 ヒトラーの贋札

第485回 ヒトラーの贋札 平成二十年六月(2008)高田馬場 早稲田松竹 第二次大戦中のナチス・ドイツの犯罪は様々な映画で描かれており、とりわけユダヤ人に対する大虐殺はドキュメンタリー『夜と霧』をはじめ、スピルバーグの『シンドラーのリスト』やポ…

『映画に溺れて』第484回 ソハの地下水道

第484回 ソハの地下水道 平成二十四年八月(2012)京橋 テアトル試写室 第二次大戦中、ナチスドイツ占領下のポーランド。ユダヤ人たちはゲットーと呼ばれる居住区に閉じ込められ、外へは出られない。いずれ収容所へ送られ虐殺される運命なのだ。一部のユ…

『映画に溺れて』第483回 死刑執行人もまた死す

第483回 死刑執行人もまた死す 平成四年六月(1992)池袋 文芸坐 第二次大戦中の一九四三年にアメリカで作られた反ナチ映画。ドイツの支配下にあるチェコのプラハで「死刑執行人」の名で呼ばれる冷酷で残忍な総督ラインハルト・ハイドリヒが暗殺される。…

『映画に溺れて』第482回 イングロリアス・バスターズ 

第482回 イングロリアス・バスターズ 平成二十一年十二月(2009)新宿歌舞伎町 ミラノ2 パリがナチスに陥落された第二次大戦末期。米軍はレイン中尉をリーダーとするユダヤ系の精鋭部隊を極秘裏にフランス国内に送り込む。彼らの使命はひたすらナチスを…

『映画に溺れて』第481回 エリン・ブロコビッチ

第481回 エリン・ブロコビッチ 平成十二年七月(2000)伊勢佐木町 横浜オスカー 大企業の垂れ流す有毒物質で地域の住民に多数の健康被害が発生した実話である。ジュリア・ロバーツ演じる主人公のエリン・ブロコビッチも実名で実在する。が、深刻にはなら…

第480回 MINAMATA-ミナマタ-

第480回 MINAMATA-ミナマタ- 令和四年二月(2022)飯田橋 ギンレイホール ジョニー・デップといえば、ハサミ男シザーハンズ、カリブの海賊、不思議の国の帽子屋、女装のB級映画監督、インディアンのトント、夢のチョコレート工場主、といった…

『映画に溺れて』第479回 デジャヴ

第479回 デジャヴ 平成十九年三月(2007)有楽町 日劇1 謝肉祭で沸くニューオーリンズ。港の大型フェリーに乗り込む人たち。海軍の水兵とその家族が船客の大半を占めている。この楽し気な雰囲気が次になにかが起こりそうな不吉な予感につながって……。娯…

『映画に溺れて』第478回 イルマーレ

第478回 イルマーレ 平成十八年九月(2006)新宿歌舞伎町 ミラノ座 韓国映画のハリウッドリメイク。オリジナルが未見のため比較はできないが、どこから見てもハリウッド映画になっている。 別の年代に通じる郵便受けで別の年代の人物がやりとりするとい…

『映画に溺れて』第477回 NEXT-ネクスト-

第477回 NEXT-ネクスト- 平成二十年五月(2008)新宿歌舞伎町 新宿ジョイシネマ2 全身が黄金色に輝く新種の人類が誕生、超越した能力で人類にとって代わることを恐れた政府が抹殺しようとして裏をかかれる。というのがフィリップ・K・ディックの…

『映画に溺れて』第476回 フェイス/オフ

第476回 フェイス/オフ 平成十年六月(1998)三軒茶屋 三軒茶屋シネマ FBIの捜査官とテロリストが入れ替わる『王子と乞食』の現代版のようなストーリー。これが派手な追跡、銃撃、爆発シーンの連続で展開される。 生真面目な捜査官がジョン・トラボ…

『映画に溺れて』第475回 エネミー・オブ・アメリカ

第475回 エネミー・オブ・アメリカ 平成十一年四月(1999)渋谷 渋東シネタワー2 二十世紀末、コンピューターは市民生活の隅々にまで浸透し、電話やインターネットによる通信、各所の防犯監視カメラ、個人の銀行口座まで管理している。 国家保安局幹部…

『映画に溺れて』第474回 ブルー・ストリーク

第474回 ブルー・ストリーク 平成十二年四月(2000)新橋 新橋文化 宝石泥棒が意に反して有能な刑事になるというマーティン・ローレンス主演の犯罪コメディ。 仲間とともに厳重な警備を破って二千万ドルの巨大ダイヤモンドを盗み出したマイルズ、その直…