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『大河ドラマウォッチ』第25回

大河ドラマウォッチ「西郷どん
第25回 生かされた命   会員:天堂晋助
                               
 今週も軽くツッコんでいこうと思います。 
 先週、野外の牢で死にかけていた西郷は、地元の役人の土持たちに、家に運ばれます。
 元気を取り戻した西郷は、同じく流刑人の雪篷(石橋蓮司)がお由良騒動によってこの島に流されてきたこと。友を信じて帰る日を信じていたが、そのうち友からの文も届かなくなったことを聞きます。
 土持は家の中に西郷の牢を作ることを思いつきます。このことを知った代官は土持に詰め寄りますが、土持は屁理屈を言ったうえ、西郷が死んだらあんたもやばいんでしょ、と暗に脅して牢のことを認めさせます。賢いぞ、土持。
 西郷は牢の中から、子供たちに学問を教え始めます。使用人の子も区別なく教えようとし、「おはんらは皆、国の宝じゃ」と説きます。ある意味この回のハイライトです。涙を誘います。
 その頃、薩摩に帰ろうとした久光は大名行列を横切ったイギリス人を斬り、いわゆる「生麦事件を起こします。あっさりとした描写です。時間にして一分ぐらいでしょうか。
 幕府にイギリスは賠償金を要求しますが、慶喜は薩摩に責めを負わせることにします。
 こうしてイギリス艦隊が薩摩に向かいます。城内は混乱。しかし大久保は開戦を主張します。久光もそれに同意。こうして薩英戦争の幕が切って落とされるのです。
 イギリスに攻め込まれたら薩摩は終わりだ、と恐れる侍たち。そこに大久保は気合を入れてイギリスに立ち向かうように誘導します。まさに大久保マジック。
 一方の西郷。イギリスが薩摩に責めてくることを知り、心配します。
 雪篷は島抜けをしようとします。それを止めに出てくる西郷。っていうか、勝手に牢から出てくんなよ。代官もなぜか西郷の行為をとがめません。雪篷は言います。「今は、異国の強さを学び、日本を異国に負けぬ国にするとき。けっして異国と戦ってはならん」。斉彬の言葉でした。雪篷はなおも言います。「イギリスと戦になる前に何としても止めんにゃならん」。それに西郷も同意。ここで代官は思い出したように、二人を牢に入れます。
 島の人たちはイギリスが攻めてくるのではないかと恐れます。イギリス軍は琉球を補給の拠点にし、薩摩を叩く。その通り道である島は、いつ襲われてもおかしくない、と。
 ここでひとつ西郷がアイデアを出します。丸太を並べて大砲に見せかけようというのです。雪篷もこの案にノリノリ。
 アイデアを実行に移そうとしますが、島の人たちはだれも協力しません。どうせ無理、とあきらめているのです。そこに手伝いに来る西郷の教え子たち。
 休憩の時に、雪篷は子供たちナポレオンの話をします。「革命の大英雄じゃ」と西郷にも説明します。「革命」と西郷はその耳慣れない言葉を繰り返します。そこへ島の人や役人がやってきて作業を手伝います。
 しかし西郷は手紙で、薩摩がイギリス軍を追い帰したことを知るのです。
 おい、今までさんざん盛り上げたのは何だったんだ。一場面もなしかよ。っていうか薩摩強すぎだろう。恐れていたのが阿保みたいじゃないか。
 西田敏行のナレーション。戦いは二日で終わった。そして西郷に召還命令が下された。
 やっばりこの回のハイライトは、「おはんらは皆、国の宝じゃ」の台詞だったようです。
 西郷が薩摩へ帰ろうとするとき、見送りに雪篷は来ません。丘の上から声がします。何とそこには「革命」の文字を書いた旗を振る雪篷の姿が。いくらなんでも若すぎるだろう石橋蓮司
 島を出た西郷はアイカナと会います。船が気をきかせて大島に寄ってくれたのです。アイカナは言います。
「この体の中、あなたでいっぱいじゃ」
 俺もよく言われたもんだよ(嘘)。

 

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