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大河ドラマウォッチ「西郷どん」 第30回 怪人 岩倉具視

 

 今週も軽くツッコんでいこうと思います。

 一橋慶喜に見切りをつけ、討幕に向けて動き締めた西郷は、公家の近衛家を訪ねます。しかし近衛家は乗り気ではありません。ヤモリという男から手紙が来ていると、嫌悪の表情で西郷に見せます。

 手紙を懸命に書いていたのは岩倉具視(笑福亭鶴瓶)でした。大久保が訪ねて金を渡すと、ひったくるようにします。自分はこのままでは終わらんぞ、とつぶやきます。

 手紙を読んだ西郷は、大久保に岩倉に合わせてくれるように頼みます。朝廷と幕府を切り放すために動いてくれるかもしれないと思ったのです。乗り気でない大久保。昔は公武合体を成し遂げるなど力を持っていた岩倉でしたが、今は朝廷から追放されています。

 気のすすまないながらも、大久保は西郷を岩倉のもとに連れていきます。あばら家に興味津々の西郷。岩倉は落ちぶれながらも、浪士たちに命を狙われていると思い込んでいました。屋敷中に罠を張り巡らしています。簡単に罠にはまる西郷。大久保とともに網に釣り上げられます。それを見て大喜びの岩倉。

 自分が力になってやろうという岩倉。岩倉が寝入ってしまうと、大久保は、金を巻き上げられるばかりで得をしたことは何もない、と西郷に言います。

 そんな岩倉は、実は自分の屋敷で賭場を開いていました。誘われてやってみる西郷。大負けします。

 勝ち続ける顔を隠す男を、西郷は長州の桂小五郎(玉山鉄二)だと見抜きます。いつの間にか姿を消す桂、西郷と大久保はその後を追います。

 西郷と差し向かいで話す桂。自分はお尋ね者で、西郷は英雄だとからみだします。長州と手を組みたという西郷。さらに幕府を潰さねばならないと思っていると打ち明けます。「誰がそんな言葉を信じると思う」と、桂はからみモード、すねモードです。そのからみを真に受ける大久保。とうとう二人は刀を抜き合います。

 そこに岩倉が止めに入ります。桂を帰らせます。

 西郷は岩倉の家に残ります。朝廷に味方になってもらうため、今の西郷は岩倉に頼るほかなかったのです。几帳面に落とし穴を仕掛けたりします。雑巾がけもします。なかなか腰が入っています。そして掃除をしているうちに、岩倉が描いた手紙を発見してしまいます。読み入る西郷。って人の手紙を盗み見するなよ。

 その手紙には討幕や、薩長が手を組むことが書いてありました。これを天子様にお見せすれば、という西郷。岩倉は怒ります、岩倉家は天子様に嫌われたんだ、とここでもすねモード。それを励ます西郷。わしはヤモリや、と岩倉はすねモードを超えたいじけモード。さらに暴れモードになり、自分の書いた手紙を投げ捨てます。ちょっと、自分はこのままでは終わらんぞ、と最初、言っていたじゃん。

 西郷に帰れという岩倉。帰って西郷は考えます。

 西郷は薩摩の若者たちを大勢、岩倉のもとに連れてきます。皆で先生、先生と持ち上げます。しかしいじけ切った岩倉の心は、そんなものでは動きませんでした。実は西郷は岩倉の息子を連れてきていたのでした。息子の口から天子の言葉が伝えられます。感動のあまり叫び出す岩倉。そしてやる気になった岩倉は、薩摩の若者たちに教授を開始しようとするのでした。