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大河ドラマウォッチ「西郷どん」 第31回 龍馬との約束

 今週も軽くツッコんでいこうと思います。
 倒幕を実現するため、西郷は、敵対する長州と手を結ぶことを考え始めていました。
 京の薩摩に屋敷に勝海舟がやってきたというので、西郷が慌ててやって来てみると、その男は背中を向けていました。
「よお、久しぶりじゃねえか西郷(せご)どん」
 しゃべり方がそっくりです。というかモノマネの特技も持っているのか小栗旬は。男の正体は薩摩の脱藩浪士、坂本龍馬でした。いやむしろ西郷は龍馬のモノマネに引っかかってほしかったところですが、簡単に見抜いてしまいました。例のスペイン風BGMに乗って、西郷の所にやって来る龍馬。
「買(こ)うてくれんかよ、このわしを」
 とここで主題歌。
場面は薩摩の西郷の家、糸たちが西郷の帰りを待っています。というか雪篷もいます。まだいたのか雪篷は。さらに糸に説教まではじめようとする雪篷。そこへ西郷が帰ってきます。龍馬を連れています。
 ボロ屋にあきれる龍馬。
「まわりに雨漏りしている家があるのに、自分だけ立派な家にはすむことはできん、ちゅうとです」
 と、弟の嫁が理由を言います。
「気に入った」
 と龍馬が叫び、スペイン風の音楽が流れます。さんざん西郷を持ち上げ「しばらく世話になります」それが言いたかったのか、龍馬は。調子のいいやつだな。そして雨漏りの修理を始める龍馬。いそうろう慣れしているな。何という中園ミホのリアリティー
 雨漏りを龍馬とともに直しながら、「日本の雨漏りを直したい」と西郷は言い出します。日本は今、異国という雨にさらされている。しかし幕府は、諸藩の力を弱らせ、おのれの権威を守ることだけに躍起になっている。
 龍馬は世界を相手に商売がしたいと、自分の目標を話しだします。西郷は龍馬に薩摩に力を貸してくれと頼みます。
 場面変わって京の二条城。慶喜は二度目の長州征伐を行おうとしていました。そして薩摩の城、西郷は久光に幕府の命令に従わぬようにと進言します。また怒られる、と誰もが思う所ですが。
「あんずるな。薩摩は兵を出さん」
との言葉。幕府を見限るとの信じられない久光の言葉。実は久光は大久保に、薩摩が幕府にとって代わる時とか、兄を超える、とか言われて丸め込まれていたのです。最後にはおどけて見せる始末。調子に乗った西郷は、久光に龍馬を会わせます。調子のいいことではだれにも負けない龍馬は、久光に勝手に話しかけます。薩摩で自分を買ってくれないか、といいます。困惑する久光。
 西郷と大久保は二人で話し合います。後ろで龍馬が昼寝をしています。長州と手を組むしかない、と自分の主張を繰り返す西郷。大久保は難しいといいます。昼寝をしていた龍馬が起き出してきて、自分が薩摩と長州の手を結ばせてやるといいます。長州には知り合いがいると。西郷は龍馬がうまくやってくれれば、自分が長州に行くといいます。
 大久保は岩倉具視の家に行きます。岩倉は各公家に長州征伐をやめるようにとの手紙を書いていました。それを渡して回る大久保。
 西郷のもとに、使者が来て、長州に来てくれれば桂小五郎と引き合わせるといってきます。しかし西郷が出発しようとしたところに、大久保からの手紙が来ます。長州征伐を阻止するため、京に来てほしいというのです。
 西郷は仲間の海江田に代わりに長州へ行ってくれることをたのみ、京にのぼります。
 京についてみると、長州討伐の許可が天子より出ていなかったことを慶喜の口からきかされます。岩倉の手紙が功を奏したのです。
 しかし慶喜は大久保の根回しを知っていました。公家の一人が慶喜と通じていたのです。
「お前らの動きは筒抜けじゃ」
 と慶喜は言います。薩長が手を組もうとしたことも知っていました。って、偉そうに言ってるけど、長州征伐阻止を阻めなかったじゃないか。このピエロめ。
 西郷が京の定宿に戻ってみると、龍馬が待っていました。怒っています。西郷の代わりに長州に行ってくれと頼んだ海江田は行っていなかったのです。
 お調子者が本気で怒ると怖いものです。西郷も呆然。
 龍馬が帰った後も、西郷は立ち直れません。大久保は慰めますが、そもそもお前のせいだろう。
 最後に大久保は「チェスト、きばれ」とナレーションの決め台詞をとってしまいます。おかげで西田敏行は「今宵はここらでよかろうかい」としか言えません。これは中園ミホのギャグなのか?