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大河ドラマウォッチ「西郷どん」 第35回 戦の鬼

 今週も軽くツッコんでいこうと思います。
 大政奉還を行った慶喜でしたが、公家たちに政治が行えるわけがないことを見抜いていました。いずれ助けを求めてやってくる。そのとき再び、徳川がその中心に収まればよい、と考えていたのでした。
 西郷はそれを知っていました。慶喜がうまく逃げただけだと、西郷は坂本龍馬に言います。慶喜は日本を自分のものだと思い込んでいる。
「おまんとは乗る船がちがうようじゃ」
 との言葉を残して龍馬は西郷のもとを去ります。
 西郷は出兵を仰ぐため、薩摩へと戻ってきました。西郷は岩倉具視の書いた偽の勅書をみせます。
 京では、坂本龍馬が突然入ってきた暴漢に襲われます。
「まだ死ねん、今じゃないぜよ」
 といって龍馬は倒れます。
 龍馬の妻、お龍が、京の薩摩屋敷に飛び込んできます。あんたがうちの人を殺したんやろう、と詰め寄ります。否定する西郷。うちの人がじゃまになって殺したんやろう。と食い下がるお龍。
確かに疑われてもしょうがないだろうな。龍馬が仕組んだ大政奉還で、西郷は慶喜に逃げられたんだもんな。
西郷の弟、信吾は、西郷の命令を聞いてしまいます。江戸に行って、浪士を五百人ほど集めろ。そして商家を襲って火をつけろ。薩摩の仕業とわかるようにするのだ。
おい、中園ミホ、大丈夫か。西郷のダークな面をこれほどはっきり出して。視聴者が逃げていかないか。ホント心配になるんですけど。
次なる西郷の計略は、天子に働きかけ、幕府の廃絶を宣言してもらうことでした。岩倉具視と話し合います。
西郷は御所の周りを占拠してしまいます。越前、土佐の兵も加わっています。王政復古の大号令の出された後、薩摩らの兵で包囲された御所の中で、小御所会議が開かれます。土佐の山内容堂をはじめとする、徳川に寛大な処置を望む勢力のため、会議は紛糾。西郷の思うようにはいきません。
会議の休憩時間、西郷の前を山内容堂が通り過ぎます。その山内に聞こえるように西郷は言います。「短刀一本あれば片がつく」。西郷の覚悟をみせた発言でした。
いや、待てよ、中園ミホ。そこまで書いていいのか。西郷がダークすぎるぞ。ぼやかしたり伝聞にしたりする方法もあったと思うが。
それから容堂は発言しなくなり、形勢は逆転。慶喜は官職辞職、および徳川家領の削封が決定されました。
慶喜は京から逃げました。大阪城にこもります。
西郷は燃えに燃えています。
「こたびの戦、大将(慶喜)の御首を取って勝利とする」
 と兵たちに吠えます。コワいぞ。コワすぎるぞ西郷。
 西郷の弟、信吾は、西郷は戦だけは避けると思っていた、と問いかけます。
「ほどほどではいかん。おいはあの男を地の果てまでも追い詰める」
 と語る西郷。
「鬼じゃ」と伸吾はおののきます。「兄さは鬼になってしもうた。戦の鬼じゃ」
 ああ、西郷どん西田敏行のナレーションも力がありません。