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大河ドラマウォッチ「西郷どん」 第37回 江戸無血開城

ご無沙汰しました。今日に備え、念のためビデオ二台に録画しましたので、録り損じることはありませんでした。
 今週も軽くツッコんでいこうと思います。
 江戸城総攻撃の日が迫る中、西郷は密かに江戸城に案内され、天璋院(北川景子)と会います。天璋院は言います。
慶喜殿の首ひとつで、この戦を終わらせてくれ」
 そして徳川家だけは救って欲しい、と頼みます。しかし西郷は
「この戦を止めることはできもはん」
 と答えます。慶喜を討ち果たし、完膚なきまでに徳川を打ち砕かねばならないといいます。
 今度は西郷は勝海舟と会います。江戸城総攻撃予定日の前日です。
 勝は江戸を攻撃するのをやめてもらいたいと言います。そのための条件を提示します。徳川は降伏し、慶喜は水戸に謹慎。江戸城及び軍艦、鉄砲、弾薬も新政府に渡す。勝は言います。
「江戸百万の民に、塗炭の苦しみをなめさせてつくる国に、この先どんな望みがあるって言うんだ」
「民」という言葉に西郷の心は動かされます。部下に言います。
「明日の総攻撃は取りやめじゃ」
 えーっ、江戸の民は大事でほかはいいの? 鳥羽伏見は? さらに言えば会津は? 西郷は田舎もんを軽んじているのか。
 西郷は密かに、上の寛永寺に謹慎している慶喜に会いに行きます。慶喜は死に装束で待っていました。
「今度こそその脇差しで俺を刺しに来たんだろう」
 と慶喜は言います。西郷は聞きます。なぜ戦わずに逃げたのか。
「俺はロッシュ殿から逃げたのだ」
 慶喜は説明します。いざとなればフランスが援助をする。12万の精鋭と、銃を5万挺を直ちに遣わす。そのかわり、勝利した暁には薩摩をよこせ、と言ってきている。さらに慶喜は言います。薩摩は取引をしているイギリスを巻き込む。イギリス軍がやってきて、日本の中でフランスとイギリスが戦い、勝った方が日本を乗っ取る。
 西郷は感銘を受けます。
「よくぞ逃げて日本をお守りいただきました」
 こうして西郷は慶喜も許してしまうのです。
 江戸城は新政府に明け渡されます。そして西郷は再び天璋院に会います。
「そなたが勝ったのです」
 天璋院は言います。そして西郷に礼を言います。
 見せたいものがある、と天璋院は言います。書物が持ってこられました。それは徳川の記録でした。これらが国を治める役に立つこともありましょう。西郷は感激します。
 部下たちが西郷を探します。西郷はなかなか見つかりません。
「たいへんじゃあ」
 と一人が叫びます。西郷が倒れているのが発見されます。西郷は書物をもらった場所で寝ていたのです。弟の信吾が言います。ようやく眠れたんじゃ。
「おやっとさん」
 声をかけて信吾たちは引き上げていきます。
 西田敏行のナレーションはいいます。
「こうして後の世に言う、江戸無血開城は終わったのです」
 しかし新たな争乱が起きようとしていました。上野には新政府に不満を持つものたちが集まっていました。彼らは彰義隊と名乗りました。
 彰義隊との戦いは苦戦が予想されました。そこへ一人の男が乗り込んできました。こぶ平、いや長州の大村益次郎(林家正蔵)でした。上野の戦は半日で片付くというのです。
 西郷は勝とそば屋の二階で話していました。死んじゃいけねえよ、と勝は言います。
「龍馬が夢見た、新しい国をつくってくれ」
 今宵は、ここらでよかろうかい。