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大河ドラマウォッチ「西郷どん」 第41回 新しき国へ

 今週も軽くツッコんでいこうと思います。
 鹿児島では憂さ晴らしに久光が花火を打ち上げていました。
「わしはまだまだ終わらんぞ」
 と吠えます。
 政府は急速に諸制度を改めていました。その中心にいたのはやはり薩摩と長州でした。他の藩の出身者には不満が募っていました。そして欧米へ使節団を派遣することが取り決められたのでした。
 残留組は政府の中心人物が日本を留守にしたときこそ、自分たちの好機と考えていました。
 鹿児島の西郷の家に、文が届きました。菊次郎に対して、異国に留学してみないかという提案の手紙でした。戸惑う菊次郎でしたが、あなたが決めなさい、と糸に厳しく言われます。
 西郷は天子のもとに行き、全国を回って民の姿を見て欲しいと願い出ます。天子の周りは反発しますが、天子自身は西郷の案を受け入れます。
 この頃の西郷は、大蔵省をあずかり、財政をも監督する立場にありました。
 執務を行っている西郷のもとへ、岩倉と大久保が訪ねてきました。自分たちが欧米に行っている間に、政府の方針を動かしてはならないと念を押されます。
 岩倉たちは欧米に出発します。残った西郷は名実ともに、政府を取り仕切る立場となりました。
 事件が起こります。長州出身の山県有朋が政府の金を商人に勝手に貸していたことが明らかになります。山県はその見返りを受け取っていたのでした。山県をどうするかの決断を迫られる西郷。西郷は山県の職を解きます。
 西郷のもとへ、鹿児島の久光から書状が届けられます。薩摩の人々の不満が高まっていると書かれていました。皆、かつてのように島津に薩摩を納めて欲しいと訴えている、久光に県令に成って欲しいと願っている、と久光は言うのです。県令とは廃藩置県のもと、政府が派遣した各県の長官のことです。
 久光を県令にすることはできない、と西郷はいいます。そんなことをすれば日本各地で、かつての藩主たちが勢いを盛り返すに違いないからです。
 皆の不満を抑えるためにも、天子の日本中への行幸が必要だと西郷は考えました。
 明治五年に天子の行幸は行われました。西国を巡り、ついに天子は鹿児島にやってきます。
 久光は天子に目通りしました。久光は天子の洋服姿に驚きます。西郷は天子のそばについていました。
 久光は西郷についてくるようにいいます。久光と西郷は二人きりで話をします。久光はいいます。これが兄の斉彬とお前がつくりたかった国か。西郷は答えに窮します。
 西郷は久光にいいます。
「我らには、思い描いた新しか国があり申した。それを実現するため、時には国父様(久光)をあざむき、お心に沿わぬこともいたしました」
 って、おい、西郷。ぶっちゃけすぎるだろう。あざむいたっていっちゃってるじゃないか。そこは最後までだまし通してやれよ。
 西郷は続けます。しかし今は、亡き殿(斉彬)と目指した所とはかけ離れてしまっている。政府の腐敗一つ止めることができない。
「この、やっせんぼ」
 と久光は大声を出します。やりぬけ。最後までやりぬくんじゃ。倒れたときはこの薩摩に帰ってこい。
 って、かっこいいぞ、久光。ピエロ役ばかりやっていた久光が初めて最高にかっこいい。
 西郷は家に立ち寄っていました。菊次郎が異国に行くことを西郷に願うのでした。