日本歴史時代作家協会 公式ブログ

歴史時代小説を書く作家、時代物イラストレーター、時代物記事を書くライター、研究者などが集う会です。Welcome to Japan Historical Writers' Association! Don't hesitate to contact us!

『映画に溺れて』第59回 ヤッターマン

第59回 ヤッターマン

平成二十一年九月(2009)
上野 上野東急1

 

 かつて台東区で開催されていた下町コメディ映画祭。上野、浅草を中心にコメディ映画を上映するという年に一度の喜劇映画の祭典。無声映画の『子宝騒動』や『チャップリンの冒険』、コント55号特集、伴淳特集、モンティパイソン特集、これに新作や海外の未公開作、短編映画のコンテストなどもあった。そこで観た一本が実写版『ヤッターマン』である。
 かなり長寿のTV人気アニメということだが、私はほとんどTV版のものを見ていない。オリジナルを知らなくても、充分に楽しめる独立した娯楽作品になっていた。
 ヤッターマン1号、2号というふたりのヒーロー。玩具屋の息子とそのガールフレンドが正体。これが巨大おもちゃのごときロボット犬を操作し、悪人と対決する。
 悪人というのが三人組の泥棒で、リーダー格のセクシー美女ドロンジョ、発明家のボヤッキー、大食のトンズラーという漫画そのもののキャラクター。謎の怪人ドクロベエの指令でドクロストーンという古代の遺物を捜し求めている。
 世界の秘境四ヵ所にあるドクロストーンがそろった時、時空が歪み、悪が栄えるという恐ろしい石。
 この善と悪の対決にインディジョーンズ風の考古学者が加わって、全編ギャグ漫画の実写版。
 深田恭子ドロンジョは衣裳の効果もありセクシーだった。
 このドロンジョが偶然にも対決の途中にヤッターマン1号と抱き合ってキスしてしまい、お互い淡い恋心を抱くというのもロマンチックコメディのパロディみたいでバカバカしくも楽しい。ドロンジョを密かに慕うボヤッキーが嫉妬で苦悶するあたりも大笑い。下町コメディ映画祭で、子供たちに大受けだった。

 

ヤッターマン
2009
監督:三池崇史
出演:櫻井翔福田沙紀深田恭子生瀬勝久ケンドーコバヤシ阿部サダヲ