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『映画に溺れて』第310回 フィラデルフィア・エクスペリメント2

第310回 フィラデルフィア・エクスペリメント

平成六年十月(1994)
池袋 シネマセレサ


 低予算、B級映画である。前作『フィラデルフィア・エクスペリメント』も低予算だったが、アイディアをいろいろ出して面白く作っていた。が、この2は超B級。
 第二次大戦当時の防衛システム実験の副作用で現代にタイムスリップしたアメリカの海軍兵士ハーデックが、あれから八年、一九九三年のアメリカで、今は妻にも死なれ仕事もうまく行かず、幼い息子とふたりで細々と暮らしている。
 ちょうどその頃、軍の秘密研究所でドイツ系科学者のマーラー博士がかつてのレーダー消去装置の実験を再開し、上層部の反対を押し切って実験を行う。
 そのとたん、ハーデックは苦しみだして、世界が歪み、気がついたら、廃墟にいて兵士たちに追われ、ゲリラ風の連中に助けられる。その世界は一九九三年のアメリカには違いないのだが、第二次大戦でドイツが連合国を敗った過去を持つ別世界だった。
 第二次大戦時にドイツで新型戦闘機が発明され、それが搭載していた新型爆弾によってワシントンは一瞬にして滅んだのだった。
 全世界はナチスによって支配され、アメリカはその傘下の弱体国家にすぎない。
 ハーデックひとりが、このパラレルワールドに紛れ込んだ原因は、どうやら前作のタイムスリップと関係あるらしい。この世界のマーラー博士もまた、時間移動の実験を行っていた。そこでハーデックは再び過去へ戻り、歴史を修正しようとする。
 とにかく予算がないから、ドイツが戦勝した別世界の一九九三年というのが、安っぽい三流SFの型通りの独裁国風、セットも限られているので、リアリティがまるでない。第二次大戦の場面など、そこらへんの倉庫で軍服を着た数人の俳優がうろうろしているだけという寂しさ。ストーリーも矛盾だらけだが、私はこういう映画もけっこう嫌いではない。


フィラデルフィア・エクスペリメント2/Philadelphia Experiment II
1993 アメリカ/公開1994
監督:スティーブン・コーンウェル
出演:ブラッド・ジョンソン、マルジーン・ホールデン、ゲリット・グレアム