日本歴史時代作家協会 公式ブログ

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明治一五一年 第10回

の内側に
わたしの水が
満ちていく
それは静かな
ままの下り
坂だから
が訪れる前
に失われていく
記憶の
奥から呼ばれる
いまだ
不明のため
を留める
いくつかの
縊れし者たち
もはやそこ
からは戻れない
ですか
の内側に
わたしの血
が満ちていく
かたことに
なる足音たち
が刻んだ
がかすむ
名前に埋もれる
水の辺を
辿るならば
傷が癒えるまで
ほどけ
を小さく砕き
柔らかな道
の途上へ
いくつもの
散り散り
の後姿が輝き
屠られた
知らない唇の
残りですか
の内側に
わたしの夢
が満ちていく
まださやか
に響きわたる
鮮やかな
が鼓膜を
刺激し激しく
溢れ出すと
すでに消えて
久しい身体
をも束ね
よわく明滅する
長い思考の
通過を
百五十年の
欠落の滅した声
に兆し
結ばぬ願いを
今も忘れない
ですか