日本歴史時代作家協会 公式ブログ

歴史時代小説を書く作家、時代物イラストレーター、時代物記事を書くライター、研究者などが集う会です。Welcome to Japan Historical Writers' Association! Don't hesitate to contact us!

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

【速報】第9回 日本歴史時代作家協会賞

第9回 日本歴史時代作家協会賞 2020年7月30日公表 新人賞 坂上 泉『へぼ侍』 文藝春秋2019[候補作] 加納則章 『明治零年 サムライたちの天命』H&I(エイチアンドアイ)2020年4月 杉山大二郎『嵐を呼ぶ男!』 徳間書店2019年11月 佐藤 雫 『言の葉は、残り…

『映画に溺れて』第380回 着ながし奉行

第380回 着ながし奉行 平成十四年二月(2002)阿佐ヶ谷 ラピュタ阿佐ヶ谷 市川崑監督の『どら平太』が公開されたあとのこと、ラピュタ阿佐ヶ谷の岡本喜八監督特集で珍しいTV作品の上映があった。山本周五郎原作『町奉行日記』のTV版、フジテレビで一…

『映画に溺れて』第379回 マンハッタン無宿

第379回 マンハッタン無宿 平成二十一年八月(2009)京橋 フィルムセンター マカロニウエスタンで売れたクリント・イーストウッドが現代都市を舞台に活躍する刑事もの、といえば『ダーティハリー』だが、実はその前にもう一本あったのだ。ただし、現代劇…

大谷羊太郎さんの小説更新

kakuyomu.jp

『映画に溺れて』第378回 ダーティハリー

第378回 ダーティハリー 昭和四十八年四月(1973)大阪 堂島 大毎地下 クリント・イーストウッドを映画館で最初に観たのが『続・夕陽のガンマン』で、私は中学生だった。そして『ダーティハリー』が公開され、話題になったのが高校時代の終わり頃。マカ…

『映画に溺れて』第377回 リチャード・ジュエル

第377回 リチャード・ジュエル 令和二年七月(2020)飯田橋 ギンレイホール クリント・イーストウッドは俳優としても大好きだが、映画監督としても名作、佳作をたくさん撮っている。『リチャード・ジュエル』は一九九六年のアメリカ、アトランタオリンピ…

『映画に溺れて』第376回 黒い司法 0%からの奇跡

第376回 黒い司法 0%からの奇跡 令和二年一月(2020)神谷町 ワーナーブラザース試写室 アメリカの人種問題は根が深い。奴隷として使役させられていた黒人たちは、南北戦争後、解放はされたが、依然として差別は続いた。黒人は奴隷時代とさほど変わらぬ…

『映画に溺れて』第375回 魔法使いの弟子

第375回 魔法使いの弟子 平成二十二年八月(2010)新宿歌舞伎町 ミラノ3 自社アニメーションの名作を次々と実写化しているディズニー。そんな中で異色なのが『ファンタジア』の一編『魔法使いの弟子』の実写版。オリジナルはポール・デュカスの曲に乗せ…

『映画に溺れて』第374回 川の底からこんにちは

第374回 川の底からこんにちは 平成二十二年三月(2010)東銀座 シネマート試写室 私はコメディがけっこう好きなのだが、最近は声を出して笑えるようなコメディが少ない。不況の際には喜劇が流行すると言われている。新型コロナウィルスによる不況、なん…

『映画に溺れて』第373回 セッション

第373回 セッション 令和二年六月(2020)新所沢 レッツシネパーク コロナ禍で試写にも映画館にも行かなかったので、三か月ぶりの映画鑑賞である。やはり映画館で観る映画は感動が違う。 今回は以前に見逃していた『セッション』を観る。映画館は緊急事…

明治一五一年 第14回

悲鳴は失われた形になるだろうわだかまる意識のかたちは水を剥ぐ骨髄の中心まで柔らかく穿つ悲鳴は失われた形になるだろう死者の言葉はいつまでも終わらぬ明治元年の唇の多くの掌もまた戻る悲鳴は失われた形になるだろう遠くに吊るされる人影の傾きを開く見…