日本歴史時代作家協会 公式ブログ

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飯島一次

『映画に溺れて』第390回 悪魔のはらわた

第390回 悪魔のはらわた 平成七年七月(1995)六本木 俳優座劇場 3Dの映画は昔からあった。私が子供の頃、片目が青、片目が赤のセルロイドの眼鏡で見た記憶がある。 新宿高島屋のオープンに合わせてタイムズスクエア内に登場した東京アイマックスシ…

『映画に溺れて』第389回 ゴシック

第389回 ゴシック 昭和六十三年五月(1988)新宿歌舞伎町 シネマスクエアとうきゅう 怪物を創ったのはヴィクター・フランケンシュタインだが、そのフランケンシュタインを創造したのはうら若き乙女であった。という秘話を描いたのがケン・ラッセル監督の…

『映画に溺れて』第388回 ヤング・フランケンシュタイン

第388回 ヤング・フランケンシュタイン 昭和五十一年一月(1976)大阪 千日前 大劇名画座 小学生の頃、TVで毎週欠かさず観ていたのが『ザ・マンスターズ』というアメリカのコメディ。毎回マンスター家にちょっとした問題が持ち上がるというホームドラ…

『映画に溺れて』第387回 フランケンシュタイン(1994)

第387回 フランケンシュタイン(1994) 平成七年二月(1995)渋谷 渋東シネタワー1 一九三一年のユニバーサル映画とは違い、メアリー・シェリーの原作にかなり忠実に作られ、時代考証もきちんとしているのが一九九四年、フランシス・フォード・コッ…

『映画に溺れて』第386回 フランケンシュタイン(1931)

第386回 フランケンシュタイン(1931) 平成三年九月(1991)大泉 練馬区立勤労福祉会館 フランケンシュタインを描いた映画はたくさんあるが、やはりボリス・カーロフ主演の『フランケンシュタイン』が一番有名であろう。日本での初公開は昭和七年で…

『映画に溺れて』第385回 ゴッド・アンド・モンスター

第385回 ゴッド・アンド・モンスター 平成十四年二月(2002)池袋 新文芸坐 一九三一年のユニバーサル映画『フランケンシュタイン』はボリス・カーロフ演じる怪物で有名だが、それを監督したのが英国生まれのジェームズ・ホエール。引退後、一九五七年五…

『映画に溺れて』第384回 グッドライアー 偽りのゲーム

第384回 グッドライアー 偽りのゲーム 令和二年二月(2020)日比谷 TOHOシネマズ日比谷 ヘレン・ミレンとイアン・マッケラン、どちらもイギリスのシェイクスピア俳優にしてベテランの名優、映画に主演もすれば脇役も多い。 デイムの称号のあるヘレン…

『映画に溺れて:』第383回 時をかける少女(2006)

第383回 時をかける少女(2006) 平成二十二年四月(2010)高田馬場 早稲田松竹 二〇一〇年版の『時をかける少女』を観た一か月後、たまたま早稲田松竹で細田守監督特集があり、アニメ版『時をかける少女』が上映された。 現代の東京、主人公は高校…

『映画に溺れて』第382回 時をかける少女(2010)

第382回 時をかける少女(2010) 平成二十二年三月(2010)新宿 新宿ピカデリー 『時をかける少女』はTVや映画で何度も映像化され、アニメにもなり、演劇になり、コミックにもなっている。ひとつの作品が様々な形でこれだけ繰り返されるのも珍しい…

『映画に溺れて』第381回 時をかける少女(1983)

第381回 時をかける少女(1983) 令和二年七月(2020)池袋 新文芸坐 筒井康隆の『時をかける少女』を最初に観たのは一九七二年のNHKドラマ『タイムトラベラー』だった。主役の芳山和子を演じた島田淳子はその後芸名を浅野真弓に変更し『柳生一族…

『映画に溺れて』第380回 着ながし奉行

第380回 着ながし奉行 平成十四年二月(2002)阿佐ヶ谷 ラピュタ阿佐ヶ谷 市川崑監督の『どら平太』が公開されたあとのこと、ラピュタ阿佐ヶ谷の岡本喜八監督特集で珍しいTV作品の上映があった。山本周五郎原作『町奉行日記』のTV版、フジテレビで一…

『映画に溺れて』第379回 マンハッタン無宿

第379回 マンハッタン無宿 平成二十一年八月(2009)京橋 フィルムセンター マカロニウエスタンで売れたクリント・イーストウッドが現代都市を舞台に活躍する刑事もの、といえば『ダーティハリー』だが、実はその前にもう一本あったのだ。ただし、現代劇…

『映画に溺れて』第378回 ダーティハリー

第378回 ダーティハリー 昭和四十八年四月(1973)大阪 堂島 大毎地下 クリント・イーストウッドを映画館で最初に観たのが『続・夕陽のガンマン』で、私は中学生だった。そして『ダーティハリー』が公開され、話題になったのが高校時代の終わり頃。マカ…

『映画に溺れて』第377回 リチャード・ジュエル

第377回 リチャード・ジュエル 令和二年七月(2020)飯田橋 ギンレイホール クリント・イーストウッドは俳優としても大好きだが、映画監督としても名作、佳作をたくさん撮っている。『リチャード・ジュエル』は一九九六年のアメリカ、アトランタオリンピ…

『映画に溺れて』第376回 黒い司法 0%からの奇跡

第376回 黒い司法 0%からの奇跡 令和二年一月(2020)神谷町 ワーナーブラザース試写室 アメリカの人種問題は根が深い。奴隷として使役させられていた黒人たちは、南北戦争後、解放はされたが、依然として差別は続いた。黒人は奴隷時代とさほど変わらぬ…

『映画に溺れて』第375回 魔法使いの弟子

第375回 魔法使いの弟子 平成二十二年八月(2010)新宿歌舞伎町 ミラノ3 自社アニメーションの名作を次々と実写化しているディズニー。そんな中で異色なのが『ファンタジア』の一編『魔法使いの弟子』の実写版。オリジナルはポール・デュカスの曲に乗せ…

『映画に溺れて』第374回 川の底からこんにちは

第374回 川の底からこんにちは 平成二十二年三月(2010)東銀座 シネマート試写室 私はコメディがけっこう好きなのだが、最近は声を出して笑えるようなコメディが少ない。不況の際には喜劇が流行すると言われている。新型コロナウィルスによる不況、なん…

『映画に溺れて』第373回 セッション

第373回 セッション 令和二年六月(2020)新所沢 レッツシネパーク コロナ禍で試写にも映画館にも行かなかったので、三か月ぶりの映画鑑賞である。やはり映画館で観る映画は感動が違う。 今回は以前に見逃していた『セッション』を観る。映画館は緊急事…

『映画に溺れて』第372回 モダン・タイムス

第372回 モダン・タイムス 昭和四十七年十一月(1972)大阪 梅田 阪急プラザ劇場 赤狩りでハリウッドを逃れスイスで暮らすチャールズ・チャップリンに、一九七二年、アメリカのアカデミー賞名誉賞が贈られた。 その年、東宝系の映画館では「ビバ・チャッ…

『映画に溺れて』第371回 一度死んでみた

第371回 一度死んでみた 令和二年二月(2020)築地 松竹試写室 この世に生まれた以上、人は必ず一度は死ぬ運命である。生まれてすぐに亡くなる赤子もいれば、九十、百まで長生きし天寿を全うする老人もいる。死に方も病気、事故、犯罪、戦争など様々…

『映画に溺れて』第370回 アウトブレイク

第370回 アウトブレイク 平成七年九月(1995)池袋 文芸坐 未知の伝染病が広がって、人がばたばたと死んでいく。という映画はいくつかある。マイケル・クライトン原作の『アンドロメダ…』は宇宙から帰還したカプセルに付着していた病原体があっという…

『映画に溺れて』第367~369回 ジュディ 虹の彼方に、他

第367回 ジュディ 虹の彼方に 令和二年三月(2020)新宿歌舞伎町 TOHOシネマズ新宿 ハリウッドのMGMスタジオで十代の無名の少女ジュディはプロデューサーのルイス・B・メイヤーに言われる。この壁の向こうに何があるか、わかるかね? そこに…

『映画に溺れて』第366回 生きる

第366回 生きる 昭和五十四年四月(1979)池袋 テアトル池袋 毎日休まず一年三百六十五日、好きな映画のことを書き綴った『映画に溺れて』も、今後は少し減速し、ゆるりゆるりと風の向くまま気の向くまま、思いついたときに。 浜の真砂は尽きるとも世に…

『映画に溺れて』一年三百六十五本を終えて

『映画に溺れて』一年三百六十五本を終えて 平成三十一年の四月、日本歴史時代作家協会が発足。それにともなって、公式ホームページを開設するにあたり、なにか映画のこと書いてみませんかとのお話があった。 歴史時代小説の作家が中心の会なので、時代劇映…

『映画に溺れて』第365回 ラスト・ショー/The Last Picture Show

第365回 ラスト・ショー/The Last Picture Show 昭和四十七年九月(1972)大阪 難波 南街シネマ 一年三百六十五日、毎日一本好きな映画を書き続ける『映画に溺れて』もいよいよ今回が三百六十五日めとなった。だから『ラスト・ショー』である。 時代背…

『映画に溺れて』第364回 私のように美しい娘

第364回 私のように美しい娘 昭和五十年二月(1975)大阪 梅田 北野シネマ 学生時代、私のトリュフォー初体験がこれ。タイトルで内容が想像できない。中身もかなり変だったが、ベルナデット・ラフォン演じるあばずれの毒婦にぞくぞくした。 最初、書店の…

『映画に溺れて』第363回 ショーシャンクの空に

第363回 ショーシャンクの空に 平成七年十一月(1995)池袋 文芸坐 これは大好きな作品で、映画館で四回観ている。原作はスティーブン・キングの『刑務所のリタ・ヘイワース』 泥酔したエリート銀行員アンディ・デュフレーンが銃を携え、妻の浮気現場で…

『映画に溺れて』第362回 スティング

第362回 スティング 昭和四十九年七月(1974)大阪 曽根崎 梅田グランド 詐欺師の映画というのは、主人公の詐欺師がカモを引っ掛けるトリックの面白さもあるが、実はもうひとつ、映画を観ている観客そのものも騙してしまう手口。わあ騙された、という快…

『映画に溺れて』第361回 壁女

第361回 壁女 平成二十三年九月(2011)西東京 保谷こもれびホール 西東京市で毎年開催されている西東京市民映画祭自主制作映画コンペティションの審査員を、第一回より何年か続けてやらせていただいた。全国から寄せられた短編作品の中から各賞を選ぶの…

『映画に溺れて』第360回 吹けよ春風

第360回 吹けよ春風 平成十一年四月(1999)京橋 フィムルセンター 三船敏郎といえば、剣豪や豪傑、凄腕の素浪人といった時代劇が多いが、その三船が主演のコメディタッチの現代劇。終戦からまだそんなに経っていない東京を舞台に、タクシーの運転手が見…