日本歴史時代作家協会 公式ブログ

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飯島一次

『映画に溺れて』第520回 NOPE ノープ

第520回 NOPE ノープ 令和四年九月(2022)府中 TOHOシネマズ府中 UFOを信じるか、信じないか。という議論はそもそもおかしいと思う。UFOとは未確認飛行物体の略語であり、なんだかよくわからないものが空を飛んでいるだけなのだ。それは…

『映画に溺れて』第519回 スワンソング

第519回 スワンソング 令和四年六月(2022)京橋 テアトル試写室 ウド・キアといえば、一九七〇年代、『悪魔のはらわた』のフランケンシュタイン博士と『処女の生血』のドラキュラ伯爵が強烈に印象に残っている。アンディ・ウォーホル監修、ポール・モリ…

『映画に溺れて』第518回 チャイナタウン

第518回 チャイナタウン 昭和六十三年六月(1988)荻窪 荻窪オデヲン座 アメリカ映画で時代劇といえば西部劇だが、戦前の禁酒法と大恐慌の時代を描いた作品も一種の時代劇のような気がする。 当時、パルプマガジンで活躍したダシール・ハメットやレイモ…

『映画に溺れて』第517回 アンタッチャブル

第517回 アンタッチャブル 昭和六十二年十月(1987)新宿歌舞伎町 新宿プラザ 私のブライアン・デ・パルマ初体験は一九七五年公開の『ファントム・オブ・パラダイス』で、これはわが生涯に観た映画の中でも上位に入る。その後、『キャリー』『悪魔のシス…

『映画に溺れて』第516回 ラストマン・スタンディング

第516回 ラストマン・スタンディング 平成九年二月(1997)日比谷 日比谷映画 派手な暴力描写で名高いウォルター・ヒル監督が黒澤明の『用心棒』をほぼそっくりそのまま、禁酒法時代のテキサスに置き換えてリメイクしたのが『ラストマン・スタンディング…

『映画に溺れて』第515回 用心棒

第515回 用心棒 昭和五十三年十一月(1978)大阪 阿倍野 アポログリーン 私は三船敏郎が大好きだ。三船といえば黒澤明、『七人の侍』は映画として文句なしに最高である。が、異彩を放つキャラクターといえば『用心棒』の浪人だろう。 すさんだ宿場町にふ…

第514回 荒野の七人 真昼の決闘

第514回 荒野の七人 真昼の決闘 昭和四十七年十月(1972)大阪 難波 南街劇場 西部の荒野を馬上のガンマンが駆けて行く。背景に流れるのは『荒野の七人』のオリジナルテーマ曲。『荒野の七人 真昼の決闘』の最初のシーン、邦題は大胆にも有名な西部劇の…

『映画に溺れて』第513回 オースティン・パワーズ ゴールドメンバー

第513回 オースティン・パワーズ ゴールドメンバー 平成十四年十月(2002)大泉 Tジョイ大泉 マイク・マイヤーズが英国スパイと悪の天才の二役を演じるコメディ『オースティン・パワーズ』は三本作られ、二作目の『オースティン・パワーズ デラックス』…

『映画に溺れて』第512回 パリで一緒に

第512回 パリで一緒に 昭和六十三年六月(1988)自由が丘 自由が丘武蔵野館 ウィリアム・ホールデンとオードリー・ヘプバーンが売れっ子脚本家とタイピストを演じるロマンティックコメディ。 巴里祭で賑わうパリ。ハリウッドの脚本家リチャードが新作『…

『映画に溺れて』第511回 アダプテーション

第511回 アダプテーション 平成十六年一月(2004)飯田橋 ギンレイホール スパイク・ジョーンズ監督『マルコビッチの穴』で脚本家として一躍注目されたチャーリー・カウフマンだが、撮影現場では影が薄く、ヒロイン役のキャサリン・キーナーにも無視され…

『映画に溺れて』第510回 キャメラを止めるな!

第510回 キャメラを止めるな! 令和四年七月(2022) 立川 キノシネマ立川 リメイクは難しい。どんなに上手に模倣しても、それはオリジナルが素晴らしいからで、たいして手柄にはならない。模倣が下手で見劣りしたり、余計なアイディアを加えて失敗した…

『映画に溺れて』第509回 バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー

第509回 バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー 令和四年七月(2022)吉祥寺 アップリンク吉祥寺 バットマンではなく、バッドマンである。 DCやマーベルのアメリカンコミックを意識したパロディではあるが、フランス映画なのでひねりがあり、下ネタも…

『映画に溺れて』第508回 スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム

第508回 スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム 令和四年一月(2022)立川 TOHOシネマズ立川立飛 スーパーマン、バットマン、スパイダーマン、DCやマーベルの人気コミックは昔からTVや映画で何度も繰り返し映像化されている。 近年でも人気キャ…

『映画に溺れて』第507回 大怪獣のあとしまつ

第507回 大怪獣のあとしまつ 令和四年二月(2022)立川 TOHOシネマズ立川立飛 以前、ハヤカワ文庫から『キング・コングのライヴァルたち』と題するパロディ集が翻訳され、その中にフィリップ・ホセ・ファーマーの『キング・コング墜落のあと』という…

『映画に溺れて』第506回 リーグ・オブ・レジェンド

第506回 リーグ・オブ・レジェンド 平成十五年十月(2003)渋谷 渋東シネタワー1 十九世紀末のロンドンで近代兵器による組織犯罪が行われる。ヨーロッパ各地に暗躍する悪の組織ファントム。大規模な陰謀が世界大戦に発展するのを阻止するため、大英帝国…

『映画に溺れて』第505回 フロム・ヘル

第505回 フロム・ヘル 平成十四年二月(2002)日比谷 シャンテシネ2 一八八八年、ロンドンで実際に起こった猟奇犯罪、連続娼婦惨殺事件。被害者は腹部を切り裂かれ、内臓が露出するというおぞましいものだった。犯人は切り裂きジャックと呼ばれたが、正…

『映画に溺れて』第504回 ネバーランド

第504回 ネバーランド 平成十七年五月(2005)飯田橋 ギンレイホール 中堅劇作家のジェームズ・バリは新作風俗喜劇が当らず打ち切りとなり、意気消沈。家では妻との仲もしっくりいかず、落ち込んでいる。そんなとき、偶然にもケンジントン公園で少年たち…

『映画に溺れて』第503回 SHERLOCKシャーロック 忌まわしき花嫁

第503回 SHERLOCKシャーロック 忌まわしき花嫁 平成二十八年一月(2016)新橋 スペースS汐留 二〇一〇年から始まったBBCのTVシリーズ『SHERLOCKシャーロック』はコナン・ドイルの原作を踏まえながら、舞台を二十一世紀、現代のロンドンに設定して…

『映画に溺れて』第502回 Mr.ホームズ 名探偵最後の事件

第502回 Mr.ホームズ 名探偵最後の事件 平成二十七年十二月(2015) 青山 ギャガ試写室 ジェームズ・ボンドは歳をとらない。 イアン・フレミングによると第二次世界大戦時に英軍将校であり、戦後の冷戦時代にはMI6に所属する腕利きスパイとして活躍し…

『映画に溺れて』第501回 スミス都へ行く

第501回 スミス都へ行く 平成十五年四月(2003)池袋 新文芸坐 政治の不正と理想を描いたフランク・キャプラ監督のコメディである。主演は若きジェームズ・ステュワート。 ある州の新聞社主テイラーは地元の政財界を牛耳るボスであり、安く買い占めた土…

『映画に溺れて』第500回 スター・トレック

第500回 スター・トレック 昭和五十七年十月(1982)中野 中野武蔵野館 中学時代、TVの人気海外ドラマ『スパイ大作戦』が好きだった私は、高校生になると『宇宙大作戦』に夢中になった。『ミッション・インポッシブル』の日本での放送時のタイトルが『…

『映画に溺れて』第499回 ミッション・インポッシブル

第499回 ミッション・インポッシブル 平成八年九月(1996)渋谷 渋東シネタワー2 一九六〇年代の東西冷戦時代、TVドラマ『スパイ大作戦』の人気は高かった。 チームのリーダー、ジム・フェルプスが毎回「おはよう、フェルプス君」ではじまる指令を受…

『映画に溺れて』第498回 キャメロット

第498回 キャメロット 昭和五十四年十一月(1979)築地 銀座ロキシー ブロードウェイのヒットミュージカルはたいてい映画化されている。『ウエストサイド物語』『マイ・フェア・レディ』『サウンド・オブ・ミュージック』『ラ・マンチャの男』『レ・ミゼ…

『映画に溺れて』第497回 リトルニッキー

第497回 リトルニッキー 平成十三年六月(2001)有楽町 日劇プラザ 最初の場面はバードウォッチングならぬ覗き魔。木の枝に腰掛け、窓越しに女性の着替えを覗いていた男、気づかれて落下し、そのまま落命、地獄へ真っさかさま。次々と落ちてくる死者たち…

『映画に溺れて』第496回 バロン

第496回 バロン 平成元年十月(1989)池袋 文芸坐 ミュンヒハウゼン男爵はドイツに実在した人物。架空の冒険談を面白おかしく語り、やがてその聞き書きが尾ひれをつけて出版され、世界各国で有名になった。このほら男爵を主人公にテリー・ギリアムが監督…

第495回 モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル

第495回 モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル 昭和五十五年二月(1980)渋谷 西武劇場 私は映画が大好きなので、次から次へと映画を観続けている。中にはつまらない映画もたくさんある。どんなジャンルにもそれはある。低予算のB級映画にも…

『映画に溺れて』第494回 ゲットスマート

第494回 ゲットスマート 平成二十年十月(2008)新宿 新宿ピカデリー 一九六〇年代はショーン・コネリー007の全盛期で、それにあやかったスパイものがたくさん作られ、TVでも『ナポレオン・ソロ』『スパイ大作戦』『それいけスマート』などが人気だ…

『映画に溺れて』第493回 メル・ブルックスの大脱走

第493回 メル・ブルックスの大脱走 平成二年二月(1990)中野 中野武蔵野ホール エルンスト・ルビッチが戦時中に作った反ナチコメディ『生きるべきか死ぬべきか』が日本で公開されたのが一九八九年、が、それより早い一九八四年にリメイク版『メル・ブル…

『映画に溺れて』第492回 第十七捕虜収容所

第492回 第十七捕虜収容所 令和元年八月(2019)渋谷 シネマヴェーラ 戦争映画ではあるが、戦闘場面はなく、ビリー・ワイルダー監督らしいコメディ調で描かれた捕虜収容所のクリスマスストーリーになっている。 第二次大戦末期、ドイツ国内のドナウ川の…

『映画に溺れて』第491回 シンドラーのリスト

第491回 シンドラーのリスト 平成六年三月(1994)渋谷 渋東シネタワー2 相次いで娯楽作品を世に出しヒットさせたスティーヴン・スピルバーグが作った『シンドラーのリスト』は執念の一作といえるだろう。ハリウッドの映画人にはユダヤ系が多く、スピル…