日本歴史時代作家協会 公式ブログ

歴史時代小説を書く作家、時代物イラストレーター、時代物記事を書くライター、研究者などが集う会です。Welcome to Japan Historical Writers' Association! Don't hesitate to contact us!

飯島一次

『映画に溺れて』第454回 エバー・アフター

第454回 エバー・アフター 平成十一年七月(1999)飯田橋 ギンレイホール 十九世紀、グリム兄弟が貴婦人の元へ呼ばれると、彼女はガラスの靴を見せ、例の「灰かぶり」の物語は本当にあった話だと語る。 十六世紀前半のフランス。実際にはヴァロア朝だが…

『映画に溺れて』第453回 ロック・ユー!

第453回 ロック・ユー! 平成十四年三月(2002)新橋 新橋文化 ヒース・レジャー主演の中世騎士物語。詩人のチョーサーやエドワード黒太子が登場するので、十四世紀のヨーロッパが背景である。 ウィリアムはイングランドの庶民出身で、騎士エクター卿の…

『映画に溺れて』第452回 グッドナイト&グッドラック

第452回 グッドナイト&グッドラック 平成十八年十月(2006)新橋 新橋文化 一九五〇年代、ジョセフ・マッカーシー上院議員による赤狩りは最初、多くのアメリカ国民の支持を得る。背景には冷戦状態にあるソビエト連邦の脅威があった。マッカーシーによる…

『映画に溺れて』第451回 偽りの隣人 ある諜報員の告白

第451回 偽りの隣人 ある諜報員の告白 令和三年八月(2021) 新橋 TCC試写室 これはふたりの男の友情の物語である。 ユ・デグォンは正義感の強い愛国者であり、国家安全政策部の諜報員として活動している。 イ・ウィシクは現政権に批判的な民主化運動…

『映画に溺れて』第450回 アナザーラウンド

第450回 アナザーラウンド 令和三年九月(2021)新宿 新宿武蔵野館 酒好きにとっては酒は百薬の長である。が、下戸にとっては百害あって一利なし、命を削る鉋とも言われる。なにごともほどほどがいいのだが、一線を越えると後戻りできなくなり、一気に破…

『映画に溺れて』第449回 フリー・ガイ

第449回 フリー・ガイ 令和三年八月(2021) 立川 シネマシティ2 フリーシティの銀行員ガイの一日は判で押したように規則正しい。朝、ベッドで目覚め、飼っている金魚に挨拶し、青いシャツに着替えて、出勤前にいつものコーヒーショップでいつものコー…

『映画に溺れて』第448回 レッド・ドラゴン

第448回 レッド・ドラゴン 平成十五年三月(2003) 所沢 シネセゾン所沢 『羊たちの沈黙』がヒットし、続編の『ハンニバル』が作られ、そして『レッド・ドラゴン』である。これは続編というより『羊たちの沈黙』以前の物語となっている。 FBI捜査官グ…

『映画に溺れて』第447回 羊たちの沈黙

第447回 羊たちの沈黙 平成三年十一月(1991)池袋 文芸坐 不気味な映画だった。おぞましい場面があるからぞっとするのではない。映像と音楽と俳優たちの演技で不気味な雰囲気を醸し出していた。 ジョディ・フォスターふんするFBI実習生クラリスがラ…

『映画に溺れて』第446回 キャラクター

第446回 キャラクター 令和三年六月(2021) 六本木 TOHOシネマズ六本木ヒルズ ホラー漫画を愛する青年がいる。山城圭吾は長年、著名な漫画家のアシスタントをしながら、なんとか独立して一本立ちしようと新人賞に応募し続けている。いつもいい線ま…

『映画に溺れて』第445回 プロミシング・ヤング・ウーマン

第445回 プロミシング・ヤング・ウーマン 令和三年七月(2021)立川 キノシネマ立川 凄惨な復讐劇でありながら、どことなくユーモラスで、方向が変わればラブコメディになっていたかもしれないと思わせる奇妙な味わいである。 カサンドラ・トーマス、通…

『映画に溺れて』第444回 夏への扉 キミのいる未来へ

第444回 夏への扉 キミのいる未来へ 令和三年六月(2021) 新宿 新宿ピカデリー ロバート・A・ハインラインの『夏への扉』は一九五〇年代に書かれた時間SFで、人工冬眠とタイムマシンが題材となっており、今でもファンが多い。 原作では一九七〇年と三…

『映画に溺れて』第443回 バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2

第443回 バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2 平成元年七月(1989)吉祥寺 吉祥寺スカラ座 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』第一作はストーリーも完璧で、個性的な脇役に恵まれた。天才科学者でありながら常識はずれで、どこか抜けているブラウン博…

『映画に溺れて』第442回 妖婆 死棺の呪い

第442回 妖婆 死棺の呪い 平成二十三年三月(2011) 渋谷 アップリンクファクトリー 東日本大震災の直後、ひっそりと静まった夜の渋谷、アップリンクで観たのが『妖婆 死棺の呪い』である。 神学生が帰省の途中で立ち寄った村で、一夜の宿を頼んだ農家。…

『映画に溺れて』第441回 けっこう仮面

第441回 けっこう仮面 平成十六年二月(2004)渋谷 アップリンクファクトリー アップリンクファクトリーは最初、渋谷公会堂にほど近い小さなビルの一室にあって、一万円の年会費で全作品が見放題だった。どれだけ通ったことか。ほとんどがマイナー映画で…

『映画に溺れて』第440回 ナンズ・オン・ザ・ラン 走れ!尼さん

第440回 ナンズ・オン・ザ・ラン 走れ!尼さん 平成三年十月(1991)池袋 シネマセレサ 懐かしいエリック・アイドル主演のコメディ。相手役がロビー・コルトレーン。 定食屋でランチを食べているブライアンと同僚のチャーリー。昼休みは二時までらしい。…

『映画に溺れて』第439回 ミラクル・ニール!

第439回 ミラクル・ニール! 平成二十八年一月(2016)京橋 テアトル試写室 学生時代、モンティ・パイソンが大好きで、毎週欠かさずTVで観ていた。イギリス出身の五人の秀才、グレアム・チャップマン、ジョン・クリーズ、エリック・アイドル、マイケル…

『映画に溺れて』第438回 ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!

第438回 ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン! 平成二十一年二月(2009)新橋 新橋文化 サイモン・ペッグ、ニック・フロストのコンビが主演、エドガー・ライト監督の英国コメディである。 エリート中のエリート警官ニコラス・エンジェル。大学と警…

『映画に溺れて』第437回 宇宙人ポール

第437回 宇宙人ポール 平成二十四年四月(2012)飯田橋 ギンレイホール コミックやアニメやSFのマニアが集う祭典、コミコンがアメリカで開かれ、ふたりのSFオタクがイギリスからはるばる見物にやって来る。演じるのはエドガー・ライトのコメディでお…

『映画に溺れて』第436回 マーズ・アタック!

第436回 マーズ・アタック! 平成九年七月(1997)三軒茶屋 三軒茶屋中央 十九世紀末、H・G・ウェルズはSF小説『宇宙戦争』を発表した。タコ型の火星人が地球に飛来し、迎える要人を熱線で焼き殺し、地球を侵略しようとする。 オーソン・ウェルズは…

『映画に溺れて』第435回 カウボーイ&エイリアン

第435回 カウボーイ&エイリアン 平成二十三年十一月(2011)新宿 新宿ピカデリー 開拓時代のアメリカ西部。カウボーイ、ガンマン、保安官、酒場の女、インディアン、荒野の追跡。その型通りの西部劇に、宇宙人襲来のパニックSFを混ぜたらどうなるか。…

『映画に溺れて』第434回 ダイナソー

第434回 ダイナソー 平成十三年一月(2001)新宿歌舞伎町 新宿グランドオデヲン これは一種の西部劇である。新天地を求めて移動するキャラバン。それに加わる新参の若者。横暴なリーダーとの対立。過酷な旅に力尽きて倒れる者、遅れる老人、負傷して置き…

『映画に溺れて』第433回 バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3

第433回 バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3 平成二年七月(1990)渋谷 渋谷東急2 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は第一作がヒットし、その後、PART2とPART3が作られたが、第一作が一番面白く、二〇一五年の未来へ行く二作目がぱっとしなかっ…

『映画に溺れて』第432回 デッドマン

第432回 デッドマン 平成八年五月(1996)高田馬場 高田馬場東映 ジョニー・デップ主演、ジム・ジャームッシュ監督の異色西部劇。 東部の都会から西部にやって来た会計士のウィリアム・ブレイク。来るのが遅すぎたと頼みの綱の会社に雇ってもらえず、娼…

『映画に溺れて』第431回 ローン・レンジャー

第431回 ローン・レンジャー 平成二十五年九月(2013) 名古屋 ミッドランドスクエアシネマ 映画はそれをいつどこで観たかという環境とともに記憶されている。西部劇『ローン・レンジャー』を観たのは名古屋駅近くの映画館で、この日、台風で東京行きの…

『映画に溺れて』第430回 駅馬車

第430回 駅馬車 昭和四十八年四月(1973)大阪 梅田 梅田地下劇場 私が映画館に通い始めた一九七〇年代、ジョン・ウェインはベトナム戦争礼賛のタカ派のイメージが強くて好きになれなかった。二〇一五年の映画『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』で…

『映画に溺れて』第429回 ラスト・アウトロー

第429回 ラスト・アウトロー 平成七年三月(1995)池袋 文芸坐 元南軍兵士の無法者たちが徒党を組んで西部を荒し回っている。首領は元南軍のグラフ大佐。かつては大牧場主で有能な軍人だったが、出征中に故郷の町が北軍の手に落ち、妻子を凌辱された上、…

『映画に溺れて』第428回 明日に向って撃て

第428回 明日に向って撃て 昭和四十七年十二月(1972)大阪 堂島 大毎地下 一九六〇年代末からアメリカ映画界に新しいスタイルの作品が続々と現れた。自由を求め、社会からはみ出した若者が、古い体制の権力者あるいは権力の手先によって自滅させられる…

『映画に溺れて』第427回 ハスラー

第427回 ハスラー 平成二十三年十月(2011)府中 TOHOシネマズ府中 若い頃、ビリヤードに夢中になったことがある。ローテーションゲームでポケットに十五個の玉を落としていく快感。西武線の江古田駅近くに友人がいて、駅前にあったビリヤード場に彼…

『映画に溺れて』第426回 白と黒

第426回 白と黒 平成十三年六月(2001) 京橋 フィルムセンター 犯罪物、推理物の面白さは、最後に意外な犯人が用意されていて、あっと驚かされ大満足となるのだが、この映画は犯行の場面で始まる。 弁護士会の会長夫人が浮気相手の若手弁護士、浜野に痴…

『映画に溺れて』第425回 shall we ダンス?(1996)

第425回 shall we ダンス?(1996) 平成八年七月(1996)池袋 文芸坐2 リチャード・ギア主演のハリウッドリメイク版もよく出来ているが、やはりなんといってもオリジナル『shall we ダンス?』がいいのだ。 この映画のヒットで中高年層に社…