日本歴史時代作家協会 公式ブログ

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飯島一次

『映画に溺れて』第203回 リメンバー・ミー

第203回 リメンバー・ミー 平成三十年十月(2018)飯田橋 ギンレイホール 骸骨の扮装で人々が踊るメキシコの祭「死者の日」が題材の、ピクサー製作のディズニーアニメ。 音楽家を目指した曽曽祖父が家族を捨てて家を出て以来、曽曽祖母は靴屋を創業し…

『映画に溺れて』第202回 競輪上人行状記

第202回 競輪上人行状記 平成十五年十一月(2003)下高井戸 下高井戸シネマ 『幕末太陽伝』で貸本屋の金公を演じた小沢昭一は名脇役で、主演映画はそれほど多くはないが、私の大好きな俳優である。 小沢の主演作『競輪上人行状記』は七十年代にTVで…

『映画に溺れて』第201回 新幹線大爆破

第201回 新幹線大爆破 昭和五十年九月(1975)京都 一乗寺 京一会館 昭和五十年七月の封切りだが、ヒットせず、私は二か月後に二番館に回ってきたのを三本立てで観た。国鉄新幹線の東京博多間が開通したのがこの年の三月で、映画は開通したばかりの新…

『映画に溺れて』第200回 男と女

第200回 男と女 平成二十三年五月(2011)日比谷 みゆき座 クロード・ルルーシュの映画を初めて観たのは高校生のとき、『白い恋人たち』だった。冬季オリンピックのドキュメンタリーでフランシス・レイのテーマ曲が大ヒットした。そして『流れ者』『…

『映画に溺れて』第199回 地上5センチの恋心

第199回 地上5センチの恋心 平成二十年八月(2008)飯田橋 ギンレイホール 主人公オデット・トゥールモンドはデパートの化粧品売り場に勤める中年女性。十年前に夫を亡くし、成人した息子と娘とベルギーの小さなアパートでつつましく暮らしている。…

『映画に溺れて』第198回 殿方ご免遊ばせ

第198回 殿方ご免遊ばせ 平成二十二年十二月(2010)六本木 シネマート六本木 バルドーの主演作を初めて映画館で観たのは一九七〇年代の初め、『華麗なる対決』というフランス製のコメディ西部劇だった。マイケル・J・ポラードの保安官以外は、住民…

『映画に溺れて』第197回 アメリ

第197回 アメリ 平成十四年一月(2002)池袋 テアトル池袋 主人公のアメリは内気で不器用、周囲の人となかなかうまく溶け込めない。 彼女がある日、TVでダイアナ妃事故死のニュースを見て、びっくりしたとたん、化粧品の蓋が転がり、壁の隙間に入る…

『映画に溺れて』第196回 今さら言えない小さな秘密

第196回 今さら言えない小さな秘密 令和元年八月(2019)築地 松竹試写室 なにを隠そう、私は子供の頃から自転車に乗れない。結婚して子供ができて、家族で公園などに遊びに行くとき、みんな自転車なのに、私ひとりが徒歩かバスだった。町ではけっこ…

『映画に溺れて』第195回 フローズンタイム

第195回 フローズンタイム 平成二十年八月(2008)高田馬場 早稲田松竹 時間の感覚は個人的なもので、実際に同じ時間を過ごしていても、楽しいとあっという間に過ぎてしまったり、退屈だとなかなか進まなかったりする。それが極端になると、この映画…

『映画に溺れて』第194回 サロゲート

第194回 サロゲート 平成二十二年二月(2010)新宿 新宿ピカデリー テクノロジーの進歩した近未来、身障者用に人工の腕や足が開発される。脳からの信号で、実際の手足と同じように動かせるマシーン。それが進歩すると、今度は全身に活用。やがて戦争…

『映画に溺れて』第193回 トゥルーマン・ショー

第193回 トゥルーマン・ショー 平成十年十二月(1998)新宿 新宿ピカデリー1 このアイデアだけで観たくなった。 ひとりの赤ん坊が生まれる。名前はトゥルーマン。そして彼の主演するTVドラマ『トゥルーマン・ショー』が始まる。母親も父親も友人も…

『映画に溺れて』第192回 マトリックス

第192回 マトリックス 平成十一年九月(1999)錦糸町 楽天地シネマ1 この映画を観たあと、私は周囲を見回した。私が今、見ている景色、触ったり、音を聴いたり、食べたり飲んだり、人と会って話をしたり、それは本当のことなのか。 私は全然別の場所…

『映画に溺れて』第191回 トータルリコール

第191回 トータルリコール 平成二年十二月(1990)新所沢 レッツシネパーク・レッド フィリップ・K・ディックの短編が好きで、以前、ずいぶんと読んだものだ。 記憶にまつわる物語が多かったように思う。人間の記憶は曖昧であり、われわれは自分の都…

『映画に溺れて』第190回 ヒッチコック

第190回 ヒッチコック 平成二十五年三月(2013)六本木 20世紀フォックス試写室 映画監督のアルフレッド・ヒッチコック、私は子供の頃からその容貌はよく知っていた。TVの『ヒッチコック劇場』で最初と最後に解説をするのがヒッチコックだったの…

『映画に溺れて』第189回 ダイヤルMを廻せ!

第189回 ダイヤルMを廻せ! 平成八年四月(1996)銀座 銀座文化 『刑事コロンボ』がTVで放送されたとき、驚いたのは、ミステリなのに最初から犯人がわかっていることだった。それをコロンボがじわじわと追い詰める。倒叙ミステリである。 ヒッチコ…

『映画に溺れて』第188回 見知らぬ乗客

第188回 見知らぬ乗客 令和元年五月(2019)池袋 新文芸坐 ガイは列車で乗り合わせた男から愛想よく話しかけられる。ガイ・ヘインズさんでしょう。テニスの花形選手の。 親切そうな男なので、行きがかり上、同じコンパートメントで食事をして酒を飲む…

『映画に溺れて』第187回 鳥

第187回 鳥 平成二十四年一月(2012)府中 TOHOシネマズ府中 サンフランシスコの町並みを急いで歩く美女。彼女はどこへ行くのかというと、鳥専門のペットショップである。ここで九官鳥を注文するのだが、店員が席をはずしている間に男の客が来て…

『映画に溺れて』第186回 アラクノフォビア

第186回 アラクノフォビア 平成三年六月(1991)池袋 文芸坐 ファーストシーン、昆虫学者が南米の奥地で虫を採集しており、未知の蜘蛛を発見する。同行のカメラマンが蜘蛛に襲われるが、死因が判明しないまま、死体は棺に納められ彼の故郷であるアメ…

『映画に溺れて』第185回 デイブレイカー

第185回 デイブレイカー 平成二十三年七月(2011)新橋 新橋文化 ゾンビ映画が出て来るまでは、怪物に襲われた被害者が自ら加害者の怪物に転じるのは吸血鬼映画であった。吸血鬼に血を吸われると、吸われた者も吸血鬼になる。吸血鬼は人の血を吸って…

『映画に溺れて』第184回 処女の生血

第184回 処女の生血 平成七年七月(1995)六本木 俳優座劇場 なかなか楽しいドラキュラのパロディ。ルーマニアのドラキュラ伯爵は闇に君臨する魔王ではなく、ただの哀れな吸血病患者。処女の血を吸わないと長生きできない。最初の場面では白髪を染め…

第183回 血を吸う人形 幽霊屋敷の恐怖

第183回 血を吸う人形 幽霊屋敷の恐怖 平成二年五月(1990)大井 大井武蔵野館 タイトルに「血を吸う」とあるが、吸血鬼は出てこない。 行方不明になった兄の消息を求めて、妹が兄の婚約者の屋敷を訪ねる。婚約者は交通事故ですでに死亡しており、兄…

『映画に溺れて』第182回 血を吸う薔薇

第182回 血を吸う薔薇 平成二年五月(1990)大井 大井武蔵野館 山本迪夫監督の血を吸うシリーズを三本続けて観たのが大井武蔵野館だった。『血を吸う人形 幽霊屋敷の恐怖』『血を吸う眼 呪いの館』『血を吸う薔薇』である。 このうち『血を吸う眼』と…

『映画に溺れて』第181回 ドラキュラ‘72

第181回 ドラキュラ‘72 昭和四十七年八月(1972)大阪 難波 なんばロキシー 以前、東中野のミニシアターで有名なベラ・ルゴシの『魔人ドラキュラ』を観たのだが、これが期待したほど面白くなかった。映画そのものはよくできている。ただ、私にとっ…

『映画に溺れて』第180回 ライオン・キング

第180回 ライオン・キング 令和元年八月(2019)新所沢 レッツシネパーク 一九九四年のディズニーアニメーション『ライオン・キング』が公開されたとき、手塚治虫の『ジャングル大帝』との類似が話題になった。たしかに似ている。 それはさておき、昨…

『映画に溺れて』第179回 アラジン

第179回 アラジン 令和元年六月(2019)新所沢 レッツシネパーク ディズニー映画がかつてのアニメーションを次々と有名スターで実写化している。 私の記憶では、最初は『101匹わんちゃん大行進』の実写版だったろうか。アニメ版は小学生のときで、…

『映画に溺れて』第178回 マーウェン

第178回 マーウェン 令和元年七月(2019)日比谷 TOHOシネマズシャンテ 第二次大戦中、ベルギー上空を飛行中のアメリカ軍人ホーギー大佐はナチスの砲弾によって撃ち落され、川に不時着するも、敵兵に囲まれ絶対絶命。そこへ武装した五人の美女が…

『映画に溺れて』第177回 ゴジラ キング・オブ・モンスターズ

第177回 ゴジラ キング・オブ・モンスターズ 令和元年六月(2019)新所沢 レッツシネパーク ハリウッド版のゴジラ映画は一九九八年にローランド・エメリッヒ監督の『GODZILLA』、二〇一四年にギャレス・エドワーズ監督の『GODZILLA ゴジラ』が公開さ…

『映画に溺れて』第176回 居眠り磐音

第176回 居眠り磐音 令和元年六月(2019)武蔵村山 イオンシネマ 雑誌に連載された小説が単行本として出版され、やがて文庫化される。というのが、かつての出版の流れだった。それがいきなり最初から文庫本で出る、いわゆる文庫書下ろしの時代小説。…

『映画に溺れて』第175回 僕たちのラストステージ

第175回 僕たちのラストステージ 令和元年五月(2019)舞浜 シネマイクスピアリ サイレント時代のチャップリンやキートンは何度かリバイバル上映で観る機会があったのだが、一九三〇年代のハリウッドで大人気だった極楽コンビのローレルとハーディの…

『映画に溺れて』第174回 ビリーブ 未来への大逆転

第174回 ビリーブ 未来への大逆転 平成三十一年三月(2019)青山 ギャガ試写室 アメリカ映画を観ていて、すごいと思うのは、時代色を徹底して出していること。まるでタイムマシンを使ってあの時代に戻ったように、町の風景、走る自動車、屋内のセット…