日本歴史時代作家協会 公式ブログ

歴史時代小説を書く作家、時代物イラストレーター、時代物記事を書くライター、研究者などが集う会です。Welcome to Japan Historical Writers' Association! Don't hesitate to contact us!

飯島一次

『映画に溺れて』第427回 ハスラー

第427回 ハスラー 平成二十三年十月(2011)府中 TOHOシネマズ府中 若い頃、ビリヤードに夢中になったことがある。ローテーションゲームでポケットに十五個の玉を落としていく快感。西武線の江古田駅近くに友人がいて、駅前にあったビリヤード場に彼…

『映画に溺れて』第426回 白と黒

第426回 白と黒 平成十三年六月(2001) 京橋 フィルムセンター 犯罪物、推理物の面白さは、最後に意外な犯人が用意されていて、あっと驚かされ大満足となるのだが、この映画は犯行の場面で始まる。 弁護士会の会長夫人が浮気相手の若手弁護士、浜野に痴…

『映画に溺れて』第425回 shall we ダンス?(1996)

第425回 shall we ダンス?(1996) 平成八年七月(1996)池袋 文芸坐2 リチャード・ギア主演のハリウッドリメイク版もよく出来ているが、やはりなんといってもオリジナル『shall we ダンス?』がいいのだ。 この映画のヒットで中高年層に社…

『映画に溺れて』第424回 Shall We Dance?(2004)

第424回 Shall We Dance?(2004) 平成十七年六月(2005)新宿 新宿スカラ2 リチャード・ギアはよほどシカゴの弁護士に縁があるのだろうか。『真実の行方』『シカゴ』に続いてもう一本、やはりシカゴの弁護士役があるのだ。 ただし、…

『映画に溺れて』第423回 真実の行方

第423回 真実の行方 平成九年二月(1997)池袋 文芸坐 『シカゴ』で悪徳弁護士を演じたリチャード・ギア、やはり『真実の行方』でもシカゴの弁護士役で主演している。 報酬目当てで卑劣な犯罪者の依頼を受け、無実を勝ち取る敏腕弁護士ベイル。 大司教が…

『映画に溺れて』第422回 シカゴ

第422回 シカゴ 平成十五年五月(2003)錦糸町 楽天地シネマ3 ブロードウェイのヒットミュージカルの映画化。歌って踊るレニー・ゼルウィガー、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、そしてリチャード・ギアも歌う。普段は地味な脇役のジョン・C・ライリーま…

『映画に溺れて』第421回 隣のヒットマン

第421回 隣のヒットマン 平成十三年十一月(2001)新橋 新橋文化 ブルース・ウィリスがクールな殺し屋を演じた『隣のヒットマン』は伏線の効いた緻密なコメディで、オチもよく痛快である。 歯科医のオズは底抜けのお人好しで、借金の山と悪妻ソフィに悩…

『映画に溺れて』第420回 ダイ・ハード

第420回 ダイ・ハード 平成元年三月(1989)新宿歌舞伎町 新宿プラザ 不死身でもなく特殊能力もない生身のヒーローがたまたま凶悪事件に巻き込まれ、ひとりで敵に立ち向かう『ダイ・ハード』は、なんといっても画期的だった。 ニューヨークの刑事ジョン…

『映画に溺れて』第419回 Mr.インクレディブル

第419回 Mr.インクレディブル 平成十七年一月(2005)新宿 新宿ピカデリー2 スーパーヒーロー同士が結婚し、生まれた子供たちにも特殊能力があるというのは『スカイ・ハイ』と同じ趣向だが、公開の時期はこちらの『Mr.インクレディブル』が少し早い…

『映画に溺れて』第418回 バットマン リターンズ

第418回 バットマン リターンズ 平成四年八月(1992)大阪 梅田 梅田東映パラス ティム・バートン監督の『バットマン』に続く『バットマン リターンズ』は、さらにバートン色の強い遊び心満載で、乳母車ごと捨てられた赤ん坊が川をどこまでも流れていく…

『映画に溺れて』第417回 ワンダーウーマン

第417回 ワンダーウーマン 平成二十九年七月(2017)西新橋 ワーナーブラザース試写室 マーベルがアベンジャーズを結成したのに対し、DCコミックスもまたスーパーマンやバットマンたちをジャスティスリーグで集結させた。その中の紅一点がワンダーウー…

『映画に溺れて』第416回 インクレディブル・ハルク

第416回 インクレディブル・ハルク 平成二十一年一月(2009)新橋 新橋文化 エドワード・ノートン、ウィリアム・ハート、ティム・ロス。文芸大作に主演しそうな渋い三人でマーベルコミック『超人ハルク』の映画化。 米軍が極秘で開発中のスーパーソルジ…

『映画に溺れて』第415回 スパイダーマン

第415回 スパイダーマン 平成十四年五月(2002)渋谷 渋東シネタワー2 ヒーローコミックが低予算のTVシリーズとなり、やがてスターを起用した大作映画に生まれ変わるのは、今はなきクリストファー・リーヴ主演の『スーパーマン』あたりからか。 そし…

『映画に溺れて』第414回 シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい

第414回 シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい 令和二年十二月(2020)有楽町 ヒューマントラストシネマ 十九世紀末のパリ、若き詩人エドモン・ロスタンは二年前にサラ・ベルナールのために書いた詩劇が失敗に終わり、次の仕事がなく困窮していた。 そ…

『映画に溺れて』第413回 メリーに首ったけ

第413回 メリーに首ったけ 平成十一年二月(1999)新宿歌舞伎町 新宿グランドオデヲン ここまでやるかというぐらいに悪乗りの下ネタ満載、大いなる悪ふざけではあるが、微妙なところで下品になりすぎない。というか、下品さがさほど不快に感じられない。…

『映画に溺れて』第412回 バス停留所

第412回 バス停留所 平成四年八月(1992)銀座 銀座文化 昔の映画というのは、どうしてこうも面白いのだろう。 粗暴なカウボーイのボウ・デッカーがアリゾナの都会にやって来る。ロディオの大会があるからだ。彼はそこで安酒場の女給シェリーと出会う。…

『映画に溺れて』第411回 グッバイガール

第411回 グッバイガール 平成元年六月(1989)池袋 文芸坐 ブロードウェイの巨匠でありコメディの名手でもあるニール・サイモンが、夫人のマーシャ・メイスンのために映画シナリオを書いた。監督はベテランのハーバート・ロス。『グッバイガール』はリチ…

『映画に溺れて』第410回 パリの調香師 しあわせの香りを探して

第410回 パリの調香師 しあわせの香りを探して 令和三年四月(2021)飯田橋 ギンレイホール 香水といえばパリ。縁のない私でもディオールやシャネルの名前ぐらいは知っている。そもそもフランスで香水が発達したのは、悪臭がひどかったから。それもまた…

『映画に溺れて』第409回 魔法にかけられて

第409回 魔法にかけられて 平成二十年二月(2008)有楽町 よみうりホール 型通りの古典的なディズニーアニメーションで物語が始まる。おとぎの国の森に住む乙女ジゼルは王子様との出会いを夢に見て、動物たちと歌って暮らしている。そこへ白馬の王子エド…

『映画に溺れて』第408回 プリシラ

第408回 プリシラ 平成八年一月(1996)池袋 文芸坐2 ドラッグクイーンが主人公の映画といえば、やはり真っ先に思い浮かぶがのが三人組がオーストラリアの砂漠を行く『プリシラ』である。 渋い初老の敵役テレンス・スタンプが演じる女装の麗人を目にす…

『映画に溺れて』第407回 ステージ・マザー

第407回 ステージ・マザー 令和三年三月(2021)日比谷 TOHOシネマズシャンテ コロナ禍でハリウッド大作がほとんど映画館で上映されない状況が続く。逆に、今は地味な佳作を映画館で観ることのできるチャンスかもしれない。そんな一本がカナダ映画の…

『映画に溺れて』第406回 ミッドナイトスワン

第406回 ミッドナイトスワン 令和二年十二月(2020)新宿歌舞伎町 TOHOシネマズ新宿 トロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団はニューヨークに本拠を置く舞踊団であり、男性のダンサーたちが『白鳥の湖』などクラシックの名作をユーモラスな演出でパロ…

『映画に溺れて』第405回 キンキーブーツ

第405回 キンキーブーツ 平成十九年一月(2007)飯田橋 ギンレイホール 英語のKinkyには性的変態という意味があるそうで、近畿大学は英語表記「KINIKI UNIVERSITY」を「KINDAI UNIVERSITY」に改めたとのこと。 二〇〇五年製作の映画『キンキーブーツ』は…

飯島一次さんの小説を公開しました

rekishijidai.jugem.jp

『映画に溺れて』第404回 ふるさとポルノ記 津軽シコシコ節

第404回 ふるさとポルノ記 津軽シコシコ節 昭和四十九年七月(1974)大阪 梅田 日活関西支社試写室 初めて映画会社の試写室で試写を観たのは、大阪の梅田にある日活関西支社だった。映画関係の仕事をしていたわけではない。当時、私はまだ大学一年で、「…

『映画に溺れて』第403回 1917 命をかけた伝令

第403回 1917 命をかけた伝令 令和二年十月(2020) 飯田橋 ギンレイホール 戦場で起きた午後から翌朝までの出来事を二時間足らずで描いて、しかもワンカット。いったいどうやって撮影したのだろう。まるで魔法ではないか。 いい映画の条件はいろい…

『映画に溺れて』第402回 まぼろしの市街戦

第402回 まぼろしの市街戦 昭和五十三年四月(1978) 大阪 中之島 SABホール 『マラー/サド』と二本立てで観たのが『まぼろしの市街戦』だった。どちらも精神病院が題材になっている。こんな組み合わせを考える上映会の主催者、よほどの映画好きなの…

『映画に溺れて』第401回 マルキ・ド・サドの演出のもとにシャラントン精神病院患者たちによって演じられたジャン=ポール・マラーの迫害と暗殺

第401回 マルキ・ド・サドの演出のもとにシャラントン精神病院患者たちによって演じられたジャン=ポール・マラーの迫害と暗殺 昭和五十三年四月(1978)大阪 中之島 SABホール 長いタイトルの映画は『博士の異常な愛情』やウディ・アレンの『SEX…

『映画に溺れて』第400回 スタア誕生(1954)

第400回 スタア誕生(1954) 平成九年一月(1997)国立 国立市公民館 ウィリアム・A・ウェルマン監督、ジャネット・ゲイナー主演の一九三七年『スタア誕生』は、その後繰り返しリメイクされている。最初のリメイクは一九五四年、ジュディ・ガーラン…

『映画に溺れて』第399回 殺人狂時代(1947)

第399回 殺人狂時代(1947) 平成二十五年十月(2013)新橋 新橋文化 山高帽にチョビ髭、竹のステッキという独特の放浪紳士スタイルを捨て、チャップリンが戦後、最初に作った映画が『殺人狂時代』である。自作自演で演じるのはフランスに実在した犯…