日本歴史時代作家協会 公式ブログ

歴史時代小説を書く作家、時代物イラストレーター、時代物記事を書くライター、研究者などが集う会です。Welcome to Japan Historical Writers' Association! Don't hesitate to contact us!

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

書評『絵ことば又兵衛』

『絵ことば又兵衛』著者 谷津矢車発売 文藝春秋発行年月日 2020 年9 月30 日定価 ¥1750E 絵ことば又兵衛 (文春e-book) 作者:谷津 矢車 発売日: 2020/09/30 メディア: Kindle版 2013年『洛中洛外画狂伝 狩野永徳』でデビューした谷津矢車の最…

『映画に溺れて』第396回 ナイトメア・ビフォア・クリスマス

第396回 ナイトメア・ビフォア・クリスマス 平成六年十二月(1994)日比谷 日比谷映画 ティム・バートン原案、ストップモーションアニメの名作だが、子供向きというよりは大人が楽しめる内容になっている。 祝日の森の中にあるハロウィンタウン。不気味…

大河ドラマウォッチ「麒麟がくる」 第二十九回 摂津晴門の計略

永禄十二年(1569年)。将軍足利義昭(遠藤賢一)の御座所、二条城の築城が、着々と進んでいました。織田信長(染谷将太)は、近隣の国々から、人や物をかき集めた。京のめぼしい屋敷や、寺社からも庭石や、調度品などを差し出させ、みずから陣頭に立ち工事…

『映画に溺れて』第395回 モンテーニュ通りのカフェ

第395回 モンテーニュ通りのカフェ 平成二十一年五月(2009)飯田橋 ギンレイホール パリの賑やかな大通りの喫茶店で、ささやかながらもゆったりとすごす時間。そんな贅沢な気分が味わえる映画である。 田舎からパリに出てきた若い女性ジェシカがモンテ…

会員・喜安幸夫さんの新刊です。 読者の皆様よろしくお願い致します! 中国崩壊 (ヴィクトリー・ノベルス) 作者:喜安 幸夫 発売日: 2020/10/17 メディア: 新書

『映画に溺れて』第394回 メルシィ!人生

第394回 メルシィ!人生 平成十五年三月(2003)飯田橋 ギンレイホール シリアスからコメディ、恋愛ものから犯罪アクションまでなんでもこなす芸達者ダニエル・オートゥイユ主演の『メルシィ!人生』、大好きな一本である。 大手避妊具メーカーの経理部…

大河ドラマウォッチ「麒麟がくる」 第二十八回 新しき幕府

永禄十一年(1568年)。九月。足利義昭(滝藤賢一)が、織田信長(染谷将太)と共に、ついに上洛を果たしました。 京を支配していた三好勢は、織田軍の勢いに押され、摂津や大和などの国々へ退却しました。三好勢が頼りにしていた十四代将軍足利義栄は、摂津で病…

合評会のお知らせ

■この度日本歴史時代作家協会では、ホームページに掲載された短編小説についての「zoom合評会」を開催することとなりました。会員の皆様、奮って参加をよろしくお願い致します。 ■日時とzoomでの参加方法については後日、事務局よりメールにて連絡申し上げま…

『映画に溺れて』第393回 流れ者

第393回 流れ者 昭和四十九年八月(1974)大阪 中之島 フェスティバルホール 泡抜きのビールを好む男が主人公の『流れ者』、クロード・ルルーシュ監督、主演がジャン=ルイ・トランティニャン、おしゃれな犯罪映画である。 いきなりミュージカルの場面で…

明治一五一年 第17回

明治一五一年 第17回 いくつかの記録の狭間に落ちていく 人の声を拾いながら 慶応三年の陸奥の背の すでに一五一年の影たち が燃える静かな刻限が近づき 明治二八年の大陸への貧しき傷の 北上する足と南下する足の吃音 の重なりは届かぬ野だと 明治三八年の…

大河ドラマウォッチ「麒麟がくる」 第二十七回 宗久の約束

永禄十一年(1568年)。七月。足利義昭(よしあき)(滝藤賢一)の一行は、美濃の立政寺に到着しました。その中には明智光秀十兵衛(長谷川博己)の姿もあります。織田信長(染谷将太)は、ひれ伏して義昭の到着を待っていました。足利義昭は、信長の前に回…

『映画に溺れて』第392回 男と女 人生最良の日々

第392回 男と女 人生最良の日々 令和二年八月(2020)飯田橋 ギンレイホール レーサーのジャン・ルイは妻が自殺。映画撮影所の記録係アンヌは夫が事故死。ふたりはそれぞれ幼い子供を同じ寄宿舎に預けていて、それがきっかけで親しくなり、やがて愛し合…

大河ドラマウォッチ「麒麟がくる」 第二十六回 三淵の奸計(かんけい)

永禄十年(1567年)。越前の大大名、朝倉義景(ユースケ・サンタマリア)がついに上洛を決意しました。 一方、京は依然として、三好長慶の一族が支配し続けていました。その三好勢が担いだ四国阿波の足利義栄(よしひで)が、急遽十四第将軍つきました。とこ…

第9回日本歴史時代作家協会賞 選評

第9回日本歴史時代作家協会賞 選評 三田誠広(審査委員長) ・作品賞 ・新人賞 ・文庫書下ろし賞 菊池 仁(選考委員) ・新人賞 ・文庫書き下ろし新人賞 ・作品賞 ・文庫書き下ろしシリーズ賞 ・功労賞 ・慰労賞 雨宮由希夫(選考委員) ・文庫書き下ろし新…

書評『父のおともで文楽へ』

書 名 『父のおともで文楽へ』著 者 伊多波碧発行所 小学館発行年月日 2020年9月13日定 価 ¥700E 父のおともで文楽へ (小学館文庫) 作者:碧, 伊多波 発売日: 2020/09/08 メディア: 文庫 短編連作5話をまとめた文庫書下ろしである。本の帯に「心にポツンと…