日本歴史時代作家協会 公式ブログ

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2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

大河ドラマウォッチ「麒麟がくる」 第三十四回 焼討ちの代償

元亀二年(1571年)九月。織田信長(染谷将太)は、比叡山延暦寺を攻め、僧侶やそこで暮らす人々を、男女の区別なくことごとく殺戮しました。明智光秀十兵衛(長谷川博己)は、比叡山の事実上の主(あるじ)である覚恕(春風亭小朝)を取り逃がしたことを知…

『映画に溺れて』第401回 マルキ・ド・サドの演出のもとにシャラントン精神病院患者たちによって演じられたジャン=ポール・マラーの迫害と暗殺

第401回 マルキ・ド・サドの演出のもとにシャラントン精神病院患者たちによって演じられたジャン=ポール・マラーの迫害と暗殺 昭和五十三年四月(1978)大阪 中之島 SABホール 長いタイトルの映画は『博士の異常な愛情』やウディ・アレンの『SEX…

尊王攘夷と洋式兵学展

『尊王攘夷と洋式兵学展』開催のお知らせ 「展示物はすべて15年以上にわたって洋式兵学の研究をしていた個人の所有物です。 基本、一般向けに公開される事はない物になります」……との事です。詳細は画像参照のこと。 開催場所:深谷駅市民ギャラリー2 日時…

大河ドラマウォッチ「麒麟がくる」 第三十三回 比叡山に棲(す)む魔物

元亀元年(1570年)十一月。朝倉義景(ユースケ・サンタマリア)と浅井長政は、信長を討つために延暦寺の助けを得て、比叡山に陣を敷きました。さらに西には三好の一党と本願寺。南には六角と一向宗に囲まれ、信長は孤立し、窮地に立たされていました。 織田…

『映画に溺れて』第400回 スタア誕生(1954)

第400回 スタア誕生(1954) 平成九年一月(1997)国立 国立市公民館 ウィリアム・A・ウェルマン監督、ジャネット・ゲイナー主演の一九三七年『スタア誕生』は、その後繰り返しリメイクされている。最初のリメイクは一九五四年、ジュディ・ガーラン…

『映画に溺れて』第399回 殺人狂時代(1947)

第399回 殺人狂時代(1947) 平成二十五年十月(2013)新橋 新橋文化 山高帽にチョビ髭、竹のステッキという独特の放浪紳士スタイルを捨て、チャップリンが戦後、最初に作った映画が『殺人狂時代』である。自作自演で演じるのはフランスに実在した犯…

大河ドラマウォッチ「麒麟がくる」 第三十二回 反撃の二百挺

元亀元年(1570年)四月。織田信長(染谷将太)率いる軍勢は、越前、金ケ崎から京へ逃げ帰りました。信長の敗北でした。 二条城の将軍足利義昭(滝藤賢一)のもとへ、明智光秀十兵衛(長谷川博己)は呼び出されます。信長に会う前に話を聞いておきたいという…

『映画に溺れて』第398回 殺人狂時代(1967)

第398回 殺人狂時代(1967) 平成二年十二月(1990)池袋 文芸坐2 池袋文芸坐2での岡本喜八特集では、ずいぶんといろんな喜八映画を堪能したが、『ああ爆弾』と並んで忘れられないのが仲代達矢主演の『殺人狂時代』で、これもまた客席は爆笑の渦で…

大河ドラマウォッチ「麒麟がくる」 第三十一回 逃げよ信長

永禄十三年(1570年)四月。織田信長(染谷将太)は、諸国の兵を従え、朝倉義景の待ち受ける越前を目指しました。信長の呼びかけに応じて、三河の徳川家康(風間俊介)、摂津の池田勝正、大和の松永久秀(吉田鋼太郎)などが集結し、琵琶湖の西岸を北上し、…

明治一五一年 第18回

明治一五一年 第18回 夕日の裏側をすり抜けていく幾つもの囁きにちいさく縮まっていく足の裏側の痛い感触は静かに海面を渡り佇む賑やかな午後の浜辺へ嘉永六年の夕暮れ時の静まり返る三号台場の江戸湾の入り江に進む亜米利加艦隊の船尾の裂きいく空気の方位…

『映画に溺れて』第397回 ああ爆弾

第397回 ああ爆弾 平成二年十二月(1990)池袋 文芸坐2 新文芸坐に建て替わる以前の池袋の文芸坐には、実に足繁く通ったものである。当時は三館あって、主に洋画の話題作二本立てが一階の文芸坐、古い日本映画などの特集上映が地下の文芸地下、そして演…

大河ドラマウォッチ「麒麟がくる」 第三十回 朝倉義景を討て

永禄十二年(1569年)、夏。明智光秀十兵衛(長谷川博己)は京の二条城から、美濃に出発しようとしていました。木下藤吉郎(のちの秀吉)(佐々木蔵之介)見送りにやってきます。木下は探りを入れるようにいいます。 「こたびは岐阜城に、松永久秀(吉田鋼太…