天堂晋助
長沼宗政(清水伸)が三浦義村(山本耕史)に話しています。 「みんなやる気になっている。勝つかもしれないな」 三浦がいいます。 「分からんぞ。今は盛り上がっているが、本気で上皇様と、戦うつもりがあるのか」 二人は侍たちが話すのを聞きます。守りを固め…
廊下を渡る北条義時(よしとき)(小栗旬)に、御家人の一人である長沼宗政(むねまさ)(清水伸)が話しかけてきます。最近火事が多い、尼将軍の名前で炊き出しをしたらどうか。義時は怒鳴ります。 「そんなことまで私を頼るな」 それを見ていた三浦義村がいいます…
義時(よしとき)(小栗旬)の妹でもある実衣(みい)(宮澤エマ)は、息子の阿野時元(ときもと)(森優作)を、次の鎌倉殿にしようと画策します。戯言(ざれごと)と称(しょう)し、まずは三善康信(小林隆)に相談します。三善は、朝廷が任じたという証(あかし)である「宣…
健保(けんぽう)七年一月二十七日。 夕方から降り続けた雪は、強さを増していました。 警護の詰め所にいる三浦義村(山本耕史)の肩を、北条義時(小栗旬)が叩きます。三浦は驚きます。 「どうしてここにいる」 「外されてしまった」 と、義時は答えます。源仲章…
髪の伸びた公暁(こうぎょう)(寛一郎)がいいます。 「明日(みょうにち)、実朝(さねとも)を討つ。右大臣の拝賀式(はいがしき)。実朝が八幡宮で拝礼(はいれい)を終えた帰りを襲う」 三浦義村(山本耕史)がいいます。 「鎌倉殿の首を討てば謀反人。御家人たちの心…
京から、頼家(よりいえ)の残した子、公暁(こうぎょう)(寛一郎)が鎌倉に戻ってきています。三浦義村(山本耕史)が公暁にいいます。 「明日は御所(ごしょ)におもむいて、鎌倉殿(かまくらどの)と尼御台(あまみだい)にご挨拶を」 「例の件はどうなっておる」 と、…
鎌倉殿である源実朝(みなもとのさねとも)(柿澤勇人)は、北条義時(よしとき)(小栗旬)の息子である北条泰樹(やすとき)(坂口健太郎)に宣言します。 「父上がつくられた、この鎌倉を、源氏の手に取り戻す」 泰時が確かめます。 「北条から取り戻すということです…
和田義盛(よしもり)(横田栄司)が館に帰ってみると、一族の者たちが皆、武装しています。すでに第一陣は、大江広元の館を襲っているとのことでした。和田はうめくようにいいます。 「鎌倉殿に約束をしたのだ。決して、いくさは起こさぬと」 息子の一人がいい…
京の後鳥羽上皇(尾上松也)は、内裏(だいり)の修復を、鎌倉にやらせることを思いつきます。 和田義盛(横田栄司)の館(やかた)に御家人たちが集まっています。自分たちが内裏を修復することが不満なのです。和田は皆にいいます。 「上皇様が鎌倉殿にお命じにな…
時政が鎌倉を追われたあと、天然痘を患(わずら)っていた源実朝(さねとも)(柿澤勇人)が、政務に復帰します。 「ご心配をおかけしました」 と、実朝は北条義時(よしとき)(小栗旬)と政子(小池栄子)にいいます。 「もう大丈夫なのですか」 と、政子…
北条時政(坂東彌十郎)が、源実朝(さねとも)(柿澤勇人)にいいます。 「鎌倉殿(実朝)の起請文(きしょうもん)がねえと、じいは死ななくちゃならねえんです」 和田義盛(横田栄司)が、無理矢理、二人のいる部屋に入っていきます。刀を抜いている時政…
書庫で、義時(小栗旬)たちが、訴訟について話し合っていました。そこへ北条時政(坂東彌十郎)がやって来ます。 「なぜわしを評議に呼ばん」 義時が答えます。 「私が呼ばなくて良いと申しました」 「訴訟は鎌倉殿に代わって、執権(しっけん)のわしが裁…
三浦義村(山本耕史)が、北条時政(坂東彌十郎)にいいます。たい 「畠山追討の、御下文(おんくだしぶみ)、拝見しました」 時政はうなずきます。 「これよりすべての御家人に送る」 「驚きました。なにゆえ畠山が鎌倉殿に反旗を」 「よう分からん。しかし…
鎌倉殿である源実朝(さねとも)(柿澤勇人)は、北条政子(小池栄子)がこっそりと置いておくように命じた、和歌の写しを見つけます。実朝は母の政子に会いに行きます。実朝が一番好きだといった歌は、父の頼朝(よりとも)が書いたものでした。政子は実朝…
北条泰時(坂口健太郎)は、父の義時(小栗旬)から、小さな観音像を渡されます。それは頼朝が髪の毛の中に入れて、大事に持っていたものでした。北条政子から形見分けとして、義時に与えられたものです。 「私は、あのお方(頼朝)の、お子とお孫を殺(あや…
頼家の弟であり、「千幡」の呼び名であった実朝(さねとも)(嶺岸煌桜)が、北条政子(小池栄子)に、髑髏(どくろ)を見せられます。 「頼朝様は挙兵の折、この髑髏に誓われました。この命、おぬしにかけようと。すべてはこの髑髏から始まったのです。これ…
北条一門が集まって、頼家(金子大地)について話しています。大江広元(栗原英雄)が報告します。 「恐ろしいばかりのご回復ぶり。まさに神仏のご加護だと、医者は申しておりました」 家長の北条時政(坂東彌十郎)が思わずいいます。 「医者の野郎、余計な…
比企能員(佐藤二朗)、北条時政(坂東彌十郎)らが、源頼家の容体について聞きます。息はしているのか 「頼朝様の時と同じです」 と、大江広元(栗原英雄)が答えます。 書庫で比企能員が話します。 「一幡(いちまん)様に鎌倉殿になっていただくためには…
蹴鞠を教えていた平知康(矢柴俊博)は、お役御免となり、京に戻ることになります。義時(小栗旬)の異母弟である北条時連(瀬戸康司)は、最後の授業を受けていたとき、縁の下にある人形(ひとがた)を見つけるのでした。 頼家(金子大地)は人形を握ってい…
源頼家(金子大地)や宿老たちの前に、首桶(おけ)が並べられます。阿野全成(新納慎也)が経を唱えていきます。 館に帰った義時(小栗旬)は、妻の比奈(堀田真由)に話します。 「梶原殿がいなくなり、この先は、否が応でも北条と比企はぶつかることにな…
十三人の宿老たちが、訴訟についての評議をします。この結果を鎌倉殿(源頼家)に取り次ぐのです。常陸(ひたち)の御家人、大谷太郎と、その弟次郎の土地争いについて話し合われていました。太郎は、父親から受け継いだ所領の一部を、次郎が欲しがるのは不…
建久十年(1199)一月。後鳥羽上皇(尾上松也)は、頼朝の死について推理を巡らせていました。殺されたのか。いや、今、頼朝が死んで、得をする者は鎌倉にいない。だとしたら事故か、隠さねばならないような。武家の棟梁である、頼朝にあるまじきこと。馬か…
頼朝(大泉洋)は伏したまま、目覚める様子はありません。しかし、うっすらと汗をかいており、まだ死んだわけではないことを示しています。 嫡男の源頼家(金子大地)はまだ帰って来ません。 義時(小栗旬)は密かに比企能員(佐藤二朗)を呼び出し、頼朝が…
頼朝(大泉洋)は夢を見ていました。お経が聞こえるので行ってみると、遺体を囲んで、政子をはじめとする北条の者たちが座っていました。そして遺体は、頼朝自身だったのです。 建久九年十二月二十七日。頼朝に死が迫っていました。 頼朝は弟で僧侶である阿…
頼朝が巻狩りから、鎌倉に帰ってきます。 源範頼(迫田孝也)は、安達盛長(野添義弘)と話します。 「うかつでございました」安達盛長は柱に寄りかかります。「まさか生きておられたとは」 愕然として、範頼がいいます。 「私が鎌倉殿の座を狙ったと疑われ…
巻狩りの仕切りを任された、父の北条時政(坂東彌十郎)のもとを、義時(小栗旬)が訪ねます。 「父上、私に隠していることはございませんか」 と、外を見ながら義時は聞きます。 「何の話だ」 と、時政は応じます。義時は声をひそめます。 「曽我の兄弟。梶…
妻の八重の死を知り、義時(小栗旬)はつぶやきます。 「天罰だ」 三浦義村(山本耕史)がいいます。 「そんなふうに考えるな」 夜、義時は、息子の金剛にいいます。 「父が、お前を育て上げてみせる」 子どもたちが多く暮らす義時の館に、頼朝(大泉洋)が…
義時(小栗旬)は、夕暮れの鎌倉の街を見ていました。そこへ土肥実平(阿南健治)がやって来ます。 「どうした」 と、聞く土肥に 「九郎殿のことを、考えておりました」 と、義時は打ち明けます。 「わしもじゃ。平家とのいくさの間、ずっと共にいたもんでな…
文治三年(1187)。義経は、平泉にたどり着いていました。藤原秀衡(ふじわらのひでひら)(田中泯)が義経(菅田将暉)にいいます。 「よう戻って来たな。それにしても、悔やまれる。お前を送り出したとき、もし、わしが兵を挙げておれば。天下を目指すには…
頼朝(大泉洋)から鎌倉入りを拒否された義経(菅田将暉)は、京に戻っていました。義経は妻の里(三浦透子)を相手に酒を飲みます。里は自分まで帰れないことに文句をいいます。 「離縁して下さい」と、里はいいます。「あの静(しずか)(石橋静香)という…