2020-01-01から1年間の記事一覧
書 名 『浄土双六』 著 者 奥山景布子発 売 文藝春秋社発行年月日 2020年11月20日定 価 本体1600円(税別) 浄土双六 (文春e-book) 作者:奥山 景布子 発売日: 2020/11/20 メディア: Kindle版 戦前の皇国史観ゆえであろうか、戦後となっても、室…
天正二年(1574年)、三月。明智光秀十兵衛(長谷川博己)は、みずからの城、坂本城に三淵藤英(谷原章介)を保護していました。そこへ信長の文(ふみ)持った使者がやってくるのです。 「一両日中に、成敗がなされるよう、しかと見届けて参れと仰せつかりま…
元亀四年(1573年)、三月。将軍足利義昭(滝藤賢一)は、織田信長(染谷将太)に対し、討伐の兵を挙げます。義昭の井を汲(く)んだ、甲斐の武田信玄は、三方原で徳川、織田の連合軍を打ち破り、三河に侵攻していました。しかし武田軍は突如、兵を引き返し…
元亀三年(1572年)、冬。明智光秀十兵衛(長谷川博己)は、三条西実澄(石橋蓮司)の用人として、内裏に向かいました。光秀では廊下の途中で待たされます。光秀の耳に、花や春風について詠んだ歌が聞こえてきます。 実澄(さねずみ)は帝(みかど)に拝謁し…
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第404回 ふるさとポルノ記 津軽シコシコ節 昭和四十九年七月(1974)大阪 梅田 日活関西支社試写室 初めて映画会社の試写室で試写を観たのは、大阪の梅田にある日活関西支社だった。映画関係の仕事をしていたわけではない。当時、私はまだ大学一年で、「…
元亀二年(1571年)、秋。比叡山の戦いで、一番手柄をあげた明智光秀十兵衛(長谷川博己)は、信長から、近江の国、滋賀の地を与えられ、琵琶湖のほとり、坂本に、新たな城を建てようとしていました。 光秀は京の館で、その城の造りについて考えていました。…
明治一五一年 第19回 いくつかの目の内側を すり抜ける私たちだから 小さな傷口が増えていく日日 の残景が過ぎていき どろどろに流れてく体の 感触が一五一年を伝う いつの私たちだった 壊れてしまった人の時間 かと聞きなれた声たちが流れ 荒れ果てたまま北…
第403回 1917 命をかけた伝令 令和二年十月(2020) 飯田橋 ギンレイホール 戦場で起きた午後から翌朝までの出来事を二時間足らずで描いて、しかもワンカット。いったいどうやって撮影したのだろう。まるで魔法ではないか。 いい映画の条件はいろい…
第402回 まぼろしの市街戦 昭和五十三年四月(1978) 大阪 中之島 SABホール 『マラー/サド』と二本立てで観たのが『まぼろしの市街戦』だった。どちらも精神病院が題材になっている。こんな組み合わせを考える上映会の主催者、よほどの映画好きなの…
元亀二年(1571年)九月。織田信長(染谷将太)は、比叡山延暦寺を攻め、僧侶やそこで暮らす人々を、男女の区別なくことごとく殺戮しました。明智光秀十兵衛(長谷川博己)は、比叡山の事実上の主(あるじ)である覚恕(春風亭小朝)を取り逃がしたことを知…
第401回 マルキ・ド・サドの演出のもとにシャラントン精神病院患者たちによって演じられたジャン=ポール・マラーの迫害と暗殺 昭和五十三年四月(1978)大阪 中之島 SABホール 長いタイトルの映画は『博士の異常な愛情』やウディ・アレンの『SEX…
『尊王攘夷と洋式兵学展』開催のお知らせ 「展示物はすべて15年以上にわたって洋式兵学の研究をしていた個人の所有物です。 基本、一般向けに公開される事はない物になります」……との事です。詳細は画像参照のこと。 開催場所:深谷駅市民ギャラリー2 日時…
元亀元年(1570年)十一月。朝倉義景(ユースケ・サンタマリア)と浅井長政は、信長を討つために延暦寺の助けを得て、比叡山に陣を敷きました。さらに西には三好の一党と本願寺。南には六角と一向宗に囲まれ、信長は孤立し、窮地に立たされていました。 織田…
第400回 スタア誕生(1954) 平成九年一月(1997)国立 国立市公民館 ウィリアム・A・ウェルマン監督、ジャネット・ゲイナー主演の一九三七年『スタア誕生』は、その後繰り返しリメイクされている。最初のリメイクは一九五四年、ジュディ・ガーラン…
第399回 殺人狂時代(1947) 平成二十五年十月(2013)新橋 新橋文化 山高帽にチョビ髭、竹のステッキという独特の放浪紳士スタイルを捨て、チャップリンが戦後、最初に作った映画が『殺人狂時代』である。自作自演で演じるのはフランスに実在した犯…
元亀元年(1570年)四月。織田信長(染谷将太)率いる軍勢は、越前、金ケ崎から京へ逃げ帰りました。信長の敗北でした。 二条城の将軍足利義昭(滝藤賢一)のもとへ、明智光秀十兵衛(長谷川博己)は呼び出されます。信長に会う前に話を聞いておきたいという…
第398回 殺人狂時代(1967) 平成二年十二月(1990)池袋 文芸坐2 池袋文芸坐2での岡本喜八特集では、ずいぶんといろんな喜八映画を堪能したが、『ああ爆弾』と並んで忘れられないのが仲代達矢主演の『殺人狂時代』で、これもまた客席は爆笑の渦で…
永禄十三年(1570年)四月。織田信長(染谷将太)は、諸国の兵を従え、朝倉義景の待ち受ける越前を目指しました。信長の呼びかけに応じて、三河の徳川家康(風間俊介)、摂津の池田勝正、大和の松永久秀(吉田鋼太郎)などが集結し、琵琶湖の西岸を北上し、…
明治一五一年 第18回 夕日の裏側をすり抜けていく幾つもの囁きにちいさく縮まっていく足の裏側の痛い感触は静かに海面を渡り佇む賑やかな午後の浜辺へ嘉永六年の夕暮れ時の静まり返る三号台場の江戸湾の入り江に進む亜米利加艦隊の船尾の裂きいく空気の方位…
第397回 ああ爆弾 平成二年十二月(1990)池袋 文芸坐2 新文芸坐に建て替わる以前の池袋の文芸坐には、実に足繁く通ったものである。当時は三館あって、主に洋画の話題作二本立てが一階の文芸坐、古い日本映画などの特集上映が地下の文芸地下、そして演…
永禄十二年(1569年)、夏。明智光秀十兵衛(長谷川博己)は京の二条城から、美濃に出発しようとしていました。木下藤吉郎(のちの秀吉)(佐々木蔵之介)見送りにやってきます。木下は探りを入れるようにいいます。 「こたびは岐阜城に、松永久秀(吉田鋼太…
『絵ことば又兵衛』著者 谷津矢車発売 文藝春秋発行年月日 2020 年9 月30 日定価 ¥1750E 絵ことば又兵衛 (文春e-book) 作者:谷津 矢車 発売日: 2020/09/30 メディア: Kindle版 2013年『洛中洛外画狂伝 狩野永徳』でデビューした谷津矢車の最…
第396回 ナイトメア・ビフォア・クリスマス 平成六年十二月(1994)日比谷 日比谷映画 ティム・バートン原案、ストップモーションアニメの名作だが、子供向きというよりは大人が楽しめる内容になっている。 祝日の森の中にあるハロウィンタウン。不気味…
永禄十二年(1569年)。将軍足利義昭(遠藤賢一)の御座所、二条城の築城が、着々と進んでいました。織田信長(染谷将太)は、近隣の国々から、人や物をかき集めた。京のめぼしい屋敷や、寺社からも庭石や、調度品などを差し出させ、みずから陣頭に立ち工事…
第395回 モンテーニュ通りのカフェ 平成二十一年五月(2009)飯田橋 ギンレイホール パリの賑やかな大通りの喫茶店で、ささやかながらもゆったりとすごす時間。そんな贅沢な気分が味わえる映画である。 田舎からパリに出てきた若い女性ジェシカがモンテ…
会員・喜安幸夫さんの新刊です。 読者の皆様よろしくお願い致します! 中国崩壊 (ヴィクトリー・ノベルス) 作者:喜安 幸夫 発売日: 2020/10/17 メディア: 新書
第394回 メルシィ!人生 平成十五年三月(2003)飯田橋 ギンレイホール シリアスからコメディ、恋愛ものから犯罪アクションまでなんでもこなす芸達者ダニエル・オートゥイユ主演の『メルシィ!人生』、大好きな一本である。 大手避妊具メーカーの経理部…
永禄十一年(1568年)。九月。足利義昭(滝藤賢一)が、織田信長(染谷将太)と共に、ついに上洛を果たしました。 京を支配していた三好勢は、織田軍の勢いに押され、摂津や大和などの国々へ退却しました。三好勢が頼りにしていた十四代将軍足利義栄は、摂津で病…
■この度日本歴史時代作家協会では、ホームページに掲載された短編小説についての「zoom合評会」を開催することとなりました。会員の皆様、奮って参加をよろしくお願い致します。 ■日時とzoomでの参加方法については後日、事務局よりメールにて連絡申し上げま…