日本歴史時代作家協会 公式ブログ

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2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第32回 栄一、銀行を作る

渋沢栄一(吉沢亮)は、銀行という仕組みを民間に根付かせるため、三年半勤めた政府を、辞める決意を固めました。 同時期に井上馨も政府を辞職します。 政府を去ろうとする栄一を引き止めようと、三条実実(金井勇太)らはいいます。 「おぬしは、おぬしのそ…

『映画に溺れて』第454回 エバー・アフター

第454回 エバー・アフター 平成十一年七月(1999)飯田橋 ギンレイホール 十九世紀、グリム兄弟が貴婦人の元へ呼ばれると、彼女はガラスの靴を見せ、例の「灰かぶり」の物語は本当にあった話だと語る。 十六世紀前半のフランス。実際にはヴァロア朝だが…

会員・亀和夫さんからの連絡です。メール内容は多少編集して掲載しております。 また、添付pdfはブログ内に張り付けられませんでした。そのかわりにリンク先をご覧ください。 ------- 添付のチラシの舞台をします。ご案内が遅くなり、すいません。「マリアの…

『映画に溺れて』第453回 ロック・ユー!

第453回 ロック・ユー! 平成十四年三月(2002)新橋 新橋文化 ヒース・レジャー主演の中世騎士物語。詩人のチョーサーやエドワード黒太子が登場するので、十四世紀のヨーロッパが背景である。 ウィリアムはイングランドの庶民出身で、騎士エクター卿の…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第31回 栄一、最後の変身

栄一(吉沢亮)の父である、市郎右衛門が亡くなってから初七日が過ぎ、栄一の妹の、てい(藤野涼子)、と夫婦(めおと)になる須永才三郎が中の家(なかんち)にあいさつにやって来ました。才三郎は皆にあいさつします。 「お父上より、渋沢市郎を名乗るよう…

『映画に溺れて』第452回 グッドナイト&グッドラック

第452回 グッドナイト&グッドラック 平成十八年十月(2006)新橋 新橋文化 一九五〇年代、ジョセフ・マッカーシー上院議員による赤狩りは最初、多くのアメリカ国民の支持を得る。背景には冷戦状態にあるソビエト連邦の脅威があった。マッカーシーによる…

書評『橋場の渡し 名残りの飯』

書名『橋場の渡し 名残りの飯』 著者 伊多波 碧発売 光文社発行年月日 2021年9月20日定価 ¥680E 橋場の渡し (光文社文庫) 作者:伊多波碧 光文社 Amazon 4つの短編連作の「市井人情もの」時代小説集。 伊多波碧(いたばみどり)は1972年 新潟県生ま…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第30回 渋沢栄一の父

西郷隆盛(博多華丸)を東京に連れ戻すために、岩倉具視(山内圭哉)は鹿児島に向かいました。鹿児島城で島津久光(池田成志)に対面し、「要(かなめ)の者」を差し出すようにと申し入れます。 求心力を失っていた政府にとって、軍を束ねる西郷は、頼みの綱…

『映画に溺れて』第451回 偽りの隣人 ある諜報員の告白

第451回 偽りの隣人 ある諜報員の告白 令和三年八月(2021) 新橋 TCC試写室 これはふたりの男の友情の物語である。 ユ・デグォンは正義感の強い愛国者であり、国家安全政策部の諜報員として活動している。 イ・ウィシクは現政権に批判的な民主化運動…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第29回 栄一、改正する

渋谷栄一(吉沢亮)は大隈重信(大蔵孝二)に「改正掛(かいせいがかり)」を提案します。今、すでにある部署とは別に、大蔵省や外務省などの垣根を越え、広く日本に必要な物事を考え、決定事項を即実行できるようにしたい、と栄一は説明します。静岡藩から、さら…

『映画に溺れて』第450回 アナザーラウンド

第450回 アナザーラウンド 令和三年九月(2021)新宿 新宿武蔵野館 酒好きにとっては酒は百薬の長である。が、下戸にとっては百害あって一利なし、命を削る鉋とも言われる。なにごともほどほどがいいのだが、一線を越えると後戻りできなくなり、一気に破…