日本歴史時代作家協会 公式ブログ

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頼迅一郎

新書専門書ブックレビュー8

『戦況図解 信長戦記』(小和田哲雄監修、サンエイ新書) 戦況図解 信長戦記 (サンエイ新書) 作者: 小和田哲男 出版社/メーカー: 三栄書房 発売日: 2019/07/12 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 来年のNHK大河ドラマの主人公は、明智光秀だそうで…

新書専門書ブックレビュー7

新書専門書ブックレビュー7 『「ひとり」の哲学』(山折哲雄、新潮選書) 「ひとり」の哲学 (新潮選書) 作者: 山折哲雄 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2016/10/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 本年9月15日に総務省が発表した「統…

頼迅庵の新書専門書ブックレビュー6

◯ ブックレビュー6 『ハーバードの日本人論』(佐藤智恵、中公新書ラクレ) ハーバードの日本人論 (中公新書ラクレ 658) 作者: 佐藤智恵 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2019/06/06 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る ハーバード大学は、ア…

頼迅庵の歴史エッセイ14

14 柳生久通のキャリア(8)【補遺】 前回で「江戸の北町奉行柳生主膳正久通について」は、終わりますと宣言しましたが、一つだけ忘れていたものがあります。それは長谷川平蔵宣以との比較です。そのため、補遺として追加したいと思います。ちなみに、あく…

新書専門書ブックレビュー5

『海賊の日本史』(山内譲、講談社現代新書) 海賊の日本史 (講談社現代新書) 作者: 山内譲 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/06/21 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 昔、「日本では海洋小説は好まれない」という趣旨の文章を読んだ記憶があ…

頼迅庵の歴史エッセイ13

13 柳生久通のキャリア(7) 本歴史エッセイ(3)で、近世の三大改革の推進者から改革と同時に町奉行に登用(抜擢)された三人を比較しました。そのとき、大岡忠相のみ十九年の長きに渡って町奉行を務めており、実績を残したと書きました。ではなぜ忠相は実績…

頼迅庵の歴史エッセイ12

柳生久通のキャリア(6) ○ 柳生久通の勤務状況等(後編) 柳生久通の仕事ぶりが『よしの冊子』という本に出てきます。68頁では、綿密丁寧だと噂していますが、決して褒めているわけではなさそうです。裁許(白州での判決言い渡しだと思いますが)の際に狼狽…

頼迅庵の歴史エッセイ11

11 柳生久通のキャリア(5) ○ 柳生久通の勤務状況等(前編) 久通は天明 7 年 9 月 27 日に北町奉行に就任します。43 歳でした。天明8年9月10日に勘定奉行へ移動となるまで、およそ1年間北町奉行を務めることとなります。 この人事が左遷であったことは、4…

新書専門書ブックレビュー4

『戦乱と民衆』 戦乱と民衆 (講談社現代新書) 作者: 磯田道史,倉本一宏,フレデリック・クレインス,呉座勇一 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/08/22 メディア: 新書 この商品を含むブログ (3件) を見る 本作は2017年10月に国際日本文化研究センター(日…

頼迅庵の歴史エッセイ10柳生久通のキャリア(4)

10 柳生久通のキャリア(4) (承前) 善左衛門切腹後の佐野家はどうなったでしょうか。 父佐野伝右衛門、母かよは、須田次郎左衛門にお預けとなります。次郎左衛門は伝右衛門の実弟で須田家へ養子にいった人物です。そのため差控えとなり、当分の間春日佐太郎…

新書専門書ブックレビュー3

新書専門書ブックレビュー3 「『甲陽軍鑑』の悲劇」(浅野裕一・浅野史拡、ぷねうま舎) 『甲陽軍鑑』の悲劇: 闇に葬られた進言の兵書 作者: 浅野裕一,浅野史拡 出版社/メーカー: ぷねうま舎 発売日: 2016/07/22 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見…

頼迅庵の歴史エッセイ9

柳生久通のキャリア(3) 佐野善左衛門の田沼意知への刃傷事件の続きです。この事件は興味深いので、もうしばらくお付き合い願います。 殿中での刃傷事件が3月24日、その時の疵がもとで田沼意知が亡くなったのが26日明け方のこと。となると、善左衛門にはかな…

頼迅庵の歴史エッセイ8 柳生久通のキャリア(2)

8 柳生久通のキャリア(2) 久通は安永9年11月5日に西の丸小十人頭から西の丸目付へ異動し、11月にはそのまま本丸目付となります。一橋家の豊千代(後の徳川家斉)は、まだ後嗣と決定されていないため、西の丸に人数を置く必要がなくなったのでしょう。 一般的…

新書専門書ブックレビュー2

「戦国武将と連歌師」(綿抜豊昭、平凡社新書) 戦国武将と連歌師 (平凡社新書) 作者: 綿抜豊昭 出版社/メーカー: 平凡社 発売日: 2014/11/14 メディア: 新書 この商品を含むブログ (3件) を見る 本作は戦国武将と連歌師との関係を書いたものですが、なぜ、…

頼迅庵の歴史エッセイ7柳生久通のキャリア(1)

7 柳生久通のキャリア(1) それでは、柳生久通のキャリアはどうでしょうか。宝暦12年4月18日:将軍徳川家治に拝謁し、西の丸御書院番(御番入り)明和3年2月27日:御小納戸へ異動 4年4月22日:御小姓へ異動し、12月16日従五位下主膳正に叙任 (6年11月22日よ…

頼迅庵の歴史エッセイ6

6 柳生久通の二人の義父 『武士の人事』によれば、「柳生は、不義を働いた妻を離縁したあと、市ヶ谷の芸者を妾として屋敷に入れていた」ようです。しかし、「その妾は、寛政2年3月に死去し」「仕事熱心ではあったのだろうが、家に帰ってもさほど楽しみもなか…

頼迅庵の歴史エッセイ5

5 柳生久通の前妻と後妻 『寛政重修諸家譜』(以下『家譜』と略します。)によれば、久通の妻は二人います。一人が安部式部信満の女。そして後妻が新庄能登守直宥(なおすみ)の女です。この場合の女は「むすめ」と読むようです。 安部式部の……。あれ、どこ…

新書専門書ブックレビュー1

「火付盗賊改」(高橋義夫、中公新書) 火付盗賊改-鬼と呼ばれた江戸の「特別捜査官」 (中公新書) 作者: 高橋義夫 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2019/02/20 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 本作の副題は「鬼と呼ばれた江戸の『特別捜…

頼迅庵の歴史エッセイ4

4 江戸時代の三大改革と江戸町奉行 享保の改革、寛政の改革、天保の改革を江戸時代(又は近世)の三大改革といいます。この三つの時代と改革の推進者、そして町奉行を見てみましょう。 享保の改革(享保元年(1716)~延享二年(1745)) 推進者:八代将軍徳…

頼迅庵の歴史エッセイ3

3 「働き方改革」と柳生久通 平成31年4月1日は、新元号「令和」が発表された日です。おそらく、平成の小渕官房長官(当時)のように、菅官房長官の画像も今後折りに触れて映しだされることでしょう。 実は、この日は「働き方改革」による改正労働基準法の施…

頼迅庵の歴史エッセイ2

2 (江戸)町奉行と勘定奉行、そして柳生久通 東大名誉教授藤田覚氏の「勘定奉行の江戸時代」(ちくま新書)によれば、町奉行所は「御番所」といわれ、「長である町奉行は『御頭』などと呼ばれていた」(12ページ)といいます。続けて氏は同著で、「勘定奉行…

頼迅庵の歴史エッセイ1

1 江戸の北町奉行柳生主膳正久通について 江戸町奉行といえば、真っ先に名前が出てくるのは、大岡越前守忠相、そして遠山左衛門尉景元でしょうか。どちらも小説やドラマでおなじみですね。私は小さい頃、陣出達郎の作品を読んでいるので、どちらかというと「…