日本歴史時代作家協会 公式ブログ

歴史時代小説を書く作家、時代物イラストレーター、時代物記事を書くライター、研究者などが集う会です。Welcome to Japan Historical Writers' Association! Don't hesitate to contact us!

大河ドラマウォッチ「鎌倉殿の13人」 第3回 挙兵は慎重に

都に激震が走りました。平清盛が、後白河法皇を幽閉したのです。清盛は自分の孫を帝(みかど)に即位させました。安徳天皇です。この時、一歳と三ヶ月でした。 その頃、伊豆では、頼朝(大泉洋)を婿に迎えた北条家に、都の不穏な気配が忍び寄っていました。 治…

『映画に溺れて』第474回 ブルー・ストリーク

第474回 ブルー・ストリーク 平成十二年四月(2000)新橋 新橋文化 宝石泥棒が意に反して有能な刑事になるというマーティン・ローレンス主演の犯罪コメディ。 仲間とともに厳重な警備を破って二千万ドルの巨大ダイヤモンドを盗み出したマイルズ、その直…

書評『仁王の本願』

書名『仁王の本願』 著者 赤神諒発売 角川書店発行年月日 2021年12月22日定価 ¥1800E 仁王の本願 作者:赤神 諒 KADOKAWA Amazon 加賀(かが)一向一揆(いっこういっき)のなか仁王隊(本願寺最強の鉄砲衆)を率い孤高の戦いを続けた本願寺の坊官(本願寺領を守る…

『映画に溺れて』第473回 ラッキーナンバー7

第473回 ラッキーナンバー7 平成十九年五月(2007)飯田橋 ギンレイホール 警察官役の多いブルース・ウィリスだが、殺し屋もまたよく似合う。『ジャッカルの日』のリメイク『ジャッカル』やコメディ『隣のヒットマン』はヒットした。 やはりウィリスが…

『映画に溺れて』第472回 第三の男

第472回 第三の男 平成二年三月(1990)三鷹 三鷹オスカー 見事な映画であり、あまりにも有名な作品である。 モノクロ映像の美しさ、巧みなストーリー展開、絵になるスターたち。そして、なによりも全編に流れるチターの名曲。この映画を観たことがない…

大河ドラマウォッチ「鎌倉殿の13人」 第2回 佐殿(すけどの)の腹

北条の館に、伊東の軍勢が、源頼朝(佐殿)(大泉洋)を引き渡すように迫ってきていました。伊東の当主である、伊東祐親(いとうのすけちか)(浅野和之)が叫びます。 「これ以上にらみ合っても無駄じゃ。後は力尽くで頼朝を奪い取るのみ」 それに対して、北条の当…

『映画に溺れて』第471回 偶然と想像

第471回 偶然と想像 令和三年十月(2021)渋谷 映画美学校試写室 洒落た短編小説を読むような面白さ。三つの短編によるオムニバスである。こんな偶然ありえない、と思うようなことがごく自然に納得できる形で起きてしまうのが映画の魔法なのだ。それは完…

大河ドラマウォッチ「鎌倉殿の13人」 第一回 大いなる小競り合い

北条義時(小四郎)(小栗旬)が、後ろに女性を乗せて、馬で駆けています。三人の騎馬武者がそれを追います。 「姫、振り落とされないように気をつけて」 と、義時は後ろの女性に声をかけます。義時は前方に立ちふさがる武者たちを避け、森に逃げ込みます。 安政…

書評『黒白の一族』

書 名 『黒白の一族』 著 者 明野照葉発行所 光文社発行年月日 2021年12月30日定 価 ¥1800E 黒白の一族 作者:明野照葉 光文社 Amazon あなたの住む町に、相当の変わり者の一族が住み着いて、あなたがた住民を巻き込み、街そのものを変えようとする事態とな…

『映画に溺れて』第470回 浜の朝日の嘘つきどもと

第470回 浜の朝日の嘘つきどもと 令和三年十二月(2021)飯田橋 ギンレイホール 私は映画が好きであり、映画は映画館で観たい。映画館が大好きなのだ。だが、近頃は家庭用の大型TVが普及し、DVDやネット配信も充実し、映画館へ全然行かない映画ファ…

『映画に溺れて』第469回 ベル・エポックでもう一度

第469回 ベル・エポックでもう一度 令和三年十二月(2021)飯田橋 ギンレイホール タイムトラベルサービス。客が好きな時代を選んで時間旅行。ただし、SFではなく、タイムマシンも仮想現実も出てこない。撮影所のセットと衣装や小道具を使い、無名俳優…

書評『黛家の兄弟』

書名『黛家の兄弟』 著者 砂原浩太朗発売 講談社発行年月日 2022年1月13日定価 ¥1800E 黛家の兄弟 作者:砂原 浩太朗 講談社 Amazon 砂原浩太朗(昭和44年生まれ、兵庫県神戸市出身)は、描きつくされた感のある戦国史を繊細極まる文体で全く新たに描…

書評『北斗の邦へ翔べ』

書名『北斗の邦へ翔べ』 著者 谷津矢車出版社 角川春樹事務所発行日 2021年11月18日定価 ¥1700円E 北斗の邦へ翔べ 作者:谷津 矢車 角川春樹事務所 Amazon 「勝ち目はないだろう戦(いくさ)」(福沢諭吉「痩せ我慢の説」)戊辰戦争に参戦した榎本…

『映画に溺れて』第468回 ダークナイト

第468回 ダークナイト 平成二十年八月(2008)新宿 新宿ピカデリー 私の好きなバットマン俳優はティム・バートン監督の二作に出たマイケル・キートンである。バートンのグロテスクともいえるユーモア感覚に、とても善人には見えない面構えのキートンがぴ…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 最終回 青春は続く

大正八年(1919)。ドイツの降伏で、第一次世界大戦が終結。日本は、戦後処理のために開かれたパリ講和会議で、人種差別の撤廃を欧米各国に求める一方、中国の山東半島におけるドイツの権益を要求。日本に対する、各国の警戒が強まり、中国や朝鮮半島では、反…

『映画に溺れて』第467回 シザーハンズ

第467回 シザーハンズ 平成二年十二月(1991)池袋 文芸坐 アメリカの郊外にある新興住宅地、カラフルな家々がまるでモデルハウスのように建ち並んでいる。そのすぐそばにそびえる小高い丘。丘の上の屋敷に住む発明家が人造人間を創造する。これはティム…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第40回 栄一、海を越えて

栄一(吉沢亮)は皆の前で宣言します。 「私は、このたび、第一線を退くこととしました。第一銀行と銀行集会所以外の役員、すべて辞任し、実業界を引退したいと思う」皆は騒然となります。「惜しんでくれてありがたい。しかし今は、時代は変り、人材もそろった…

『映画に溺れて』第466回 マルコヴィッチの穴

第466回 マルコヴィッチの穴 平成十二年十月(2000)伊勢佐木町 横浜オスカー これぞ奇想天外という言葉がぴったりと当てはまる作品である。 なにしろ、実在のスター俳優、ジョン・マルコヴィッチの頭の中に入るトンネルが偶然に見つかり、マルコヴィッ…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第39回 栄一と戦争

日清戦争に勝利し、一等国への階段を駆け上ろうとしていた日本。 栄一(吉沢亮)は、喜作(高良健吾)と、血洗島に戻っていました。平九郎の位牌に手を合わせます。惇忠(田辺誠一)がいいます。 「悲憤慷慨(ひふんこうがい)していた頃の俺たちの夢が、よ…

『映画に溺れて』第465回 時計じかけのオレンジ

第465回 時計じかけのオレンジ 昭和四十七年九月(1972)大阪 難波 なんばロキシー 私のキューブリック初体験は『時計じかけのオレンジ』で、十八歳だった。主人公のアレックスは高校生の設定だからほぼ同世代である。 一九六〇年代末から七〇年代初めに…

2021年新刊書評年末号

2021年新刊書評年末号 風呼ぶ狐 西南戦争の潜入警察官 (文藝春秋企画出版) 作者:天堂 晋助 文藝春秋企画出版部 Amazon 天堂晋助『風呼ぶ狐 西南戦争の潜入警察官』が抜群の面白さである。 作者にとっては久しぶりの長編小説の刊行である。そう言えば作者とは…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第38回 栄一の嫡男

明治二十二年(1889)、夏。上野で徳川家康が江戸城に入って三百年の節目を祝う「東京開始三百年祭」が開かれました。この祭りを企画したのは、旧幕臣たちでした。 慶喜(草彅剛)の側に仕えていた猪狩勝三郎(遠山俊也)が、水戸烈公(竹中直人)の口癖であ…

『映画に溺れて』第464回 アンテベラム

第464回 アンテベラム 令和三年十一月(2021)日比谷 TOHOシネマズシャンテ 黒人女性を主人公としたふたつの世界の物語が描かれる。 アメリカ南部の農園で酷使される女奴隷のエデン。南部連合の旗が翻り、農場を支配するのは南軍の将軍とその配下の…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第37回 栄一、あがく

千代の死から、三ヶ月がたちました。栄一(吉沢亮)は「顔色が悪い」と喜作(高良健吾)にいわれる始末です。 「渋沢には、早う次の妻を探さにゃならんな」と、立ち上がったのは井上馨(福士誠治)です。「でなけんにゃ、日本経済そのものにも大いに差し障り…

『映画に溺れて』第463回 騙し絵の牙

第463回 騙し絵の牙 令和三年三月(2021)新宿 新宿ピカデリー 出版不況と言われて久しい。本が売れて出版社も作家も町の書店も潤った時代は遠い昔のことだ。本が売れなくても雑誌が売れていればなんとかなっていたが、今はもう雑誌も売れない。この先、…

書評『尼将軍』

書 名 『尼将軍』 著 者 三田誠広発 売 作品社発行年月日 2021年9月25日 尼将軍 作者:三田誠広 作品社 Amazon 頼朝の流人生活を伝える歴史史料はきわめて乏しく、頼朝と政子の運命的な結びつきについては「はっきりしたことはわからない」(奥富敬之『…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第36回 栄一と千代

栄一(吉沢亮)たちは、三菱に対抗すべく、海運業者の合本(がっぽん)組織「東京風帆船(ふうはんせん)会社」を設立しました。 「合本で、三菱の一人勝ちを打ち破ろう」 と、栄一は皆に宣言します。 岩崎弥太郎(中村芝翫)は大隈重信(大倉孝二)と話して…

『映画に溺れて』第462回 最後の決闘裁判

第462回 最後の決闘裁判 令和三年十月(2021)立川 TOHOシネマズ立川立飛 ミステリアスな実録中世騎士物語である。 十四世紀末のフランス、ノルマンディーの騎士ジャン・ド・カルージュは留守中、屋敷で妻のマルグリットをかつての友ジャック・ル・…

天堂晋助さん新刊

「大河ドラマウォッチ」でおなじみ・天堂晋助さんの新刊予約が始まりました! 風呼ぶ狐 西南戦争の潜入警察官 (文藝春秋企画出版) 作者:天堂 晋助 文藝春秋 Amazon

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第35回 栄一、もてなす

アメリカの元大統領、グラント将軍を、国を挙げて、もてなすことになりました。民(みん)の力を見せつけてやると、栄一(吉沢亮)たちは大はりきりです。 築地の大隈邸に、栄一の妻の千代(橋本愛)と、喜作(高良健吾)の妻の、よし、がやって来ます。待っていたの…