日本歴史時代作家協会 公式ブログ

歴史時代小説を書く作家、時代物イラストレーター、時代物記事を書くライター、研究者などが集う会です。Welcome to Japan Historical Writers' Association! Don't hesitate to contact us!

『映画に溺れて』第402回 まぼろしの市街戦

第402回 まぼろしの市街戦 昭和五十三年四月(1978) 大阪 中之島 SABホール 『マラー/サド』と二本立てで観たのが『まぼろしの市街戦』だった。どちらも精神病院が題材になっている。こんな組み合わせを考える上映会の主催者、よほどの映画好きなの…

大河ドラマウォッチ「麒麟がくる」 第三十四回 焼討ちの代償

元亀二年(1571年)九月。織田信長(染谷将太)は、比叡山延暦寺を攻め、僧侶やそこで暮らす人々を、男女の区別なくことごとく殺戮しました。明智光秀十兵衛(長谷川博己)は、比叡山の事実上の主(あるじ)である覚恕(春風亭小朝)を取り逃がしたことを知…

『映画に溺れて』第401回 マルキ・ド・サドの演出のもとにシャラントン精神病院患者たちによって演じられたジャン=ポール・マラーの迫害と暗殺

第401回 マルキ・ド・サドの演出のもとにシャラントン精神病院患者たちによって演じられたジャン=ポール・マラーの迫害と暗殺 昭和五十三年四月(1978)大阪 中之島 SABホール 長いタイトルの映画は『博士の異常な愛情』やウディ・アレンの『SEX…

尊王攘夷と洋式兵学展

『尊王攘夷と洋式兵学展』開催のお知らせ 「展示物はすべて15年以上にわたって洋式兵学の研究をしていた個人の所有物です。 基本、一般向けに公開される事はない物になります」……との事です。詳細は画像参照のこと。 開催場所:深谷駅市民ギャラリー2 日時…

大河ドラマウォッチ「麒麟がくる」 第三十三回 比叡山に棲(す)む魔物

元亀元年(1570年)十一月。朝倉義景(ユースケ・サンタマリア)と浅井長政は、信長を討つために延暦寺の助けを得て、比叡山に陣を敷きました。さらに西には三好の一党と本願寺。南には六角と一向宗に囲まれ、信長は孤立し、窮地に立たされていました。 織田…

『映画に溺れて』第400回 スタア誕生(1954)

第400回 スタア誕生(1954) 平成九年一月(1997)国立 国立市公民館 ウィリアム・A・ウェルマン監督、ジャネット・ゲイナー主演の一九三七年『スタア誕生』は、その後繰り返しリメイクされている。最初のリメイクは一九五四年、ジュディ・ガーラン…

『映画に溺れて』第399回 殺人狂時代(1947)

第399回 殺人狂時代(1947) 平成二十五年十月(2013)新橋 新橋文化 山高帽にチョビ髭、竹のステッキという独特の放浪紳士スタイルを捨て、チャップリンが戦後、最初に作った映画が『殺人狂時代』である。自作自演で演じるのはフランスに実在した犯…

大河ドラマウォッチ「麒麟がくる」 第三十二回 反撃の二百挺

元亀元年(1570年)四月。織田信長(染谷将太)率いる軍勢は、越前、金ケ崎から京へ逃げ帰りました。信長の敗北でした。 二条城の将軍足利義昭(滝藤賢一)のもとへ、明智光秀十兵衛(長谷川博己)は呼び出されます。信長に会う前に話を聞いておきたいという…

『映画に溺れて』第398回 殺人狂時代(1967)

第398回 殺人狂時代(1967) 平成二年十二月(1990)池袋 文芸坐2 池袋文芸坐2での岡本喜八特集では、ずいぶんといろんな喜八映画を堪能したが、『ああ爆弾』と並んで忘れられないのが仲代達矢主演の『殺人狂時代』で、これもまた客席は爆笑の渦で…

大河ドラマウォッチ「麒麟がくる」 第三十一回 逃げよ信長

永禄十三年(1570年)四月。織田信長(染谷将太)は、諸国の兵を従え、朝倉義景の待ち受ける越前を目指しました。信長の呼びかけに応じて、三河の徳川家康(風間俊介)、摂津の池田勝正、大和の松永久秀(吉田鋼太郎)などが集結し、琵琶湖の西岸を北上し、…

明治一五一年 第18回

明治一五一年 第18回 夕日の裏側をすり抜けていく幾つもの囁きにちいさく縮まっていく足の裏側の痛い感触は静かに海面を渡り佇む賑やかな午後の浜辺へ嘉永六年の夕暮れ時の静まり返る三号台場の江戸湾の入り江に進む亜米利加艦隊の船尾の裂きいく空気の方位…

『映画に溺れて』第397回 ああ爆弾

第397回 ああ爆弾 平成二年十二月(1990)池袋 文芸坐2 新文芸坐に建て替わる以前の池袋の文芸坐には、実に足繁く通ったものである。当時は三館あって、主に洋画の話題作二本立てが一階の文芸坐、古い日本映画などの特集上映が地下の文芸地下、そして演…

大河ドラマウォッチ「麒麟がくる」 第三十回 朝倉義景を討て

永禄十二年(1569年)、夏。明智光秀十兵衛(長谷川博己)は京の二条城から、美濃に出発しようとしていました。木下藤吉郎(のちの秀吉)(佐々木蔵之介)見送りにやってきます。木下は探りを入れるようにいいます。 「こたびは岐阜城に、松永久秀(吉田鋼太…

書評『絵ことば又兵衛』

『絵ことば又兵衛』著者 谷津矢車発売 文藝春秋発行年月日 2020 年9 月30 日定価 ¥1750E 絵ことば又兵衛 (文春e-book) 作者:谷津 矢車 発売日: 2020/09/30 メディア: Kindle版 2013年『洛中洛外画狂伝 狩野永徳』でデビューした谷津矢車の最…

『映画に溺れて』第396回 ナイトメア・ビフォア・クリスマス

第396回 ナイトメア・ビフォア・クリスマス 平成六年十二月(1994)日比谷 日比谷映画 ティム・バートン原案、ストップモーションアニメの名作だが、子供向きというよりは大人が楽しめる内容になっている。 祝日の森の中にあるハロウィンタウン。不気味…

大河ドラマウォッチ「麒麟がくる」 第二十九回 摂津晴門の計略

永禄十二年(1569年)。将軍足利義昭(遠藤賢一)の御座所、二条城の築城が、着々と進んでいました。織田信長(染谷将太)は、近隣の国々から、人や物をかき集めた。京のめぼしい屋敷や、寺社からも庭石や、調度品などを差し出させ、みずから陣頭に立ち工事…

『映画に溺れて』第395回 モンテーニュ通りのカフェ

第395回 モンテーニュ通りのカフェ 平成二十一年五月(2009)飯田橋 ギンレイホール パリの賑やかな大通りの喫茶店で、ささやかながらもゆったりとすごす時間。そんな贅沢な気分が味わえる映画である。 田舎からパリに出てきた若い女性ジェシカがモンテ…

会員・喜安幸夫さんの新刊です。 読者の皆様よろしくお願い致します! 中国崩壊 (ヴィクトリー・ノベルス) 作者:喜安 幸夫 発売日: 2020/10/17 メディア: 新書

『映画に溺れて』第394回 メルシィ!人生

第394回 メルシィ!人生 平成十五年三月(2003)飯田橋 ギンレイホール シリアスからコメディ、恋愛ものから犯罪アクションまでなんでもこなす芸達者ダニエル・オートゥイユ主演の『メルシィ!人生』、大好きな一本である。 大手避妊具メーカーの経理部…

大河ドラマウォッチ「麒麟がくる」 第二十八回 新しき幕府

永禄十一年(1568年)。九月。足利義昭(滝藤賢一)が、織田信長(染谷将太)と共に、ついに上洛を果たしました。 京を支配していた三好勢は、織田軍の勢いに押され、摂津や大和などの国々へ退却しました。三好勢が頼りにしていた十四代将軍足利義栄は、摂津で病…

合評会のお知らせ

■この度日本歴史時代作家協会では、ホームページに掲載された短編小説についての「zoom合評会」を開催することとなりました。会員の皆様、奮って参加をよろしくお願い致します。 ■日時とzoomでの参加方法については後日、事務局よりメールにて連絡申し上げま…

『映画に溺れて』第393回 流れ者

第393回 流れ者 昭和四十九年八月(1974)大阪 中之島 フェスティバルホール 泡抜きのビールを好む男が主人公の『流れ者』、クロード・ルルーシュ監督、主演がジャン=ルイ・トランティニャン、おしゃれな犯罪映画である。 いきなりミュージカルの場面で…

明治一五一年 第17回

明治一五一年 第17回 いくつかの記録の狭間に落ちていく 人の声を拾いながら 慶応三年の陸奥の背の すでに一五一年の影たち が燃える静かな刻限が近づき 明治二八年の大陸への貧しき傷の 北上する足と南下する足の吃音 の重なりは届かぬ野だと 明治三八年の…

大河ドラマウォッチ「麒麟がくる」 第二十七回 宗久の約束

永禄十一年(1568年)。七月。足利義昭(よしあき)(滝藤賢一)の一行は、美濃の立政寺に到着しました。その中には明智光秀十兵衛(長谷川博己)の姿もあります。織田信長(染谷将太)は、ひれ伏して義昭の到着を待っていました。足利義昭は、信長の前に回…

『映画に溺れて』第392回 男と女 人生最良の日々

第392回 男と女 人生最良の日々 令和二年八月(2020)飯田橋 ギンレイホール レーサーのジャン・ルイは妻が自殺。映画撮影所の記録係アンヌは夫が事故死。ふたりはそれぞれ幼い子供を同じ寄宿舎に預けていて、それがきっかけで親しくなり、やがて愛し合…

大河ドラマウォッチ「麒麟がくる」 第二十六回 三淵の奸計(かんけい)

永禄十年(1567年)。越前の大大名、朝倉義景(ユースケ・サンタマリア)がついに上洛を決意しました。 一方、京は依然として、三好長慶の一族が支配し続けていました。その三好勢が担いだ四国阿波の足利義栄(よしひで)が、急遽十四第将軍つきました。とこ…

第9回日本歴史時代作家協会賞 選評

第9回日本歴史時代作家協会賞 選評 三田誠広(審査委員長) ・作品賞 ・新人賞 ・文庫書下ろし賞 菊池 仁(選考委員) ・新人賞 ・文庫書き下ろし新人賞 ・作品賞 ・文庫書き下ろしシリーズ賞 ・功労賞 ・慰労賞 雨宮由希夫(選考委員) ・文庫書き下ろし新…

書評『父のおともで文楽へ』

書 名 『父のおともで文楽へ』著 者 伊多波碧発行所 小学館発行年月日 2020年9月13日定 価 ¥700E 父のおともで文楽へ (小学館文庫) 作者:碧, 伊多波 発売日: 2020/09/08 メディア: 文庫 短編連作5話をまとめた文庫書下ろしである。本の帯に「心にポツンと…

大河ドラマウォッチ「麒麟がくる」 第二十五回 羽運ぶ蟻(あり)

永禄九年(1566年)。覚慶は還俗して足利義昭(滝藤賢一)を名乗り、朝倉義景(ユースケ・サンタマリア)を頼りに越前へ向かいました。しかし一行は、一乗谷からほど遠い、敦賀に留め置かれ、三月、半年と、時だけが過ぎていきました。 落ち着かないでいる細…

会員の短編小説をアップしました

会員の短編小説一覧 ◆西山ガラシャ渡りゆく ◆三田誠広 陰陽師紫式部 ◆天堂晋助 戦争にいってきた母のおじさん ◆響由布子 針妙(しんみょう)の長い一日 「針妙」と「おはり」 当会会員の皆様へ: 現在、短編原稿とリレーエッセイ執筆者を募集しております。 …