日本歴史時代作家協会 公式ブログ

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2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『映画に溺れて』第549回 クイズ・ショウ

第549回 クイズ・ショウ 平成七年四月(1995)日比谷 みゆき座 私が子供の頃、家にはTVが一台しかなく、夕食時などは家族そろって、つけっぱなしのTV番組を見ていた。その頃、多かったのが各種のクイズ番組だった。偉そうな司会者が解答者の席に並ん…

『映画に溺れて』第548回 十二人の怒れる男

第548回 十二人の怒れる男 平成八年九月(1996)有楽町 シネラセット 『十二人の怒れる男』は最初、レジナルド・ローズの脚本によるTVドラマとして一九五〇年代半ばにアメリカで放送された。 それが話題作となり、シドニー・ルメット監督、ヘンリー・…

『映画に溺れて』第547回 遊びの時間は終らない

第547回 遊びの時間は終らない 平成四年四月(1992)池袋 文芸坐 本木雅弘はかつてシブがき隊に属するアイドルだったが、その後ベテラン俳優として『おくりびと』などで風格ある演技を見せるようになった。 私が最初に観た本木の映画が『遊びの時間は終…

書評『鬼女』

書名『鬼女』著者 鳴海 風発売 早川書房発行日 2022年9月25日定価 本体2900円(税別) 鬼女 作者:鳴海 風 早川書房 Amazon 大岡昇平に「母成(ぼなり)峠の思い出」という戊辰戦争の本質を突いた短いが味わい深いエッセイ(『太陽』昭和52年6月号所収)がある…

『映画に溺れて』第546回 狼たちの午後

第546回 狼たちの午後 昭和五十五年七月(1980)大塚 大塚名画座 間抜けな銀行強盗を描いた実録もの。監督が『十二人の怒れる男』のシドニー・ルメット、主演が『ゴッドファーザー』のアル・パチーノ。一九七〇年代の半ばに作られたので、アメリカン・ニ…

『映画に溺れて』第545回 暴力脱獄

第545回 暴力脱獄 令和五年一月(2023)立川 キノシネマ立川 私がポール・ニューマンを初めて観たのは一九七〇年代、『明日に向って撃て』が一番最初で、その次が『スティング』だった。どちらの役柄も美男でタフでダンディで、しかもユーモアがあり、ポ…

『映画に溺れて』第544回 ローマの休日

第544回 ローマの休日 昭和四十八年九月(1973)京都 祇園 祇園会館 オードリー・ヘプバーンといえば、長身で清純派、世界的な映画スターとして有名だが、一九二九年、ベルギー生まれでオランダ育ちである。父は放浪の英国人、母はオランダ貴族、英国籍…

『映画に溺れて』第543回 或る夜の出来事

第543回 或る夜の出来事 昭和五十六年十一月(1981)新宿 新宿ビレッジ2 私が一番大好きなクリスマス映画といえば、フランク・キャプラ監督の『素晴らしき哉、人生!』である。キャプラ監督はコメディの名匠として一九二〇年代から六〇年代まで数多くの…

『映画に溺れて』第542回 草原の輝き

第542回 草原の輝き 昭和四十七年十月(1972)大阪 難波 なんばロキシー アメリカン・ニューシネマ『俺たちに明日はない』とほぼ同じ大恐慌と禁酒法の時代を描きながら、犯罪ともミステリとも無縁の恋愛映画が『草原の輝き』である。主演はナタリー・ウ…

『映画に溺れて』第541回 俺たちに明日はない

第541回 俺たちに明日はない 昭和四十八年十二月(1973)大阪 戎橋 戎橋劇場 アメリカの禁酒法時代は大恐慌とほぼ重なるが、実在した強盗一味を題材にしたのが『俺たちに明日はない』である。 一九六〇年代末に次々と作られたアメリカン・ニューシネマの…

『映画に溺れて』第540回 レディ・イヴ

第540回 レディ・イヴ 平成六年五月(1994)銀座 テアトル西友 大恐慌と禁酒法時代の後、ナチスによる軍事侵略が始まり、第二次大戦に発展する。ちょうどその頃のアメリカ映画は日本ではなかなか公開されなかったが、コメディの大家プレストン・スタージ…