日本歴史時代作家協会 公式ブログ

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2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『映画に溺れて』第7回 犬が島

第7回 犬が島 平成三十年十月(2018)飯田橋 ギンレイホール 外国人が日本に抱くイメージ、神社、侍、相撲、寿司、歌舞伎、俳句、太鼓。それらを随所に散りばめた不思議な映画である。ベースは桃太郎の鬼ケ島だろうか。 アメリカのウェス・アンダーソン…

『映画に溺れて』第6回 続・夕陽のガンマン

第6回 続・夕陽のガンマン 昭和四十二年十二月(1967)大阪 上本町 上六映劇 私が初めてひとりで映画館に行ったのは、高校に入学してからで、それまでは父か、あるいは祖母と観に行った。祖母は子供向きのディズニー作品にも連れて行ってくれたが、洋画…

頼迅庵の歴史エッセイ1

1 江戸の北町奉行柳生主膳正久通について 江戸町奉行といえば、真っ先に名前が出てくるのは、大岡越前守忠相、そして遠山左衛門尉景元でしょうか。どちらも小説やドラマでおなじみですね。私は小さい頃、陣出達郎の作品を読んでいるので、どちらかというと「…

『映画に溺れて』第5回 不知火検校

第5回 不知火検校 平成十一年三月(1999)調布 文化会館たづくり 盲目の居合の達人座頭市は勝新太郎の当たり役だが、その前にも盲人の役を演じている。江戸時代の藪原検校を題材にしたピカレスク『不知火検校』である。 江戸時代、盲人は幕府の庇護を受…

『映画に溺れて』第4回 座頭市と用心棒

第四回 座頭市と用心棒 平成二年一月(1990)池袋 文芸坐2 六十年代に大ヒットしたシリーズに勝新太郎の座頭市がある。流れ者の按摩で盲目だが、実は凄腕の剣術使い。仕込み杖をさっと抜いて、あっという間に何人もの敵を斬り倒す。第一作の『座頭市物…

「いだてん」は選挙速報でお休み

放送自体がお休みとの事です。一週空きます。

『映画に溺れて』第3回 椿三十郎

第3回 椿三十郎 昭和五十三年十一月(1978)大阪 阿倍野 アポログリーン 黒澤明監督の『七人の侍』は西部劇『荒野の七人』となったが、『用心棒』もまた西部劇になっている。セルジオ・レオーネの非公式リメイク、マカロニウエスタン『荒野の用心棒』で…

『映画に溺れて』第2回 荒野の七人

第2回 荒野の七人 昭和四十六年五月(1971) 大阪 上本町 上六映劇 映画館では『七人の侍』よりも『荒野の七人』を先に観た。リバイバル上映されたのが、高校三年生のときで、痛快娯楽西部劇に酔いしれた。 メキシコの村が山賊に毎年襲われる。作物は奪…

『映画に溺れて』第1回 七人の侍

1第1回 七人の侍 昭和四十七年八月(1972)大阪 堂島 毎日ホール 大好きな映画はたくさんあるが、おそらく、私はこれが一番だ。 映画館や公共ホールの上映会、名画座やフィルムセンターでの黒澤特集、三船特集などで何度も何度も繰り返し観ている。 そ…

再掲・加藤廣先生を送る(弔辞)

加藤廣(ひろし)先生を送る 2018.7.23 雨宮由希夫 『信長公記』の著者・太田牛一を主人公とした本格歴史ミステリー『信長の棺』で加藤廣先生が作家デビューを果たしたのは、13年前、2005年(平成17年)の初夏のころで、2005年の歴史時代小説、最大の話…

飯島一次の『映画に溺れて』

飯島一次の『映画に溺れて』 好きな映画のことだけを書こう。それも、映画館で観たものを中心に。 幼い頃、家にはまだTVがなく、映画好きの祖母がしょっちゅう映画館に連れて行ってくれたのだ。駅前の古い劇場で東映の時代劇を観るか、電車に乗って都会ま…

大河ドラマウォッチ「いだてん 東京オリムピック噺」 第13回 復活

日本に金栗四三(中村勘九郎)が敗退した知らせが電信で届けられます。棄権したと。 四三は意識を失い、気がついたときには宿のベッドに寝ていたのです。 北欧のストックホルムも、マラソン当日は暑く、日陰でも30度。灼熱地獄とも言え、マラソン選手の68人…