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大河ドラマウォッチ「西郷どん」 第29回 三度目の結婚

 今週も軽くツッコんでいこうと思います。

 西郷は長州征伐を収めて薩摩に帰ってきました。殿(茂久)のお側役にとりたてられます。西郷を嫌っている久光も、西郷を認めざるを得ません。

 城を後にした西郷は、川に面して、大久保に話します。もう幕府に日本国を任せておけない。幕府を潰すしかない。と。薩摩が長州の二の舞になることを恐れる大久保は、西郷に同意しません。それなら一人でやると言い、西郷は上半身裸になって、子供たちとウナギを獲りはじめます。また視聴者サービスかよ。

 そこへ糸(黒木華)が通りかかります。橋の上から西郷のマッチョボディーに見とれます。視聴者(おばさま方)代表か。

 家に帰ってみると、弟の吉次郎が嫁を貰っていました。すでに妊娠しています。手伝いに帰って来た妹の琴(桜庭ななみ)に、西郷も嫁をもらうようにと言われます。「おいには虎(近藤春奈)がいる!」と宣言してほしかったところですが、西郷は照れるばかり。

 翌日、西郷の家に、嫁候補の女性たちが集まってきます。城から帰ってきてその光景に驚く西郷。モテモテです。その中に「あたいを選んでたもんせ」と言って出てくる男がいます。島で西郷の命を助けた雪篷(石橋蓮司)です。西郷のおかげで島から戻ってこられたのでした。西郷との再会を喜びます。おい、空気読めよ雪篷。そういえば雪篷は西郷とチュー(口移しで水を飲ませた)してたっけ。冒頭の台詞も冗談に聞こえないな。西郷の家に世話になることになった雪篷。「いっそわしを嫁にせい」と女たちを追い帰します。だからシャレにならないって。

 グダグダになったかと思いきや、妹の琴は西郷の嫁取りを再び切り出します。

 翌日久光に呼び出される西郷。またしても久光は怒っています。幕府から参勤交代を命じられたからです。長州の問題がたやすく片付いたから。それはつまり「おまえのせいじゃ」とカメラの角度を変えて三回叫びます。久光のぼさぼさのモミアゲが強調されます。

 西郷はそれに対し、涙ながらに謝るのです。それにほだされる久光。大久保に西郷の尻ぬぐいを命じます。ちょろいな、久光。っていうか久光、実はいい奴じゃん。

 大久保に問い詰められ、あの涙は久光へのご機嫌取りだったことを認める西郷。そして「薩摩は長州の味方に付く」と驚くべきことを言い出します。そんなこと一人で勝手に決めんなよ。そのためには偽りの涙も流す、と開き直ります。

 大久保は家に帰ると、妻の満寿(ミムラ)に糸のことを調べるように言います。そうして西郷の家に、満寿は糸を連れて行くのです。糸は離縁されて帰ってきていたのでした。わたしは」と言いかける糸。そこへ吉次郎の嫁が産気づくのです。じらすなあ、中園ミホ

 子供が生まれてから仕切り直し。そして糸は、自分が子供ができないことが理由で離縁されたことを打ち明けます。西郷の妻にはふさわしくないと。

 翌朝、糸を訪ねる西郷。家に来てくれとプロポーズ。

 西郷は糸に言います。自分は日本中がひっくり返るようなことをしようとしている。大久保にはわかってもらえなかった。しかし糸なら自分の志をわかってくれそうな気がする。一人でもわかってくれる人がいたら心地いい。

 この口説き上手め。でも西郷は断られます。

 西郷が旅立つことを知らされる糸。走り出す糸。まさにトレンディドラマ。西郷が乗るバスを追いかけます(嘘)。

 橋のところで糸は西郷に追いつきます。まくしたてる糸。あの家でお帰りを待っています。西郷吉之助の妻として、新しい国を一緒に見たい。ふつつかものではありますが、よろしくお願いいたします。おい、一転して押しが強すぎるだろう。

 ありがとう、糸どん、と西郷は旅立っていくのでした。