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『映画に溺れて』第230回 大帝の剣

第230回 大帝の剣

平成十九年五月(2007)
銀座 丸の内TOEI①

 時間管理局を描いたSF小説『タイムパトロール』の作者ポール・アンダースン。この人の小説で大好きなもう一作が『天翔ける十字軍』である。中世のイングランドに舞い降りた宇宙人と騎士たちが戦い、戦利品の宇宙船で未知の世界へ飛び出すというもの。
 日本でも江戸時代に宇宙生物と武士が戦う『大帝の剣』がある。
 古代に宇宙からもたらされた物質オリハルコンによって無敵の大剣が作られる。徳川幕府成立後の江戸初期。それを自由自在に使いこなす豪傑が浪人の万源九郎。
 オリハルコンを求め、宇宙の彼方から二種の異星人が地球を訪れ、地球人にのりうつる。ひとつは豊臣の血をひく姫に、もうひとつは徳川の邪悪忍者の首領に。
 源九郎の大剣のほかにも神器がふたつあり、三種そろって手にする者が宇宙を支配する力を得る。
 行きがかりで姫を守ることになった源九郎が異星人の争いに巻き込まれ、江戸時代の日本で激しい戦いが繰り広げられる。遠藤憲一の木こりが山で宇宙人にとりつかれる場面、客席が大爆笑だった。
 時代劇とSFの融合。こういったストーリーが私は大好きなのだ。
 そういえば、ハリソン・フォードダニエル・クレイグが出ていた『エイリアン&カウボーイ』というのもあり、ウエスタンの世界で襲来する宇宙人と西部のガンマンが戦っていた。
 私事で恐縮だが、拙著『青い天狗』(双葉文庫)では江戸時代に出現するUFOの謎を蘭学者くずれの浪人が解明する。

大帝の剣
2007
監督:堤幸彦
出演:阿部寛長谷川京子宮藤官九郎津川雅彦遠藤憲一黒木メイサ