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『映画に溺れて』第508回 スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム

第508回 スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム

令和四年一月(2022)
立川 TOHOシネマズ立川立飛

 

 スーパーマンバットマンスパイダーマン、DCやマーベルの人気コミックは昔からTVや映画で何度も繰り返し映像化されている。
 近年でも人気キャラクターはシリーズ化され、さらに主演俳優を替えて新シリーズが作られる。
 一九六〇年代にコミックとして登場したスパイダーマンは、TVアニメやTVドラマになり、今世紀になってトビー・マグワイヤ主演の第一シリーズが三作、アンドリュー・ガーフィールド主演の第二シリーズが二作、そしてトム・ホランド主演の第三シリーズが三作作られた。その第三シリーズの三作目が『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』なのである。
 トム・ホランドスパイダーマンはその前にマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のアベンジャーシリーズに参加しているため、『スパイダーマン』第三シリーズには他のマーベルヒーロー、アイアンマンやドクター・ストレンジが絡んでくる。
 前作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』のラストシーンでスパイダーマンであることが世間に暴露されたピーター・パーカーはドクター・ストレンジを訪ね、魔法で人々の記憶からスパイダーマンの正体の記憶を消してほしいと依頼する。
 渋々承知したストレンジが呪文をとなえている間に、ピーターが何度も横やりを入れるので、魔術が失敗して時空が歪み、別の次元が現実世界に紛れ込む。
 そこに出現するのが、第一シリーズのグリーンゴブリン、ドクターオクトパス、サンドマン、第二シリーズのリザード、エレクトロといった悪役たち。さらに驚くべきは、トビー・マグワイアアンドリュー・ガーフィールドの初代、二代目のスパイダーマンさえ時空の歪みから出現。ここまでくると、このなんでもありのごった煮感こそが、究極のパロディではないかと思ってしまう。よくぞここまで遊んでくれたと喜ぶファンは多いだろう。

 

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム/Spider-Man: No Way Home
2021 アメリカ/公開2022
監督:ジョン・ワッツ
出演:トム・ホランドゼンデイヤベネディクト・カンバーバッチ、ジェイコブ・バタロン、ジョン・ファヴロージェイミー・フォックスウィレム・デフォー、アルフレッド・モリーナ、マリサ・トメイアンドリュー・ガーフィールドトビー・マグワイア