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大河ドラマウォッチ「いだてん 東京オリムピック噺」 第3回 冒険世界

 今週も軽くツッコんでいこうと思います。
 海軍兵学校の身体検査に落ちた金栗四三(しそう)は、実家の畑仕事を手伝っていました。兄の実次に説教されます。
「いつまでくさっとるとか」
 四三はいいます。進学はあきらめた。実家の畑仕事を手伝う。実次は、手は足りている。気を遣わないで、お前の好きなことをしろ、といいます。そこで四三は東京高等師範学校の手引きを見せるのです。お前は学校の先生になるのか、と納得する実次。さらに実次は手引きに、嘉納治五郎、の文字を見つけるのです。
 四三は幼いときに、父に連れられて嘉納治五郎に会いに行きました。嘉納治五郎に抱っこしてもらうことが目的でした。その目的は果たせませんでした。しかし父は抱っこしてもらったと家族に嘘をいいます。四三はそれをずっと気にしていたのです。
 嘉納治五郎を乗り越えようというのだな、と実次は感激して四三をほめます。
 こうして四三は東京高等師範学校に入学することになったのです。
 四三の見送りは、祝砲を鳴らすなどして村総出で行われました。
 東京へ向かう汽車の中で、四三は「冒険世界」という雑誌を目にします。そこに「天狗倶楽部」のことが記されていました。一緒に東京に向かう友人の美川秀信が説明します。天狗倶楽部とは、スポーツ同好会、だよ。スポーツ? と四三は聞き返します。
「早い話、遊び人さ」
 秀信はいいます。納得する四三。
 ここで場面は天狗倶楽部のスポーツする様子に移ります。その中のスター、三島弥彦は「冒険世界」の女性記者にインタビューを受けていました。必死になったことなど、一度もない、と三島は言い切ります。
「僕は一度くらい負けてみたいと思っている」
 とうそぶく三島。負けた人間の屈辱を味わってみたいね、といって三島は女性記者のもとから去って行きます。
 東京に着いた四三。財布がないことに気づきます。市電の中でスられたのです。この出来事から、四三はすっかり電車嫌いになりました。
 四三たちが学校の寄宿舎に着いた時には、すっかり夜になっていました。四三は寄宿舎の監督係、略して舎監の永井道明にさっそくしごかれることになります。
 四三は朝礼で、校長の嘉納治五郎が生徒たちに話す様子に見とれます。
 四三の朝は、冷水浴と乾布摩擦で始まります。食事はよく噛んで多く食べ、皆がいなくなっても食堂に残ります。皆の最後に寄宿舎を出るのです。そして走ります。一里を20分で行き、誰よりも早く学校に着きます。
 夏休みに四三は熊本に帰ってきます。幼なじみのスヤ(綾瀬はるか)と会い、和やかな時を過ごします。そして家族との食事の時、四三はスヤが見合いをすることを聞かされるのです。
 兄の実次が四三にいいます。
「偉か人は、熱中する才能ばもっとるばい」
 四三もひとかどの人間になるには、熱中する何かを見つけることだ。四三は兄の言葉を噛みしめます。
 四三は秀信と東京に帰る汽車に乗っていました。すると汽車を自転車で追いかける女学生を見つけます。驚いたことにそれはスヤでした。四三の見送りにやってきたのです。汽車の窓から帽子を振って応える四三。
 っていうかこの汽車はCGじゃなくて本物かよ。本物の汽車をわざわざこの場面のために走らせたのか。本気出しすぎだろうNHK
 東京に着いた四三は走る男たちを目撃します。まぎれ込んで走っていた車夫の清に四三は「マラソン」という言葉を聞きます。
 四三にとって走ることは、あくまで移動手段でした。しかし目の前の彼らは、走りたいから走っている。兄の言葉がよみがえってきます。熱中する何かを見つけることだ。
 寄宿舎に帰った四三は校内でマラソンが行われることを知るのでした。