日本歴史時代作家協会 公式ブログ

歴史時代小説を書く作家、時代物イラストレーター、時代物記事を書くライター、研究者などが集う会です。Welcome to Japan Historical Writers' Association! Don't hesitate to contact us!

2021-01-01から1年間の記事一覧

小説をアップしました

合評会用の小説をアップしました。 rekishijidai.jugem.jp

『映画に溺れて』第435回 カウボーイ&エイリアン

第435回 カウボーイ&エイリアン 平成二十三年十一月(2011)新宿 新宿ピカデリー 開拓時代のアメリカ西部。カウボーイ、ガンマン、保安官、酒場の女、インディアン、荒野の追跡。その型通りの西部劇に、宇宙人襲来のパニックSFを混ぜたらどうなるか。…

注意喚起情報!

当会事務局長の個人ラインアカウントが乗っ取られました。 突然の要求などには一切応じないようよろしくお願い致します。 ご不審な点は事務局長もしくはウェブ担当響由布子に電話してお聞きください。よろしくお願い致します。

『映画に溺れて』第434回 ダイナソー

第434回 ダイナソー 平成十三年一月(2001)新宿歌舞伎町 新宿グランドオデヲン これは一種の西部劇である。新天地を求めて移動するキャラバン。それに加わる新参の若者。横暴なリーダーとの対立。過酷な旅に力尽きて倒れる者、遅れる老人、負傷して置き…

第10回日本歴史時代作家協会賞発表‼(2021年度)

【速報‼】第10回日本歴史時代作家協会賞発表‼(2021年度) 厳正なる審査を経て受賞作が決定致しました。 ● 新人賞 蝉谷めぐ実『化け者心中』 KADOKAWA 2020年10月 化け者心中 (角川書店単行本) 作者:蝉谷 めぐ実 KADOKAWA Amazon [候補作] 亀泉きょう『へ…

『映画に溺れて』第433回 バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3

第433回 バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3 平成二年七月(1990)渋谷 渋谷東急2 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は第一作がヒットし、その後、PART2とPART3が作られたが、第一作が一番面白く、二〇一五年の未来へ行く二作目がぱっとしなかっ…

『映画に溺れて』第432回 デッドマン

第432回 デッドマン 平成八年五月(1996)高田馬場 高田馬場東映 ジョニー・デップ主演、ジム・ジャームッシュ監督の異色西部劇。 東部の都会から西部にやって来た会計士のウィリアム・ブレイク。来るのが遅すぎたと頼みの綱の会社に雇ってもらえず、娼…

書評『新装版 人殺し』

書 名 『新装版 人殺し』著 者 明野照葉発行所 角川春樹事務所発行年月日 2021年8月18日定 価 ¥760E 新装版 人殺し (ハルキ文庫 あ 18-4) 作者:明野 照葉 角川春樹事務所 Amazon 舞台は文京区本郷。2003年のこれから梅雨に入ろうかという頃から物語は…

『映画に溺れて』第431回 ローン・レンジャー

第431回 ローン・レンジャー 平成二十五年九月(2013) 名古屋 ミッドランドスクエアシネマ 映画はそれをいつどこで観たかという環境とともに記憶されている。西部劇『ローン・レンジャー』を観たのは名古屋駅近くの映画館で、この日、台風で東京行きの…

明治一五一年 第21回

明治一五一年 第21回 人の名前が錯綜する人の血筋が錯綜する境目のあざなえる膿み爛れつづける一八六八年のもう帰らない意識がさらに繋ぐ泥濘に深深と塗れる指先を掴むいくつかの掌は一八七七年のもう帰らない積み重なる様様な歪な思いの内に紛れつつ潰えこ…

『映画に溺れて』第430回 駅馬車

第430回 駅馬車 昭和四十八年四月(1973)大阪 梅田 梅田地下劇場 私が映画館に通い始めた一九七〇年代、ジョン・ウェインはベトナム戦争礼賛のタカ派のイメージが強くて好きになれなかった。二〇一五年の映画『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』で…

『映画に溺れて』第429回 ラスト・アウトロー

第429回 ラスト・アウトロー 平成七年三月(1995)池袋 文芸坐 元南軍兵士の無法者たちが徒党を組んで西部を荒し回っている。首領は元南軍のグラフ大佐。かつては大牧場主で有能な軍人だったが、出征中に故郷の町が北軍の手に落ち、妻子を凌辱された上、…

『映画に溺れて』第428回 明日に向って撃て

第428回 明日に向って撃て 昭和四十七年十二月(1972)大阪 堂島 大毎地下 一九六〇年代末からアメリカ映画界に新しいスタイルの作品が続々と現れた。自由を求め、社会からはみ出した若者が、古い体制の権力者あるいは権力の手先によって自滅させられる…

『映画に溺れて』第427回 ハスラー

第427回 ハスラー 平成二十三年十月(2011)府中 TOHOシネマズ府中 若い頃、ビリヤードに夢中になったことがある。ローテーションゲームでポケットに十五個の玉を落としていく快感。西武線の江古田駅近くに友人がいて、駅前にあったビリヤード場に彼…

『映画に溺れて』第426回 白と黒

第426回 白と黒 平成十三年六月(2001) 京橋 フィルムセンター 犯罪物、推理物の面白さは、最後に意外な犯人が用意されていて、あっと驚かされ大満足となるのだが、この映画は犯行の場面で始まる。 弁護士会の会長夫人が浮気相手の若手弁護士、浜野に痴…

西山ガラシャさん新刊

新刊「徳川家康とお亀の方」 会員・西山ガラシャさん原作の歴史漫画が発売となりました。 読者の皆様、よろしくお願いいたします。 尾張徳川歴史コミック「徳川家康とお亀の方」 作者:西山ガラシャ(原作),瀬知エリカ(作画),原史彦(監修) 本丸ネットワ…

『映画に溺れて』第425回 shall we ダンス?(1996)

第425回 shall we ダンス?(1996) 平成八年七月(1996)池袋 文芸坐2 リチャード・ギア主演のハリウッドリメイク版もよく出来ているが、やはりなんといってもオリジナル『shall we ダンス?』がいいのだ。 この映画のヒットで中高年層に社…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第23回 篤太夫と最後の将軍

パリにいる幕府の使節団に、フランスからの六百万ドルの借款(しゃっかん)が消滅したとの知らせが入ります。同時にパリに来ていた薩摩が風聞を流し、幕府の信用が落としめられたためです。問題は民部公子(徳川昭武)(板垣李光人)が諸国へあいさつ回りす…

『映画に溺れて』第424回 Shall We Dance?(2004)

第424回 Shall We Dance?(2004) 平成十七年六月(2005)新宿 新宿スカラ2 リチャード・ギアはよほどシカゴの弁護士に縁があるのだろうか。『真実の行方』『シカゴ』に続いてもう一本、やはりシカゴの弁護士役があるのだ。 ただし、…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第22回 篤太夫、パリへ

慶応三年(1867)。篤太夫(吉沢亮)はパリへ向かう船に乗っていました。船酔いで苦しむ篤太夫に、水を差し出す者がいます。日本語を操る外国人に、篤太夫は驚きます。アレクサンダー・シーボルトでした。帰国のために同船していましたが、パリまで通辞の役…

書評『シャムのサムライ 山田長政』

書名『シャムのサムライ 山田長政』 著者名 幡 大介発売 実業之日本社発行年月日 2021年5月25日定価 ¥2400E シャムのサムライ 山田長政 作者:幡 大介 実業之日本社 Amazon 海外に雄飛した一世の英傑、異国で出世した山田長政(1590?~1630)の真…

『映画に溺れて』第423回 真実の行方

第423回 真実の行方 平成九年二月(1997)池袋 文芸坐 『シカゴ』で悪徳弁護士を演じたリチャード・ギア、やはり『真実の行方』でもシカゴの弁護士役で主演している。 報酬目当てで卑劣な犯罪者の依頼を受け、無実を勝ち取る敏腕弁護士ベイル。 大司教が…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第21回 篤太夫、遠き道へ

篤太夫(吉沢亮)は、慶喜(草彅剛)の側近である、原市之進(尾上寛之)に会っていました。 「内々の話であるが」原は膝を進めます。「きたる卯の年、フランスのパリにて、博覧会という催しが開かれる。なんでも、西洋東洋の万国が、おのれの国の自慢の物産を持ち…

『映画に溺れて』第422回 シカゴ

第422回 シカゴ 平成十五年五月(2003)錦糸町 楽天地シネマ3 ブロードウェイのヒットミュージカルの映画化。歌って踊るレニー・ゼルウィガー、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、そしてリチャード・ギアも歌う。普段は地味な脇役のジョン・C・ライリーま…

『映画に溺れて』第421回 隣のヒットマン

第421回 隣のヒットマン 平成十三年十一月(2001)新橋 新橋文化 ブルース・ウィリスがクールな殺し屋を演じた『隣のヒットマン』は伏線の効いた緻密なコメディで、オチもよく痛快である。 歯科医のオズは底抜けのお人好しで、借金の山と悪妻ソフィに悩…

書評『一休破戒帖 女賊始末』

書 名 『一休破戒帖 女賊始末』著 者 平野 純発行所 芸術新聞社発行年月日 2021年6月1日定 価 ¥Ⅰ700E 一休破戒帖 女賊始末 作者:平野純 芸術新聞社 Amazon 「頓智の一休さん」で親しまれる一休宗純(1394~1481)を主人公とした小説である。みずか…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第20回 篤太夫、青天の霹靂(へきれき)

篤太夫(吉沢亮)は一橋家の財政建て直しに、自分の居場所を見つけていました。 長州攻めの指揮をとっていた将軍家茂(磯村勇斗)が、大阪城にて倒れてしまいます。慶喜(草彅剛)は家茂を見舞います。 「私はまだ死ねんのじゃ。今の徳川を残して死んでは、…

第10回日本歴史時代作家協会賞 候補作発表‼

第10回日本歴史時代作家協会賞 各賞候補作(2021年度) ●文庫書き下ろし新人賞 (デビューから3年以内の作家で、2020年6月から2021年5月刊行までの文庫書き下ろし作品が対象) [候補作] 櫻部由美子『くら姫 出直し神社たね銭貸し』 ハルキ文庫21年4月鷹山 …

『映画に溺れて』第420回 ダイ・ハード

第420回 ダイ・ハード 平成元年三月(1989)新宿歌舞伎町 新宿プラザ 不死身でもなく特殊能力もない生身のヒーローがたまたま凶悪事件に巻き込まれ、ひとりで敵に立ち向かう『ダイ・ハード』は、なんといっても画期的だった。 ニューヨークの刑事ジョン…

『映画に溺れて』第419回 Mr.インクレディブル

第419回 Mr.インクレディブル 平成十七年一月(2005)新宿 新宿ピカデリー2 スーパーヒーロー同士が結婚し、生まれた子供たちにも特殊能力があるというのは『スカイ・ハイ』と同じ趣向だが、公開の時期はこちらの『Mr.インクレディブル』が少し早い…