日本歴史時代作家協会 公式ブログ

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天堂晋助

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第30回 渋沢栄一の父

西郷隆盛(博多華丸)を東京に連れ戻すために、岩倉具視(山内圭哉)は鹿児島に向かいました。鹿児島城で島津久光(池田成志)に対面し、「要(かなめ)の者」を差し出すようにと申し入れます。 求心力を失っていた政府にとって、軍を束ねる西郷は、頼みの綱…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第29回 栄一、改正する

渋谷栄一(吉沢亮)は大隈重信(大蔵孝二)に「改正掛(かいせいがかり)」を提案します。今、すでにある部署とは別に、大蔵省や外務省などの垣根を越え、広く日本に必要な物事を考え、決定事項を即実行できるようにしたい、と栄一は説明します。静岡藩から、さら…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第28回 篤太夫と八百万(やおよろず)の神

明治二年(1869)の夏。全国の藩が、領地と領民とを天皇に返還する「版籍奉還」が行われ、篤太夫(吉沢亮)のいる駿府藩は、静岡藩となりました。慶喜(草彅剛)は謹慎(きんしん)を解かれ、一年半ぶりに自由を得ることになりました。 篤太夫は東京に呼び出…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第26回 篤太夫、駿府で励む

明治元年も暮れになります。篤太夫(吉沢亮)は駿府藩庁にいました。 「渋沢篤太夫に、駿府藩の、勘定組頭を申しつける」 といったのは、駿府藩中老の大久保一翁(いちおう)(木場勝己)でした。 「いえ、お受けできません」 と、篤太夫は断り、理由を語り…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第26回 篤太夫、再会する

篤太夫(吉沢亮)は、桑畑を抜けて、故郷の血洗島に帰ってきます。辻に長七郎(満島真之介)が座っていました。 「出迎えに来てくれたのか」 と、篤太夫はたずねます。長七郎は笑い声をたて、いいます。 「どうした、その頭は」 篤太夫も、髪の毛をさわりな…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第25回 篤太夫、帰国する

明治元年(1868)、十月。パリを出発した篤太夫(吉沢亮)一行の船は、横浜に到着します。民部公子(板垣李光人)は小舟に乗り換え、品川に向かいます。薩長の者たちに無礼な扱いをされる可能性のあるためです。 横浜で下船する篤太夫は検査する薩摩の兵にし…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第24回 パリの御一新

血洗島の篤太夫の生家に、一人の侍が訪ねてきます。パリで篤太夫と共にいた、外国奉行支配調役の杉浦愛藏(志尊淳)でした。杉浦は篤太夫からの文(ふみ)を届けに来たのでした。篤太夫からの荷物には、写真も入っていました。一枚は額に入れられた民部公子(板垣…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第23回 篤太夫と最後の将軍

パリにいる幕府の使節団に、フランスからの六百万ドルの借款(しゃっかん)が消滅したとの知らせが入ります。同時にパリに来ていた薩摩が風聞を流し、幕府の信用が落としめられたためです。問題は民部公子(徳川昭武)(板垣李光人)が諸国へあいさつ回りす…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第22回 篤太夫、パリへ

慶応三年(1867)。篤太夫(吉沢亮)はパリへ向かう船に乗っていました。船酔いで苦しむ篤太夫に、水を差し出す者がいます。日本語を操る外国人に、篤太夫は驚きます。アレクサンダー・シーボルトでした。帰国のために同船していましたが、パリまで通辞の役…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第21回 篤太夫、遠き道へ

篤太夫(吉沢亮)は、慶喜(草彅剛)の側近である、原市之進(尾上寛之)に会っていました。 「内々の話であるが」原は膝を進めます。「きたる卯の年、フランスのパリにて、博覧会という催しが開かれる。なんでも、西洋東洋の万国が、おのれの国の自慢の物産を持ち…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第20回 篤太夫、青天の霹靂(へきれき)

篤太夫(吉沢亮)は一橋家の財政建て直しに、自分の居場所を見つけていました。 長州攻めの指揮をとっていた将軍家茂(磯村勇斗)が、大阪城にて倒れてしまいます。慶喜(草彅剛)は家茂を見舞います。 「私はまだ死ねんのじゃ。今の徳川を残して死んでは、…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第19回 勘定組頭 渋沢篤太夫

篤太夫(吉沢亮)は一橋家の懐を豊かにするために動き始めました。良質の米を高く売り、火薬の製造を始めます。 そして幕府にも、懐を豊かにしようとする男がいました。小栗忠順(上野介)(武田真治)です。 「フランスから軍艦を買うか。さすれば長州など…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第18回 一橋の懐

武田耕雲斎(津田寛治)を首領と治した天狗党千人あまりが、慶喜(草彅剛)を頼り、京へと向かっていました。しかし慶喜は家臣にいいます。 「京を守るのが私の役目だ。天狗ども京に入れるわけにはいかぬ。私の手で、天狗党を討伐する」 篤太夫(吉沢亮)や…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第17回 篤太夫、涙の帰京

元治元年(1864)六月。篤太夫(吉沢亮)と成一郎(高良健吾)は、一橋家のために集めた人々を連れて、江戸に向かっていました。そこへ中の家(なかんち)の作男である伝蔵(萩原守)がやって来ます。伝蔵は惇忠(田辺誠一)が放免になったことを二人に伝え…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第16回 恩人暗殺

慶喜(草彅剛)は朝廷から禁裏御守衛総督を申しつけられ、京のまつりごとの中心につきます。政治的基盤を固めるため、水戸藩へ人材の援助を要請するのでした。 一橋家に仕える人選御用の命を受けた篤太夫(吉沢亮)と成一郎(高良健吾)は、関東に向けて出発…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第15回 篤太夫、薩摩潜入

栄一(吉沢亮)と喜作(高良健吾)は一橋(ひとつばし)家から、初めての俸禄(給料)をもらいます。平岡円四郎(堤真一)は二人の故郷の領主であった、岡部に話を通してくれていました。これで栄一と喜作は、正真正銘の武士となったのでした。平岡は二人に…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第14回 栄一と運命の主君

栄一(吉沢亮)と喜作(高良健吾)は、平岡円四郎(堤真一)からいわれます。 「一橋(ひとつばし)の家来になれ」 二人は顔を見合わせます。そして栄一はいうのです。 「いやしくも我々には志(こころざし)が……」 あきれ声を出す平岡。 「断る気か。仕える…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第13回 栄一、京の都へ

栄一(吉沢亮)たちが企てていた、横浜焼き討ち計画は、長七郎(満島真之介)の必死の説得により、中止となりました。 栄一と喜作(高良健吾)は、新たな攘夷の道を探るため、血洗島を後にしました。二人は、江戸で偶然会った平岡円四郎(堤真一)を頼って、…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第12回 栄一の旅立ち

栄一(吉沢亮)が家を出て行くことについて、女たちがしゃべっています。栄一の母のゑい(和久井映見)が、夫の市郎右衛門(小林薫)も侍になりたがっていたことを話し始めます。本ばかり読み、武芸を学んで、いつか武家になるとずっといっていた。婿に入っ…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第11回 横濱焼き討ち計画

栄一(吉沢亮)は上州に逃がしたはずの長七郎(満島真之介)が、江戸に向かおうとしていることを知ります。 「長七郎が危ねえ」 と、栄一は夜道を駆け出すのでした。 長七郎は熊谷の常宿を発とうとしていました。そこに栄一が駆け込んできます。 「栄一、ど…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第10回 栄一、志士になる

「俺を江戸に行かせて欲しい」 と、栄一(吉沢亮)は父の市郎右衛門(小林薫)に頼みます。 「何の話かと思ったら」 市郎右衛門は作業の手を休めません。 「前に、とっさまと一緒に江戸に行ったんべ。そっから、この国がどんどん変わった」 「だから、百姓に…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第9回 栄一と桜田門外の変

大老井伊直弼(掃部頭【かもんのかみ】)(岸谷五朗)は名簿に朱で線を引いていきます。次々と尊皇攘夷派の者たちを処罰していたのです。すでに登城停止となっていた一橋慶喜(草彅剛)には、隠居、謹慎が申しつけられました。さらに謹慎中だった徳川斉昭(竹中直人…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第8回 栄一の祝言

栄一(吉沢亮)は、神社に来ていた千代(橋本愛)に声をかけます。 「俺は、お前が欲しい」 という栄一。千代はうつむいたまま答えません。 「ごめんなさい」と泣き出してしまいます。「いや、悲しいんではなくて、ずっと、嫌われたかと思ってたもんだから。…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第7回 青天の栄一

血洗島では、江戸へと旅立つことになった長七郎(満島真之介)の送別会が行われていました。兄の尾高惇忠(田辺誠一)が、長七郎に詩を贈ります。名を高め、世に知れ渡る偉大なる仕事をするのがお前の役目だ。慎(つつ)ましく暮らし、母や家を養うのは俺が…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第6回 栄一、胸騒ぎ

尾高の家の千代(橋本愛)が渋沢栄一(吉沢亮)のいる中の家(なかんち)に手伝いにやって来ていました。栄一は道場でしごかれて帰って来ます。荷物を運んで二人きりになったとき、栄一は千代にいいます。 「剣筋はいいといわれたに。今日だって伝蔵に一発、…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第5回 栄一、揺れる。

「承服できん」 と、つぶやきながら渋沢栄一(吉沢亮)は農道を歩いていました。代官に銭を届けに行った帰りです。その理不尽さに、栄一は怒っていたのでした。 「どうした栄一」 と、声を掛けてきたのは栄一のいとこの尾高惇忠(田辺誠一)でした。 「話を聞こ…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第4回 栄一、怒る

後に、近代日本経済の父と呼ばれる渋沢栄一。藍葉の不作という危機から、血洗島を救った栄一(吉沢亮)は、今日もよく働いておりました。 栄一は従兄弟の尾高惇忠(田辺誠一)を訪ねていました。その蔵書を読みふけっています。 「しかし承服できん」 と、栄…

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第3回 栄一、仕事はじめ

血洗島の渋沢家には、大勢の職人が集まっていました。藍の「すくも」」作りが始まったのです。乾燥させた藍の葉を、水を打ちながら混ぜ合わせ、発酵させます。これを何度も繰り返します。発酵を初めておよそ百日。「すくも」ができあがります。この「すくも…

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合評会用の小説を更新しました。 rekishijidai.jugem.jp

大河ドラマウォッチ「青天を衝け」 第2回 栄一、踊る

九つになった渋沢栄一は、少しずつ、父の市郎右衛門(小林薫)の仕事を学び始めていました。各地の藍農家を回って、藍葉を買い付けるのも市郎右衛門の大事な仕事でした。父のお供で信濃国を訪れた栄一は、帰り道で父が嬉しそうな顔をしていることを指摘しま…